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論文

Dense matter in a holographic hard-wall model of QCD

藤井 大輔; 保坂 淳*; 岩中 章紘*; 酒井 忠勝*; 橘 基*

Physical Review D, 113(3), p.034003_1 - 034003_17, 2026/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)

強結合領域におけるQCD物質の理解は、その非摂動的性質ゆえに依然として困難を伴う。本研究では、クォーク質量が非ゼロの場合の有限密度、零温度のQCDの性質を調べるために、2フレーバーのハードウォール型ホログラフィック模型を用いて解析を行う。高密度相は、斉一なアンサッツのもとで運動方程式の古典的解として記述される。ホログラフィー対応辞書を定式化するため、ホログラフィック正則化を適用し、バルクのUV境界データとQCDにおける物理量との関係を明らかにする。相構造の解析においては、ハードウォールのIR境界における境界作用が重要な役割を果たすことを強調する。この枠組みにおいて、高いバリオン数密度とほぼ消失したカイラル凝縮を特徴とするバリオン物質相が現れることが示される。得られた状態の状態方程式を導出し、それを用いて中性子星の質量半径関係式を算出する。

論文

Holographic QCD matter in a bottom-up model

藤井 大輔; 保坂 淳*; 岩中 章紘*; 酒井 忠勝*; 橘 基*

Proceedings of Science (Internet), 500, p.135_1 - 135_6, 2026/01

強結合QCD物質の理解は、その非摂動的性質のため依然として困難である。われわれは、クォーク質量が非零の二フレーバー・ハードウォール型ホログラフィック模型において、有限密度・零温度のQCDを研究する。高密度相は、一様アンサッツの下で古典的運動方程式を解くことで得る。バルク場と境界観測量を結び付けるため、ホログラフィック正則化を施して対応辞書を構築し、ハードウォールのカットオフにおけるIR境界項が本質的役割を果たすことを強調する。この枠組みで、バリオン数密度が大きくカイラル凝縮が強く抑制されたバリオン物質相を見出す。得られた解から状態方程式を導出し、中性子星の質量半径関係を計算すると、広いパラメータ領域で2太陽質量を超える星が実現し得ることが分かる。

論文

Frustrated random-singlet state with ice-type structural fluctuation in spinel titanates

花咲 徳亮*; 服部 崇幸*; 薦田 匠*; 源 拡栄*; 鳥越 秀平*; 山下 智史*; 中澤 康浩*; 中野 岳仁*; 吉見 光平*; 八島 光晴*; et al.

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 123(1), p.e2517926123_1 - e2517926123_6, 2026/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:82.83(Multidisciplinary Sciences)

In ice, it is well-known that the orientation of H$$_2$$O molecules is disordered by geometrical frustration. Ice-analogous materials having a pyrochlore lattice display interesting phenomena such as the spin-ice state and the magnetic monopole. In the spinel titanate MgTi$$_2$$O$$_4$$, the Ti ions have a quantum spin in the pyrochlore lattice. The Ti ions are displaced, accompanied by the spin-singlet formation. Since this displacement pattern follows the ice rule, the title compound is a material analogous to ice. When a small quantity of Ti ions are replaced with Mg ions, the ice-type structural fluctuation exists. In this structural ice-type state, the spins are also fluctuating at a nanosecond scale down to 0.3K. We ascribed this phenomenon to the gapless frustrated random-singlet state, in which the spin-singlet pairs are resonating, and the orphan spins are hopping.

報告書

試験研究用原子炉から発生する解体廃棄物に対するSCALE6.2.4付属のORIGENを用いた放射能評価手法の検討

富岡 大; 河内山 真美; 小曽根 健嗣; 仲田 久和; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2024-023, 38 Pages, 2025/03

