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ポジトロンイメージング技術を用いたヨシのナトリウム動態の解析

Non-invasive imaging of sodium dynamics in common reed using positron-emitting tracer imaging system

鈴井 伸郎; 丸山 哲平*; 河地 有木; 三輪 睿太郎*; 樋口 恭子*; 藤巻 秀

Suzui, Nobuo; Maruyama, Teppei*; Kawachi, Naoki; Miwa, Eitaro*; Higuchi, Kyoko*; Fujimaki, Shu

高等植物にとってナトリウムイオン(Na$$^{+}$$)は有害元素である。我が国の主要な穀物であるイネはNa$$^{+}$$による塩ストレスに弱いのに対し、同じイネ科に属する野生植物ヨシは高い耐塩性を持つ。本研究では、ヨシの耐塩性機構を明らかにすべく、ナトリウムの放射性トレーサである$$^{22}$$Naとポジトロンイメージング技術を用いて、ヨシとイネにおけるNa$$^{+}$$の動態を直接可視化することを試みた。生きたヨシとイネの根に500$$sim$$700kBqの$$^{22}$$Naと50mMの非放射性のNaClを含む水耕液を投与し、$$^{22}$$Naが植物の地上部へ移行する過程を撮影したところ、ヨシでは$$^{22}$$Naが茎のつけねに集まり、それより上の茎や葉にはほとんど移行しないのに対し、イネでは$$^{22}$$Naが留まることなく上方の葉に移行していた。その後、水耕液中から$$^{22}$$Naだけを抜き、植物体内の$$^{22}$$Naが他の部位に移行する過程を追跡したところ、イネでは根の中の$$^{22}$$Naが上方の葉に移行し続けていたのに対し、ヨシでは$$^{22}$$Naが根の先端方向に向かって約0.5cm/hの速度で移行していた。これらの結果から、「根から吸収したNa$$^{+}$$を茎のつけねから下方に送り返すことにより、地上部のNa$$^{+}$$濃度を低く保つ」というヨシの耐塩性機構が明らかとなった。今後はヨシ特有の耐塩性機構に関わる遺伝子を同定し、それをイネに導入することにより、Na$$^{+}$$を地上部に移行させない、耐塩性の高いイネ品種の作出を目指す。

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