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フォスファゼン触媒によるメチルメタクリレートのリビングアニオン重合; 中性子小角散乱と紫外可視分光による重合過程の観察

Living anionic polymerization of methyl methacrylate with phosphazene catalyst; Observation of the polymerization process by small-angle neutron scattering and UV-visible spectroscopy

宮元 展義; 井上 佳尚*; 小泉 智; 橋本 竹治

Miyamoto, Nobuyoshi; Inoue, Yoshihisa*; Koizumi, Satoshi; Hashimoto, Takeji

フォスファゼン(PZN)触媒を用いたリビングアニオン重合により重水素化テトラヒドロフラン(THF)中でメチルメタクリレートの重合を行い、重合過程を中性子小角散乱(SANS)により観察した。触媒溶液のSANS観察では、PZN1分子より大きな散乱体の存在が確認され、THF中でPZNカチオンが会合して存在していることが示唆された。触媒溶液にモノマーを加えると重合反応が瞬時に進行した。リビングポリマー溶液のSANS曲線は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で見積もられた分子量と同程度の分子量のポリマー鎖が、会合した触媒分子と共存しているモデルでほぼ説明された。溶液を空気中の水分と接触させて失活させた場合、低角度領域(実スケールで10nm以上の領域)でのみ散乱強度のわずかな減少が観察された。これらのことから、本系ではリビングポリマーとPZN会合体は非常にゆるやかな集合体を形成していることが示唆された。これら結果は有機リチウム化合物触媒としたリビングアニオン重合とは対照的である。有機リチウムの系では強い静電相互作用によりイオンと複数のリビングアニオン末端がスターポリマー状の会合体を形成する。PZN系では、PZNカチオンの電荷密度がリチウムイオンと比べて極めて小さくまたリビングアニオン末端も多くのポリマー鎖に非局在化されているために、PZNカチオンとリビングアニオン末端間の相互作用が非常に弱い。このことが、両者の違いの原因であると考えられる。

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