水素核偏極技術を用いた中性子回折法への展開

Proton hyperpolarization for polarized neutron scattering

熊田 高之   

Kumada, Takayuki

核偏極中性子散乱法は、中性子の水素に対する散乱能が互いのスピン自由度に強く依存した性質を用いた複合材料の構造解析手法である。試料中の水素核偏極度に依存して変化する複数の偏極中性子散乱パターンから、複合材料における成分毎の構造とその位置関係を決定できると言った特徴を持つ。本手法は、これまで小角散乱法と組みあわせて複合材料のナノ構造解析に用いられてきたが、最近では我々らによって反射率法とくみあわせて多層膜材料の構造解析に用いるなど新たな展開が示されている。そのような背景の下、我々は、結晶試料の核偏極、核偏極法の回折法への展開、ハイドロジェノミクスで扱う水素機能性材料への展開、というロードマップを描いている。

Spin contrast variation (SCV) is a technique to determine structure of complex materials from their polarized neutron scattering profiles that vary as a function of proton polarization of the sample. Now, we are planning to apply the SCV neutron scattering techniques to the high-specification hydrogen materials.