Irradiation effects of -rays on cyanate ester / epoxy resins

シアネートエステル/エポキシ樹脂の線照射効果

出崎 亮; 上地 宏樹*; 羽倉 吉彦*; 松田 聡*; 岸 肇*

Idesaki, Akira; Uechi, Hiroki*; Hakura, Yoshihiko*; Matsuda, Satoshi*; Kishi, Hajime*

J-PARCミュオンビームラインに設置される超伝導磁石システムにおいては、ターゲットがシステムのボア内に置かれるため、数十MGyの耐放射線性を有する電気絶縁材料が必要であり、シアネートエステル/エポキシ樹脂が検討されている。しかし、シアネートエステル,エポキシともに多種の化学構造があるため、これらの組合せ,配合比を最適化して数十MGyの耐放射線性を有する樹脂を開発する必要がある。その開発に向けた技術指針を得るためには、基礎的な放射線劣化メカニズムの解明が重要であり、本研究では、モデル樹脂として、ビスフェノールA型のシアネートエステル、同型のエポキシを重量比1:1で配合した樹脂を作製し、線照射による劣化メカニズムを解明することを目的とした。線照射後の樹脂の動的粘弾性試験と発生ガス分析の結果から、シアネートエステル-エポキシ間で形成する架橋点で分子鎖の切断が起こるとともに、水素,二酸化炭素等のガスが発生することがわかった。また、照射後の樹脂の3点曲げ強度は低下したが、100MGy照射後も初期値の約90%である180MPaを維持することがわかった。以上の結果から、シアネートエステル/エポキシ樹脂の放射線劣化はシアネートエステル-エポキシ間で形成する架橋構造の崩壊に起因することを明らかにした。

Cyanate ester / epoxy resins are expected to be applied for electrical insulating material used in a superconducting magnet system at J-PARC muon beam line. In this work, radiation degradation mechanism of cyanate ester / epoxy resin was investigated. It was found that crosslinking structure formed between cyanate ester and epoxy is disintegrated by -ray irradiation and gases of hydrogen, carbon dioxide, and so on, evolve. While flexural strength of resin after the irradiation decreased, the resin retained its flexural strength of 180 MPa which is about 90% of initial value.