さきがけナノ力学個別課題; 転位芯の局所自由度を有する力学理論に基づく新奇機能の創出

PREST Nano-mechanics; Mechanical theory based on local freedom of dislocation core and its application to novel function

都留 智仁   

Tsuru, Tomohito

強度・延性・靱性は構造材料において最も重要な性質である一方、強度と延性・靱性は一般にトレードオフの関係があり、これらの力学特性の機能向上は構造材料における普遍的な問題である。近年、ゴムメタルやハイエントロピー合金などの高濃度合金において、複雑な変形組織が観察されるとともに、転位芯自体が特異な局所構造を有することがわかってきた。この特異な転位構造は、特定の合金系でのみ発現することが知られているが、従来の転位論では説明することができない。そこで、本研究では、転位芯の局所構造を決定する支配因子を解明するとともに、従来理論を覆す局所自由度を有する転位運動の力学理論と有限温度の転位運動を解析する新たな解析手法を構築し、戦略的に新奇の材料機能の創出を目指すものである。本内容は、M&M材料力学カンファレンスのオーガナイザーの依頼により、特別企画テーマ「さきがけナノ力学が目指すもの: 領域説明と個別課題紹介」において発表される。

Recently, some specific highly concentrated solid solution alloys such as gum metals and high-entropy found to have an excellent mechanical property. The origin of these feature cannot be understood well by conventional strengthening mechanism. Here, we propose a new mechanical theory based on local freedom of dislocation core to capture these unique deformation properties.