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水-酸-有機配位子-金属錯体の4成分が有機溶媒中でつくる複雑液体のナノ構造

A Nanostructure of complex fluid consisting of quaternary mixture of water-acid-ligand-metal complex

元川 竜平   ; 遠藤 仁

Motokawa, Ryuhei; Endo, Hitoshi

液-液抽出法は、特定の金属イオンを分離・精製することができる古典的な技術として知られている。その有機相には金属錯体に加えて水, 酸, 有機配位子が含まれるため、4成分による複雑なナノ集合構造が形成される。この複雑液体は、それぞれの組成比に依存してミセル, 逆ミセル、あるいはマイクロエマルションを形成することが予想されるものの、そのナノ構造を実験的に明らかにした例はこれまでに報告されていない。また、ナノ構造は金属イオンの分離効率と選択性にも関与することが近年報告されはじめており、その解明が求められている。そこで、本研究ではX線吸収微細構造(EXAFS)法と中性子小角散乱(SANS)法を用いて液-液抽出系における有機相中のナノ構造を観察した。錯体濃度の異なる4種類の有機相についてEXAFS測定を行ったところ、得られたスペクトルは濃度に依存せずに全く同様の結果を示した。そのスペクトルを解析したところ、金属錯体は硝酸ジルコニウムであることがわかった。次に、同様の試料についてSANS法を用いて測定した結果、6-7個の硝酸ジルコニウム錯体の親水性部分が硝酸・水分子・有機配位子を介して水素結合ネットワークを形成し、外側が疎水的な逆ミセル的会合体(Primary cluster)を有機相中でつくること。さらに、これらの会合体がクーロン相互作用を介して集合することで数十ナノメートルの凝集物(Super-cluster)を形成することを明らかにした。

no abstracts in English

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