YHの圧力誘起分解現象

Pressure induced disproportionation of YH

町田 晃彦; 綿貫 徹; 大村 彩子*; 青木 勝敏

Machida, Akihiko; Watanuki, Tetsu; Omura, Ayako*; Aoki, Katsutoshi

イットリウム2水素化物では、水素原子はイットリウム金属原子の作る四面体サイトをすべて占有しており、八面体サイトは非占有であるため、それに起因した高圧力下における構造・物性が出現すると期待される。そこで本研究では、イットリウム2水素化物において高圧下放射光X解回折実験を行い、その構造の圧力特性を調べた。高圧下粉末X線回折実験はSPring-8のBL22XUに設置されているDAC用回折計を用いて行った。圧力媒体には静水圧性に優れるヘリウムを使用した。およそ35GPaまでは単相の面心立方格子であるが、およそ36GPaで6%ほど格子定数が小さい第2相が出現する。このとき、第2相は面心立方格子であるが、母相は第2相の出現に伴い格子が変形し、正方格子となる。圧力の印加に伴い、母相の変形は大きくなるが、およそ50GPaで急激に歪みが緩和する。第2相の格子定数は母体物質であるイットリウム金属より大きいため、水素は完全に抜けていないと推測される。この観測された相分離は、水素濃度の異なる2つの状態への分解であると考えられる。

We have investigated the structural properties of yttrium dihydrides, YH, by synchrotron radiation X-ray diffraction measurements under high pressure. RH exhibit the fcc metal lattice, which contains two interstitial hydrogen atoms, which are located at the tetrahedral sites, par one metal atom. These YH have no hydrogen atom at octahedral site. Then, it is expected that the high-pressure structural properties of the YH differ from the YH. The YH sample was pressurized with He pressure medium. we have found that the second phase appeared at about 36 GPa. We will discussed the observed pressure-induced phase separation in YH.