JAEA-Technology-2024-023.pdf:1.54MB

日本原子力研究開発機構は、我が国の研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の浅地中埋設事業の実施主体である。これらの放射性廃棄物の放射能濃度に関する情報は、埋設事業の許可申請及びその適合性審査に向けた廃棄物埋設施設の設計や安全評価に不可欠である。このため、埋設事業センターでは、埋設対象廃棄物のうち試験研究用原子炉から発生する解体廃棄物について、放射化計算に基づく解体廃棄物の放射能評価手順の改良を進めている。今回、多群中性子スペクトルを用いてより精度の高い放射化計算が可能なORIGENコード(SCALE6.2.4に付属)の適用性を検討するため、これまで使用実績が多いORIGEN-Sコード(SCALE6.0に付属)との比較検証を行った。この検証では、炉心周辺の原子炉構造材の放射能分析データを取りまとめている立教大学研究炉の解体廃棄物を対象として両コードにより放射化計算を行った。その結果、ORIGENコードとORIGEN-Sコードの計算時間の差異はほとんどないこと、放射能濃度の評価値として前者は後者の0.8$$sim$$1.0倍の範囲となり、放射化学分析による放射能濃度と概ね0.5$$sim$$3.0倍の範囲でよく一致した結果から、ORIGENコードの適用性を確認した。さらに、原子炉構造材に含まれる微量元素の放射化を想定してORIGENコード及びORIGEN-Sコードによる放射化計算を行い、比較を行った。また、浅地中処分における被ばく線量評価上重要な170核種のうち大きな差が見られたものに対してその原因を核種毎に調べた。

報告書

Elemental composition analysis of main structural materials of JMTR

永田 寛; 河内山 真美; 茅根 麻里奈; 菅谷 直人; 西村 嵐; 石川 譲二; 坂井 章浩; 井手 広史

JAEA-Data/Code 2024-016, 44 Pages, 2025/03

JAEA-Data-Code-2024-016.pdf:3.54MB

原子炉施設の構造材の元素組成は、廃止措置計画の策定などの際に評価を行う放射化計算において、重要なパラメータの一つとして使用されている。このうち、試験研究炉の構造材として使用されているアルミニウム合金などの元素組成については、主要成分以外の元素については十分なデータが得られていない。このことから、材料試験炉「JMTR」の主要な構造材として使用されてきたアルミニウム合金、ベリリウム、ハフニウムなどから試料を採取し、元素組成の分析を実施した。本報告書は、令和5年度に取得した78元素の元素組成データについてまとめたものである。

論文

Development of radiological characterization method for research reactor decommissioning in JAEA

河内山 真美; 村上 昌史; 窪田 晋太郎; 坂井 章浩

Proceedings of International Conference on Nuclear Decommissioning; Addressing the Past and Ensuring the Future 2023 (Internet), 5 Pages, 2025/00

原子力機構では、試験研究炉の廃止措置によって発生した廃棄物に対する放射化計算による放射能評価手法の検討を行っており、この検討の一環として、計算ツールやライブラリの評価が行われてきた。本稿では、ORIGEN及びORIGEN-Sコード、SCALEシステム付属の断面積ライブラリ及びJENDL/AD-2017を用いた放射能評価計算を実施し、その結果を比較した。

報告書

研究施設等廃棄物の浅地中埋設施設におけるコンクリート等廃棄物の受入基準の検討; 鋼製角型容器への砂質土の充填方法

仲田 久和; 出雲 沙理; 岡田 翔太; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2024-010, 65 Pages, 2024/10

JAEA-Technology-2024-010.pdf:5.26MB

日本原子力研究開発機構は、研究施設等廃棄物のトレンチ埋設施設の設置を計画している。「核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則」における同施設の技術上の基準では、「廃棄物埋設地は、土砂等を充填することにより、当該廃棄物埋設地の埋設が終了した後において当該廃棄物埋設地の安全機能を損なうおそれのある空隙が残らないように措置すること」が定められている。トレンチ埋設施設に埋設する廃棄物を鋼製角型容器に収納する場合、容器内に空隙が残るため、その空隙を十分に低減する措置を施す必要がある。鋼製角型容器内の空隙を低減させるため、砂質土を充填する方法を検討した。模擬廃棄物を鋼製角型容器に収納し、鋼製角型容器を加速・振動(加振)させながら収納廃棄物の間隙に砂質土を充填し、充填が終了したときの角型容器内の空隙量を評価し、加振条件毎(19ケース)に空隙率を算出した。その結果、埋設事業センターが暫定の廃棄物の受入基準としている、容器内の空隙率を体積割合で20%以下とできる見通しが得られた。実際に砂質土の充填によって放射性廃棄物を収納した鋼製角型容器内の空隙の低減を行う際には、実機や使用する角型容器を用いて加振充填試験を行い、容器内への充填性の確認や、加振機の運転条件を定める必要がある。本報告書は、その際の試験内容、手順を説明するものとしてまとめたものである。

