Improved separation of cadmium-107 from silver cyclotron targets by precipitation method

サイクロトロンによる照射銀ターゲットからのCd-107の沈殿分離法の改良

石岡 典子; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 中村 進一*; 松橋 信平

Ishioka, Noriko; Fujimaki, Shu; Suzui, Nobuo; Nakamura, Shinichi*; Matsuhashi, Shimpei

植物におけるカドミウムの吸収・分配機構を解明するためのトレーサとして、荷電粒子反応を用いたCd-107の製造法の改良を行った。照射済みのAgターゲットを硝酸により溶解した後、塩酸をグラジエント方式により加え、AgCl沈殿からCd-107を分離した。グラジエント方式により得られたCd-107の分離効率は、93%であった。グラジエント方式は分離効率の向上に加え、塩酸注入時間の短縮にも有効である。開発したCd-107は、ポジトロンイメージング装置により植物におけるカドミウム動態のリアルタイム計測が可能で、近年問題視されている農作物中のカドミウムの吸収・分配機構を解明するためのトレーサとして有用である。化学分離法の改良により、迅速で高回収率な放射性カドミウムトレーサの製造に成功した。

no abstracts in English