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9Cr-W-Mo-V-Nb鋼における高温強度に及ぼす熱処理の影響

Effect of heat treatment on high temperature strength of 9Cr-W-Mo-V-Nb steel

小原 智史; 山田 芳之*; 中澤 崇徳*; 山崎 政義*; 本郷 宏通*

Obara, Satoshi; Yamada, Yoshiyuki*; Nakazawa, Takanori*; Yamazaki, Masayoshi*; Hongo, Hiromichi*

FBR用高Cr鋼開発の一環として、焼ならし及び焼戻し熱処理条件を広範囲に変化させた高Crフェライト系耐熱鋼において、高温強度特性に及ぼす熱処理の影響について評価し、諸特性と合金元素の固溶・析出挙動並びに組織との関係について検討した。さらに、クリープ試験を行い熱処理により変化した高温強度特性の高温長時間有効性についても検討した。その結果、以下のことがわかった。(1)焼ならし温度の上昇に伴い0.2%耐力及び引張強さ、さらにはクリープ強度も増加した。これら高温強度の増加には、焼ならし温度の上昇によって焼戻し過程に析出するMX量の増加が寄与する。(2)焼戻し温度の上昇及び時間の増加に伴い高温強度は減少した。これは、おもに焼戻し処理により転位組織の回復、さらには析出物の粗大化が促進されたことによると推察できる。(3)650$$^{circ}$$C-20000hを超えるクリープ破断試験片の組織観察結果から、粒内に微細なMXをはじめとする炭化物が多く観察された。このことから、MX量の増加による高強度化は高温長時間に渡り有効であり、優れた高温長時間安定性が要求されるFBR用高Cr鋼の強化機構として有望であると考えられる。

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