2チャンネル動的核スピン偏極を用いた空間選択的核スピン偏極

Partial nuclear polarization using 2ch-DNP

熊田 高之   ; 能田 洋平; 橋本 竹治; 小泉 智

Kumada, Takayuki; Noda, Yohei; Hashimoto, Takeji; Koizumi, Satoshi

DNP法は試料中に混入された電子スピンから核スピンへ、電子-核二重共鳴法により偏極移動させることで、高い核スピン偏極度を得る手法である。安定ラジカルの化学ドーピング、もしくは放射線・光照射によって、試料中の特定部位にのみラジカルを局在させ、その部位のみを偏極することができれば、スピンコントラスト変調法の自由度が増し、より多くの構造因子が決定できる。近年、Paul Sherrer Institute(PSI)のvan den Brandtらは、正負偏極を誘起する2周波数のマイクロ波を一定のシーケンスで照射することで、ラジカル周囲の核スピンのみを選択的に偏極する2ch-DNPの技術を開発した。われわれは本法を用いて、空間選択的核スピン偏極とSANSを用いた、多成分複合体の構造決定を目指した。

Recently, we installed 2-channel dynamic nuclear polarization (2ch-DNP) system, which selectively polarize nuclear spins near radicals partially doped in samples. Goal of our study is to determine multiple form factors of multi-component system such as polymers dissolved in solvents using 2ch-DNP and SANS.