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雷放電が拓く高エネルギー大気物理学

High-energy atmospheric phenomena initiated by lightning

榎戸 輝揚*; 和田 有希*; 土屋 晴文

Enoto, Teruaki*; Wada, Yuki*; Tsuchiya, Harufumi

近年、日本海沿岸にある原子力発電所や自治体がもつ放射線モニタリングポストにより、冬に発生する雷や雷雲の接近に伴い、高エネルギーの放射線の増大が観測されていた。この増大の正体を明かすために、日本海沿岸に位置する柏崎刈羽原子力発電所構内に新型の検出器を設置し、2006年から観測を実施している。また2015年には安価で小型な観測装置を開発し、金沢市や小松市などにも観測拠点を構築してきた。そうした10年以上にわたる観測の結果、雷や雷雲が電子を相対論的なエネルギーに加速できる天然の粒子加速器であることを観測的に実証するとともに、雷が光核反応を引き起こし、中性子や陽電子の発生にも寄与しているという驚くべき事実も明らかにしてきた。こうした放射線観測は、従来の光や電波観測からだけではわからなかった、雷や雷雲が高エネルギー物理現象の現場であるという側面を浮かび上がらせた。本稿では、我々が得た観測結果を解説するとともに、古典的な可視光から電波の観測のみならず、X線や$$gamma$$線の観測、宇宙線,原子核物理や大気化学に広がる「雷雲や雷の高エネルギー大気物理学」という新しい学際分野を紹介する。

no abstracts in English

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