板状コロイドによって形成されるラメラ状構造の小角散乱パターンの解析

Analysis of highly periodic scattering data from a colloidal dispersion of plate-like particles

山口 大輔; 宮元 展義*; 中戸 晃之*; 小泉 智*; 太田 昇*; 八木 直人*; 橋本 竹治; 川勝 年洋*

Yamaguchi, Daisuke; Miyamoto, Nobuyoshi*; Nakato, Teruyuki*; Koizumi, Satoshi*; Ota, Noboru*; Yagi, Naoto*; Hashimoto, Takeji; Kawakatsu, Toshihiro*

液晶のスメクチック相に関する構造解析は、散乱法によるものに限っても、過去に多くの研究報告がなされている。液晶が真の長距離秩序を持たないという前提から、得られる散乱ピークに関して、その減衰挙動が、長らく議論の的になってきた。特にCaillによって計算された散乱関数の漸近挙動の論文にある、スメクチック相における、ピークの減衰のべき指数の予測の検証が精力的に行われている。既存の実験系では、スメクチック相を構成する分子の位置のゆらぎとともに配向のゆらぎも大きくなり、層の積層方向(qz方向)とその垂直方向(qx方向)に分けてピークの減衰の解析を行うことが困難であったためか、このような解析の報告例はほとんどない。今回、ニオブ酸化物の層状結晶を剥離させて単層ごとに水中に分散させた結果、自己集合して形成した積層構造を放射光X線のマイクロビームを用いて観察すると、極めて配向度の高い散乱パターンを示したため、qz方向とqx方向に分けてピークの減衰の解析を行うことが可能となった。解析の結果は理論の予測と一致する傾向を示した。

A highly periodic morphology of liquid crystalline (LC) phase formed in the aqueous colloidal dispersions of charged plate-like particles of niobate nanosheets was investigated by small-angle scattering method. The scattering profile was examined by line shape analysis and compared with calculation based on the Caille's formula. Qualitatively, an agreement between the experimental data and calculation (or theory) was obtained for the anisotropic decay of the peak intensity between the radial direction and that of perpendicular to the radial direction. Further quantitative comparison is under progress.