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空孔型欠陥トラップサイトの変化を考慮した水素昇温脱離モデリングの検討

Study on modeling of thermal desorption spectra of hydrogen including variation of vacancy-type trap sites

海老原 健一   ; 齋藤 圭*; 高井 健一*

Ebihara, Kenichi; Saito, Kei*; Takai, Kenichi*

鉄鋼の水素脆化機構を理解するために必要な鉄鋼中の水素トラップ状態を推定するために、昇温脱離解析(TDS)で得られる水素昇温脱離スペクトルが用いられる。近年、水素添加しひずみを与えた焼戻しマルテンサイト鋼における空孔型欠陥の生成が報告されていることから、そのような鋼材の試料における空孔型欠陥が水素トラップ状態への影響を評価するため、空孔型欠陥が温度によって変化する過程を組み入れた昇温脱離モスペクトルの数値モデルについて検討した。結果として、空孔の拡散及び消滅の過程のみを取り入れたモデルは、実験スペクトルの空孔の昇温脱離ピーク付近にピークを再現するが、空孔のピークと転位のピークの間の水素放出を再現できなかった。そして、空孔クラスターの簡易モデルを考慮したところ、空孔ピークと転位ピークの間に水素放出が現れる可能性が見られた。しかし、実験スペクトルの詳細な再現にはいたらなかった。それは、空孔クラスターの簡易モデルによるものと考えられる。

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