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粒子軌道計算による高速C$$_{3}$$クラスターイオンの構造選別の高精度化に関する研究

Particle trajectory simulation study to improve accuracy in classification of swift C$$_{3}$$ cluster ion structure

阿達 正浩; 齋藤 勇一; 千葉 敦也; 鳴海 一雅; 山田 圭介; 金子 敏明*

Adachi, Masahiro; Saito, Yuichi; Chiba, Atsuya; Narumi, Kazumasa; Yamada, Keisuke; Kaneko, Toshiaki*

高速クラスターイオンは電子的な衝突を介して物質と相互作用する。このこととクラスターの多体衝突効果とを合わせて考え、電荷状態とクラスター構造との関係を明らかにすることで相互作用解明へとつながる知見が得られると期待した。そのためにわれわれはクーロン爆発イメージング法を利用してクラスター構成イオンの相対位置を拡大して観察し、同時に構成イオンの電荷状態も測定するシステムを開発した。この方法で構造を選別するためには薄膜内部での散乱に伴う相対位置のずれを評価する必要がある。そこで、直線構造と三角構造のC$$_{3}$$クラスターについて、薄膜透過後の相対位置と各構成イオンの電荷を取り入れた粒子軌道計算コードを開発し、測定システムに対する軌道計算を行った。このコードでは、拡大後の各イオンの位置の重心からの距離を用いて、原点付近で三角構造の割合が、周辺では直線構造の割合が高まるような平面上の点に変換する方式を考案して取り入れた。その結果、原点を中心とした円形領域を設定することで構造選別の精度の評価が可能となり、これに基づいて選別の規準を設定した。

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