研究施設等廃棄物のトレンチ処分施設の上部覆土内への浸透水量の評価
Evaluation of infiltration water through the upper cover soil in trench type disposal facility for low level radioactive wastes generated from research, industrial and medical facilities
黒澤 亮平; 坂井 章浩 ; 仲田 久和 ; 天澤 弘也; 坂本 義昭
Kurosawa, Ryohei; Sakai, Akihiro; Nakata, Hisakazu; Amazawa, Hiroya; Sakamoto, Yoshiaki
トレンチ処分施設の安全評価では、廃棄物層を地下水位より上部に設置するため、放射性物質の環境中への流出は、降雨による浸透水が廃棄体層へ浸透することにより生じることが想定される。そのため、トレンチ処分施設の被ばく線量評価では、上部覆土内の層構成を設計して、廃棄体層への浸透水量を評価し、抑制することが重要となる。そこで、国内の気象条件を用いて、蒸発散量及び表面流出量を除いたトレンチ処分施設の上部覆土内への浸透水量を評価した。更に付加機能型トレンチ処分施設の低透水層土壌層又は遮水シートを備えた上部覆土内を移行して廃棄体層に至る浸透水量の評価を実施した。評価結果として、上部覆土表層の植生状態等の影響により、上部覆土へは降水量の約1/5倍から約3/5倍の水量が浸透していくことが分かった。上部覆土から廃棄体層への浸透水量は、低透水土壌層の透水係数を粘土にあたる値を設定することで、上部覆土に遮水シート設置した場合では降雨から上部覆土への浸透水量の1/100以下に、遮水シートが劣化した場合又は遮水シート設置しない場合では1/10以下に低減できることが分かった。
In the safety assessment for the trench disposal facilities, outflow of radioactive material to the environment is assumed to be due to the percolating rain water into the waste layer, because the waste layer is established above the groundwater level. Therefore, in dose assessment of trench type disposal facilities, it is important to evaluate how the structure of the upper cover soil layers affects the suppressed amount of water infiltration to the waste layer due to rainfall.