報告書

研究施設等廃棄物浅地中埋設施設の概念設計の更新

岩村 桐子; 仲田 久和; 前川 恵輔; 坂井 章浩; 坂本 義昭

JAEA-Review 2024-032, 39 Pages, 2024/08

JAEA-Review-2024-032.pdf:6.5MB

日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、平成20年に改正した原子力機構法により、研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物(研究施設等廃棄物)の埋設事業の実施主体と位置づけられた後、原子力機構法に基づいて平成21年に「埋設処分業務の実施に関する計画」(実施計画)を定めた。実施計画では、原子力機構及び原子力機構外の廃棄体等物量の調査結果に基づき、埋設施設の規模としては200Lドラム缶換算で約60万本と定め、平成24年に埋設施設の概念設計の検討結果を「研究施設等廃棄物浅地中処分施設の概念設計」に取りまとめた。一方、原子力機構は、平成30年にバックエンド対策にかかる長期的な見通しと方針として「バックエンドロードマップ」を公表したが、このバックエンドロードマップにおいては、原子力機構から発生する廃棄体等物量も整理し公表した。これに伴い、原子力機構外の廃棄物発生者からの廃棄体等物量の再調査を行った結果、埋設施設規模を200Lドラム缶換算で60万本から75万本とし、実施計画の変更認可を得た。この際、施設規模の拡大に伴う埋設施設の設計を見直した。本報告書は、平成24年の概念設計からの前提条件及び埋設施設の設計を更新した結果を取りまとめたものである。

報告書

研究施設等廃棄物の角型容器を使用した廃棄体の受入基準の検討; 落下による衝撃により飛散又は漏えいする放射性物質の量が極めて少ないこと

仲田 久和; 岡田 翔太; 天澤 弘也; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2023-021, 31 Pages, 2024/01

JAEA-Technology-2023-021.pdf:2.53MB

日本原子力研究開発機構(原子力機構)が設置を計画している浅地中埋設処分施設(ピット処分及びトレンチ処分)に埋設する廃棄体は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則に規定された技術基準に適合していることが求められる。同技術基準では、令和元年の核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則の改正において、「廃棄物埋設地に定置するまでの間に想定される最大の高さからの落下による衝撃により飛散又は漏えいする放射性物質の量が極めて少ないこと。」が新たに規定された。このため、事業者は、廃棄体が落下した際に、廃棄体から飛散及び漏えいする放射性物質の量を評価することにより、同技術基準への適合性を示すことが必要となる。本報告書では、原子力機構が設置を計画している埋設施設のうち、ピット埋設施設に埋設する廃棄体を対象とした。廃棄体の種類は、鋼製角型容器に金属廃棄物を収納しモルタルで固型化した形態の廃棄体で、これをモデル化して、埋設するまでの間に想定される最大の高さ(8m)から落下させるシミュレーション解析を行い、落下時の飛散率を評価した。この評価結果に基づき、角型容器を使用した廃棄体の製作方法やその受入基準に係る留意事項を検討した。

報告書

研究施設等廃棄物のトレンチ埋設施設設計に対する要求事項と今後の課題

小川 理那; 天澤 弘也; 仲田 久和; 菅谷 敏克; 坂井 章浩

JAEA-Review 2023-011, 116 Pages, 2023/08

JAEA-Review-2023-011.pdf:2.6MB

研究施設等廃棄物の埋設事業の実施主体である日本原子力研究開発機構は、埋設事業の実施に向けて、平成22年に、当時の「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)に適合する埋設施設の概念設計を実施した。一方で、平成25年以降、原子炉等規制法の第二種廃棄物埋設事業に係る規則等が改正されており、埋設施設の基本設計に向けて、新たに制定された規則類に対応する検討が必要な状況となった。研究施設等廃棄物の埋設事業の許可申請の際には、廃棄物埋設施設の立地環境及び施設設計等についての基準が示されている「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」等に計画している埋設施設が適合していることを示す必要がある。そのため、日本原子力研究開発機構は、新規制基準に適合した埋設施設の設計における技術的検討を進めている。本報告書では、現行の「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」等のトレンチ処分を行う廃棄物埋設施設への要求事項を整理し、課題の抽出を行った。

報告書

コンクリートピット埋設施設の設置環境及び劣化に伴う浸入・浸出水量の評価

小川 理那; 戸塚 真義*; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2023-012, 57 Pages, 2023/07

