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全反射高速陽電子回折(TRHEPD)による表面構造解析

Surface structure analysis using total-reflection high-energy positron diffraction (TRHEPD)

深谷 有喜   

Fukaya, Yuki

全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法は、極めて高い表面敏感性を持つ構造解析手法である。陽電子は電子とは逆のプラスの電荷をもつため、陽電子に対する結晶ポテンシャルは全ての物質においてプラスの値をとる。このため、スネルの法則により陽電子における物質中の屈折率は1より小さくなるため、陽電子の物質中への侵入深さは電子に比べて小さくなる。さらに、低視射角入射では陽電子は物質中で取り得る状態が存在しないため全反射を起こす。全反射条件を満たした場合の陽電子の侵入深さは1原子層程度である。全反射の臨界角を超えると、陽電子の侵入深さは視射角の増加とともに大きくなる。したがって陽電子ビームは、全反射条件を満たす低視射角領域においては最表面のみをプローブし、全反射の臨界角を超えた場合は、視射角の増加とともに最表面直下からより深い原子層を徐々にプローブすることになる。本講演では、TRHEPD法の表面敏感性とそれを用いた表面構造解析例について報告する。

no abstracts in English

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