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数百keV/uクラスターイオン衝撃による炭素薄膜からの二次電子放出に対する近接効果

Vicinage effect on secondary-electron emissions from carbon foils bombarded with 100's keV/u cluster ions

鳴海 一雅; 千葉 敦也; 山田 圭介; 的場 史朗; 齋藤 勇一

Narumi, Kazumasa; Chiba, Atsuya; Yamada, Keisuke; Matoba, Shiro; Saito, Yuichi

高速クラスターイオンと固体標的との衝突においては、構成イオンの時間的・空間的間隔が非常に近接していることに起因する効果(近接効果)が観測される。固体からの二次電子放出に対する近接効果は、二次電子放出の3つの過程(二次電子の生成, 輸送, 透過)のうち、生成過程における近接効果だけでは説明できない。その一方で、生成過程以外の過程における近接効果は実証されていない。そこで、これを実証するために、62.5keV/uのC$$_{it n}$$$$^{+}$$イオン(${it n}$=1-4)を、ビーム軸に対して45$$^{circ}$$傾けた7種類の厚さ(2-100$$mu$$g/cm$$^{2}$$)の非晶質炭素薄膜に照射し、前方に放出される二次電子収量を測定した。得られた結果は、今回の実験で用いた膜厚の範囲において、1原子当たりの二次電子収量がC$$_{1}$$$$^{+}$$の場合よりも少なくなることを示した。${it n}$の増大に伴って収量がより減少することから、観測結果がクラスターイオン照射に由来するのは明白である。モンテカルロ法を用いて薄膜(1-50$$mu$$g/cm$$^{2}$$)中の解離イオンの軌道シミュレーションをした結果、膜の厚さに伴って解離イオン間距離が長くなり、50$$mu$$g/cm$$^{2}$$程度で、生成過程における近接効果がほとんど寄与しないほど解離イオン間距離が十分長くなった。したがって、それより厚い膜では生成過程における近接効果は除外してよいことがわかった。この結果は、二次電子の生成過程以外の過程においても近接効果が存在することを示している。

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