幌延URLにおける泥岩を対象とした原位置拡散試験
In situ diffusion experiment for siliceous mudstone at the Horonobe URL
大野 宏和 ; 武田 匡樹 ; 石井 英一 ; 川手 訓
Ono, Hirokazu; Takeda, Masaki; Ishii, Eiichi; Kawate, Satoshi
幌延URL地下350mには稚内層と呼ばれる泥岩が分布しており、亀裂性媒体と多孔質媒体の両者の特性を併せ持つ。本報で報告する原位置拡散試験は、多孔質媒体の特性を持った基質部を対象とした試験であり、泥岩中の収着・拡散特性を明らかにすることを目的としている。試験は、地下350m坑道の底盤から深度約3mの試験孔を3本掘削し、コア観察、単孔水理試験、拡散試験、オーバーコアリングを実施した。コア観察と水理試験の結果、試験区間周辺に構造性の天然割れ目はなく、透水係数はD-02孔からそれぞれ2.2E-10, 4.1E-10, 1.2E-10[m/s]であったことから、割れ目のない基質部として妥当であることを確認した。トレーサーの拡散係数や分配係数の違いにより、減衰曲線の傾きが異なり、D-03孔は一番孔径が大きいため、D-05孔と比較して減衰傾向も大きかったが、緩衝材を設置したD-02孔については顕著な違いは見られなかった。今後は、数値解析や既存データとの比較等により、収着・拡散特性の評価を進めていく予定である。
It is necessary to clarify the mass transport behavior in a deep underground natural barrier, for improving the reliability of safety assessment of high-level radioactive waste disposal. In situ mass transport experiments are being conducted for fractures and rock matrices at the G.L. -350 m gallery in the Horonobe Underground Research Laboratory (URL). This study reports an overview and preliminary results of in situ diffusion experiments for rock matrices.