Mechanical properties of hetero-nanostructured duplex stainless steels

ヘテロナノ構造を持つ二相ステンレス鋼の力学特性

三浦 博己*; 小林 正和*; 渡邊 千尋*; 青柳 吉輝*; 大場 洋次郎  

Miura, Hiromi*; Kobayashi, Masakazu*; Watanabe, Chihiro*; Aoyagi, Yoshiteru*; Oba, Yojiro

二相ステンレス鋼に90%の冷間強圧延を施すと、フェライトと複雑な内部構造を持つオーステナイトの積層構造が形成される。このオーステナイトは、特徴的な目玉状のナノ双晶とせん断帯、ナノラメラーによって構成される。ナノ双晶は{111}集合組織を持っており、これがオーステナイト中で{101}集合組織の発達を抑制している。圧延方向の引張強度は、オーステナイトの体積率が増えるにつれて1.4GPaから1.5GPaに増大した。さらに、引張強度は、773K付近での時効によって2.3GPaにまで増大した。また、冷間強圧延によって、二相ステンレス鋼の伸びは5%から10%へと増大した。この優れた強度と延性の増大は、冷間強圧延によって形成される金属組織が、集合組織の発達を抑えることによるものと考えられる。

Heavy cold rolling can develop lamellar structure of ferrite and austenitic hetero-nanostructure in duplex stainless steels. The austenitic hetero-nanostructure is composed of nanl-lamellar, shear bands, and "eye-shaped" nano-twin domains. The nano-twin domains have {111} texture which suppresses the evolution of {101} texture in the austenite. This provides excellent tensile strength as well as improvement of ductility.