韓国における電子線を用いた排水処理の成功例

Success story of waste water treatment by electron beams and challenges in Korean

Han, B.*; Kim, J. K.*; Kim, Y.*; Choi, J. S.*; Lee, M. J.*; 田口 光正

Han, B.*; Kim, J. K.*; Kim, Y.*; Choi, J. S.*; Lee, M. J.*; Taguchi, Mitsumasa

繊維の染色プロセスでは、大量の水や水蒸気を消費し、着色排水が排出される。実験室規模の試験やコスト試算の結果、日量1,000mの排水に対し、1MeV, 40kWの電子加速器が選定され、1997年に電子線を用いたパイロットプラントが韓国の大邱染色工業団地(DDIC)に建設された。このプラント試験では、電子線照射による排水の一次処理により、生物処理に必要な時間が短縮され、TOC(全有機炭素)やCOD(化学的酸素要求量), BOD5(生物学的酸素要求量)が著しく減少する結果が得られた。このようにプロセスの経済性や処理効率の向上が確認されたことを受け、2005年にDDIC内の既存の排水処理施設内に1MeV, 400kWの電子線加速器を用いた、排水処理能力10,000m/日の商業プラントが建設された。この商業プラントでは、1kGyの照射により排水の処理効率が改善され生物処理の時間が短縮できた。このプラントの全建設費は400万ドルで、運転費用は年間100万ドル未満に抑えられ、排水1mあたり約0.3ドルで処理される。

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