JAEA-Technology-2023-012.pdf:3.57MB

コンクリートピット埋設施設は、支持能力を有する地盤に設置する必要があると考えられることから、地下水面より下位に設置することが想定される。そのため、施設の設置環境(施設の周辺岩盤)及び施設の構造物(コンクリートピット埋設施設及びこれを取りまくベントナイト混合土)のそれぞれの透水係数をパラメータとしてモデル計算を行い、施設への浸入水量及び施設からの浸出水量を評価した。地下水流動解析は、有限要素法による2次元地下水流動解析コードMIG2DFを用いて行った。設置環境を考慮した評価では、これまでの技術検討で施設底面における地下水浸入水量及び浸出水量が相対的に多量となったことから、その底面と接する新鮮な岩盤の透水係数をパラメータとして、地下水浸入水量及び浸出水量の評価を実施した。また、施設の構造物を考慮した評価では、コンクリートピット埋設施設の経年的な劣化及びベントナイト混合土の化学的な変質による劣化を想定したコンクリート及びベントナイト混合土の透水係数を設定し、地下水の浸入水量及び浸出水量の変化を評価した。その結果、岩盤新鮮部の透水係数は施設における地下水浸入水量及び浸出水量に大きく寄与することが分かった。また、ベントナイト混合土の化学的劣化に伴う透水係数の増加に伴い、その周囲の覆土へ移行する浸出水量が増加する結果となった。以上からこれらの透水係数は、コンクリートピット埋設施設の設置及び安全評価における重要な影響因子であることが分かった。

論文

研究施設等廃棄物の埋設事業に係る安全規制制度整備の経緯

坂井 章浩

デコミッショニング技報, (64), p.24 - 33, 2023/05

原子力機構は、実施主体として研究施設等廃棄物の埋設事業を進めている。他方、原子力規制委員会では、埋設事業に関わる安全規制及び基準の整備が行われてきた。本報告は、原子力機構の埋設事業の計画とそれに対応した原子力規制委員会の規制及び基準の整備について紹介する。

論文

研究施設等廃棄物の埋設事業について

坂井 章浩

第33回原子力施設デコミッショニング技術講座テキスト, p.31 - 63, 2023/02

日本原子力研究開発機構は、研究施設等廃棄物の埋設処分の実施主体として、ピット処分及びトレンチ処分の埋設事業の計画を進めている。本報告では、原子力機構が計画している埋設処分事業について、(1)研究施設等廃棄物の発生施設や放射能インベントリの特徴と想定しているピット処分及びトレンチ処分施設の構造、(2)埋設処分するための主な性状の廃棄物の受入基準の検討状況、(3)2021年に整備されたウラン廃棄物の埋設処分に係る基準の考え方の内容を紹介した。

論文

研究施設等廃棄物の埋設をめざして; 原子力機構による埋設処分とその安全確保に関する検討状況

坂井 章浩; 亀井 玄人; 坂本 義昭

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(1), p.25 - 29, 2023/01

現在、国内において、研究機関、大学及び医療機関等から発生するいわゆる研究施設等廃棄物は、埋設処分されることなく保管が継続されている。日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、この課題を解決するため、研究施設等廃棄物のピット処分及びトレンチ処分の埋設事業の計画を進めている。本解説では、原子力機構が計画している埋設施設及び対象廃棄物の特徴を紹介するとともに、埋設施設の立地基準についての検討状況を紹介する。

報告書

研究施設等廃棄物のトレンチ埋設施設におけるスカイシャイン線量評価

中村 美月; 出雲 沙理; 小川 理那; 仲田 久和; 天澤 弘也; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2022-025, 73 Pages, 2022/12

