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細胞内浄化酵素ヒトNUDT5の多様な基質認識機構と特異な触媒反応機構

Diverse substrate recognition and hydrolysis mechanisms of human NUDT5

有森 貴夫; 玉置 春彦*; 中村 照也*; 紙谷 浩之*; 池水 信二*; 高木 康光*; 石橋 徹*; 原島 秀吉*; 関口 睦夫*; 山縣 ゆり子*

Arimori, Takao; Tamaoki, Haruhiko*; Nakamura, Teruya*; Kamiya, Hiroyuki*; Ikemizu, Shinji*; Takagi, Yasumitsu*; Ishibashi, Toru*; Harashima, Hideyoshi*; Sekiguchi, Mutsuo*; Yamagata, Yuriko*

ヒトNUDT5は、変異原性ヌクレオチドとして重要な8-oxo-dGDPをはじめとするさまざまな酸化損傷ヌクレオシド二リン酸を加水分解し、DNAの突然変異の抑制に寄与している一方で、タンパク質の翻訳後修飾に関与するADP-riboseなどのADP-sugarに対しても加水分解活性を示し、幅広く細胞内の浄化に貢献していると考えられている。NUDT5の基質はいずれもヌクレオシド二リン酸を基本骨格としており、触媒反応により二つのリン酸基の間の結合が切断されるが、このピロリン酸部以外の化学構造には多様性があり、NUDT5がいかにしてさまざまな基質を認識し、加水分解するのかは不明であった。そこでわれわれは、X線結晶構造解析と同位体ラベル化法による求核攻撃部位の特定を行い、NUDT5の幅広い基質特異性獲得機構と加水分解反応機構を原子レベルで解明することに成功した。

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