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中性子小角散乱と紫外可視分光の同時測定によるリビングアニオン重合過程のその場観察

In-situ observation of living anionic polymerization process by simultaneous measurements of small angle neutron scattering and UV-vis spectroscopy

宮元 展義; 井上 佳尚*; 小泉 智; 橋本 竹治

Miyamoto, Nobuyoshi; Inoue, Yoshihisa*; Koizumi, Satoshi; Hashimoto, Takeji

リビングアニオン重合では、反応中に触媒や重合末端が形成する超分子構造が重要な役割を担うことが知られている。本研究では、中性子小角散乱(SANS),ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC),紫外可視分光法(UV-Vis)による複合測定システムを活用して、フォスファゼン触媒(PZN)によるメチルメタクリレートのリビングアニオン重合過程をその場観察し、触媒・助触媒・重合末端が形成する超分子構造を明らかにし、重合メカニズムを検討した。PZN溶液のSANS観察では、PZN1分子より大きな散乱体の存在が確認され、PZNカチオンが会合して存在していることが示唆された。PZN溶液に助触媒Irgacure 184を加えると過剰な散乱が現れ、Irgacure 184がPZN会合体に取り込まれた複合構造の形成が示唆された。さらにモノマーを加えると重合反応が進行し、リビングポリマー溶液が得られた。リビングポリマー溶液のSANS観察では、GPCで見積もられた分子量と同程度の分子量のポリマー鎖が、PZN/IRG会合体と共存していることが示唆された。溶液を空気中の水分と接触させて失活させると、紫外可視スペクトルに大きな変化が現れたが、SANS曲線に変化は観察されなかった。これらのことから、本系においてリビングポリマーは会合せずに単独で存在していることが示された。

no abstracts in English

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