JAEA-Technology-2022-025.pdf:1.64MB

日本原子力研究開発機構は、研究施設等廃棄物の埋設処分事業の実施主体として、浅地中処分の実施に向けた検討を進めている。研究施設等廃棄物の埋設処分事業では埋設施設の操業中の安全評価として、ピット施設、トレンチ施設及び受入検査施設からの直接$$gamma$$線及びスカイシャイン$$gamma$$線による敷地境界での実効線量が、「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」に規定された50$$mu$$Sv/y以下となることを示す必要がある。直接$$gamma$$線及びスカイシャイン$$gamma$$線による実効線量が50$$mu$$Sv/y以下とするためには、各施設から敷地境界までの距離を120m以上とすることが、概念設計の結果に基づき立地基準案では示された。一方、令和元年に埋設対象廃棄体の物量調査を行い、その結果、トレンチ処分対象の廃棄体等本数が概念設計時に比べて増加し、トレンチ施設に係る施設規模等の設計が変更された。そこで、本報告書では2次元Sn輸送計算コードDOT3.5を用いて、設計変更後のトレンチ施設からの距離に応じた敷地境界でのスカイシャイン線量評価の感度解析を実施した。各トレンチ施設1基あたりの評価及び各トレンチ施設の重畳評価の結果、どちらの評価結果においても各施設から120m離れた敷地境界でのスカイシャイン$$gamma$$線による実効線量が50$$mu$$Sv/y以下となることを確認した。

報告書

試験研究用原子炉から発生する解体廃棄物に対する理論計算法による放射能濃度の共通的な評価手順

岡田 翔太; 村上 昌史; 河内山 真美; 出雲 沙理; 坂井 章浩

JAEA-Testing 2022-002, 66 Pages, 2022/08

JAEA-Testing-2022-002.pdf:2.46MB

日本原子力研究開発機構は、我が国の研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の埋設事業の実施主体である。これらの廃棄物中の放射能濃度は、廃棄物埋設地の設計や埋設事業の許可申請をする上で必要な廃棄物情報である。埋設事業の処分対象となる廃棄物は、施設の解体に伴って発生する解体廃棄物が多くを占めている。このため、埋設事業センターでは、試験研究用原子炉の解体廃棄物を対象として、理論計算法による放射能濃度の評価手順の検討を行い、試験研究用原子炉に共通的な評価手順についてとりまとめた。本書で示す手順は、放射化計算により放射能インベントリを決定し、その妥当性を評価した後、処分区分の判定並びに処分区分毎の総放射能及び最大放射能濃度を整理するというものである。放射能インベントリの決定においては、まず2次元又は3次元の中性子輸送計算コードを用いて原子炉施設の各領域における中性子束及びエネルギースペクトルを計算する。その後、それらの計算結果に基づき、放射化計算コードを用いて、140核種を対象として放射化放射能を計算する。本書では、中性子輸送計算コードとして、2次元離散座標計算コードのDORT、3次元離散座標計算コードのTORT又はモンテカルロ計算コードのMCNPとPHITS、放射化計算コードとしてORIGEN-Sを使用することを推奨する。その他、利用を推奨する断面積データライブラリや計算条件等についても示す。評価手順のとりまとめに際しては、日本原子力研究開発機構外部の試験研究用原子炉の設置者と定期的に開催している会合において、各事業者が共通的に利用できるようについて意見交換を実施した。本書で示す手順は、今後の埋設事業の進捗や埋設事業に係る規制の状況等を反映して、適宜見直し及び修正をしていく予定である。

報告書

研究施設等廃棄物の浅地中処分のための基準線量相当濃度の検討(その2)

佐久間 康太; 阿部 大智*; 岡田 翔太; 菅谷 敏克; 仲田 久和; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2022-013, 200 Pages, 2022/08

JAEA-Technology-2022-013.pdf:8.41MB

我々は、研究施設等廃棄物の埋設処分に向けて、トレンチ処分及びピット処分の区分や重要核種を選定する際の参考値とするために、廃棄物に含まれる可能性のある放射性核種について、トレンチ処分及びピット処分における基準線量相当濃度の試算を行っている。前報である「研究施設等廃棄物の浅地中処分のための基準線量相当濃度の検討(その1)」では、原子力安全委員会がトレンチ処分及びピット処分の濃度上限値を算出した手法を基に、廃棄物埋設施設の立地環境を幅広く想定して中深度処分の被ばく経路等を対象に基準線量相当濃度の試算を行った。本報告書は、ピット処分の廃棄物埋設施設からの浸出水量の感度解析評価の結果を用いるとともに、埋設地の条件を幅広く想定した新たな評価経路及び被ばく形態を取り入れて、ピット処分の基準線量相当濃度の試算を行い、前報との比較を行ったものである。なお、本報告書で試算した基準線量相当濃度の結果は、立地場所が決定していない段階でのピット処分の区分や重要核種を選定する際の参考値として用いることを考えているため、今後、立地場所の決定後に立地条件を踏まえて線量評価を行う必要がある。

報告書

研究施設等廃棄物のトレンチ処分施設における覆土の設計検討

小川 理那; 仲田 久和; 菅谷 敏克; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2022-010, 54 Pages, 2022/07

JAEA-Technology-2022-010.pdf:11.07MB

日本原子力研究開発機構では、研究施設等廃棄物の処分方法の一つとして、トレンチ埋設処分を検討している。トレンチ埋設処分は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」が適用され、特に、埋設施設の設計については、「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」が適用される。この規則は、令和元年に改正され、トレンチ埋設施設には、施設中への雨水及び地下水の浸入を十分に抑制させる設計を取り入れることが新たな要求事項として追加された。そこで、本報告では、現在計画しているトレンチ埋設施設に追加された規則の要求事項を適応させた設計の検討を行うこととした。検討中のトレンチ埋設施設は、地下水位より浅い位置に設置することを想定している。そのため、施設中に浸入する水は、主に雨水由来のものであると考えられることから、トレンチ埋設施設の表面にある覆土の設計について検討を行うこととした。本報告では、日本原子力研究開発機構が検討しているトレンチ埋設施設のうち、安定型トレンチ埋設施設の覆土設計について検討した。検討方法としては、覆土に用いる材料や施工方法により設計条件の変更が可能である透水係数及び厚さについてパラメータスタディを実施し、各条件における廃棄体層へ浸入する水の流速を評価した。各条件における流速の結果を比較し、より効率的に雨水の浸入を抑制する覆土の設計条件を評価することとした。解析の結果、粘土層及び排水層の厚さや透水係数の値の組み合わせ毎に覆土の遮水性能を把握することができた。将来、実施するトレンチ施設の基本設計においては、安全評価上有効な遮水性能に加え、その他の課題や施工費の検討も実施した上で合理的な覆土の仕様を決定する予定である。

報告書

DORTコード及びMCNPコードを用いた試験研究炉の放射能評価手法の検討

河内山 真美; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2022-009, 56 Pages, 2022/06

JAEA-Technology-2022-009.pdf:4.15MB

試験研究炉の解体によって発生する低レベル廃棄物を埋設処分するためには、廃棄物に含まれる放射能インベントリを評価することが必要であり、各研究炉の所有者が共通の放射能評価手法を使用することが、埋設処分の事業許可申請に対応する上で効率的である。本報では、解体で発生する放射化廃棄物の埋設処分に共通的に利用できる放射能評価手法を検討することを目的として、立教大学研究用原子炉について中性子輸送計算及び放射化計算を実施した。中性子輸送計算はJENDL-4.0を基に作成した断面積ライブラリを使用し、Sn法のDORTコード及びモンテカルロ法のMCNPコードを用いて実施した。放射化計算は、JENDL/AD-2017と中性子輸送計算で求めたスペクトルを基に作成した3群断面積ライブラリを使用し、SCALE6.0に含まれるORIGEN-Sにより実施した。DORTコード及びMCNPコード並びにORIGEN-Sコードを用いた放射化計算の結果と放射化学分析による放射能濃度を比較したところ、概ね0.4倍$$sim$$3倍程度であることを確認した。測定値と計算値の差を適切に考慮することにより、DORT及びMCNP並びにORIGEN-Sによる放射化放射能の評価方法が埋設処分のための放射能評価に適用できることがわかった。また、解体で発生する廃棄物をその放射能レベルに応じてクリアランス又は埋設処分方法で区分するため、コンクリート領域及び黒鉛サーマルカラム領域の2次元放射能濃度分布の作成も行った。

論文

研究施設等廃棄物の放射能インベントリの特徴

坂井 章浩

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 29(1), p.48 - 54, 2022/06

わが国では、原子力利用に伴って、様々な施設から放射性廃棄物が発生している。日本原子力研究開発機構は、原子力機構,大学,民間機関,医療機関等から発生する廃棄物(これらの廃棄物を総称して「研究施設等廃棄物」という)の埋設処分の実施主体として、ピット処分及びトレンチ処分の埋設事業の計画を進めている。本報告では、原子力機構が計画している埋設処分施設の概要を紹介するとともに、埋設対象となる主な研究施設等廃棄物の核種毎の放射能濃度の特徴及びその放射能濃度に対する埋設するための基準の検討状況について概説する。

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