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Lobzenko, I.; 森 英喜*; 都留 智仁
Journal of Materials Research and Technology, 40, p.3798 - 3805, 2026/01
ハイエントロピー合金(HEA)は複数の主要元素から構成される金属材料であるが、その優れた機械的特性のメカニズムは未だ十分に解明されていない。HEAの原子論的モデリングは、原子環境の化学的不均一性によって複雑化しており、古典的近似の範囲内で大規模システムの機械的応答をシミュレートするための新たな相互作用ポテンシャルの開発が求められている。機械学習を用いた原子間ポテンシャルは、この問題に対する有力なアプローチであることが示されている。本研究では、体心立方合金であるVNbMoTaWおよびTiZrNbHfTaを対象とし、人工ニューラルネットワークに基づく機械学習ポテンシャルを構築した。新たに開発したポテンシャルにより、体積弾性率、弾性定数、積層欠陥エネルギーといった基本的な材料特性を高精度に再現できることを示した。さらに、VNbMoTaWとTiZrNbHfTaはいずれも広い温度範囲で高い強度を示すが、延性の違いの要因について、これら2種の合金におけるらせん転位の滑り挙動のシミュレーション解析を実施した。その結果、強いピンニング効果がVNbMoTaWの高い脆性に寄与していることを明らかにし、対照的にTiZrNbHfTaではピンニングが抑制され、(112)滑り面が容易に活性化されることがわかった。
阿部 陽介; 久保 淳; 鵜飼 重治; 都留 智仁
Journal of Nuclear Materials, 618, p.156221_1 - 156221_11, 2026/01
Crリッチ析出物(CrRP)の安定性は、耐照射性に優れた酸化物分散強化型Fe-Cr-Al合金の開発において重要な要素である。本研究では、第一原理に基づく平衡モンテカルロシミュレーションを用いて、Al添加量および照射下で重要な空孔がCrRPの形成と原子構造に与える影響を評価した。CrRPの形成はAl添加量に対して非単調な挙動を示し、約12at.%で最大化された。Al添加量が増加すると、CrRP内部への侵入が進み、構造的な乱れと安定性の低下を引き起こすことが分かった。空孔は単独ではCrRP形成に大きな影響を及ぼさないが、Alと共にCrRP界面近傍に偏析することで界面安定性に影響を与える可能性を示した。これらの知見は、Fe-Cr-Al合金の最適設計やメゾスケールモデリングに資する原子レベルの基礎情報を提供する。
Chong, Y.*; 都留 智仁; Gholizadeh, R.*; Minor, A. M.*; 辻 伸泰*
Acta Materialia, 301, p.121523_1 - 121523_12, 2025/12
六方最密充填(HCP)チタン合金は、非対称なHCP結晶構造のため本質的に独立した滑り系が少ないため、大きな延性を達成するには双晶形成が不可欠である。一般に双晶形成は原理的には微量の格子間酸素によって抑制され、チタンの延性が大幅に低下することが知られているが、その根本的なメカニズムは議論の余地がある。本研究では、Ti-O合金の双晶形成/双晶回復挙動に関する体系的なマルチスケール研究を報告し、格子間酸素が双晶形成を阻害する要因を検討した。アトムプローブトモグラフィーを使用して、酸素原子が{10
2}
引張双晶境界と{11
2}
圧縮双晶境界の両方に偏析することを初めて明らかにした。また、第一原理計算によって、酸素シャッフルメカニズムによる双晶境界への酸素原子の強いピン止め効果が示され、これにより異なる温度でのTi-O合金の双晶境界の特異な移動形態を説明することに成功した。これらの実験と計算による研究から得られた知見は、格子間不純物含有量の変動に対する許容度を高めたチタン合金の設計の根拠となり、この高強度で軽量な材料のより広範な使用に大きな意味をもたらす。
martensitic transformation in Ti-12Mo alloyChong, Y.*; 都留 智仁; 光原 昌寿*; Guo, B.*; Gholizadeh, R.*; 井上 耕治*; Godfrey, A.*; 辻 伸泰*
Communications Materials (Internet), 6, p.50_1 - 50_11, 2025/03
ひずみ誘起
マルテンサイト変態(SIMT)は、準安定
チタン合金の機械的性質に重大な影響を及ぼす。本研究では、Ti-12wt.%Mo合金のSIMTに対する
粒径と酸素含有量の影響を系統的に調査した。SIMTは粒径と酸素含有量の減少によって促進されることが判明した。また、異常な粒径依存性とSIMTの急激な酸素含有量依存性のメカニズムの起源について、マルチスケールの微細構造特性評価と最先端のシミュレーションに基づいて議論された。第一原理計算により、結晶粒の微細化はSIMTのエネルギー障壁を上昇させないことが示されたことから、そのメカニズムは、ひずみ誘起相変態の核生成サイトを増加させることで
マルテンサイトを生成し、それによって細粒Ti-12wt.%Mo合金でSIMTを促進するためであると考えられる。対照的に、Ti-12wt.%Mo-0.3wt.%O合金の場合、相変態中に酸素原子の局所構成が変化するため、酸素原子によってSIMTのエネルギー障壁が大幅に増加する。さらに、アトムプローブトモグラフィーにより、酸素原子が
相境界に偏析し、それによって
マルテンサイトの成長がさらに制限されることが明らかになった。
清水 一行*; 戸田 裕之*; 平山 恭介*; 藤原 比呂*; 都留 智仁; 山口 正剛; 佐々木 泰祐*; 上椙 真之*; 竹内 晃久*
International Journal of Hydrogen Energy, 109, p.1421 - 1436, 2025/03
被引用回数:3 パーセンタイル:85.91(Chemistry, Physical)我々の先行研究では、MgZn
析出物の整合界面における複数の水素トラップが自発的な界面剥離を引き起こし、Al-Zn-Mg合金に水素誘起擬へき開割れを引き起こすことを明らかにした。本研究では、析出物の整合/半整合界面にトラップされた水素が時効を通じてMgZn
の整合界面を調整し、マクロ的な水素脆化に影響を与えるメカニズムを識別するために定量的かつ体系的な調査を行った。析出物界面での水素捕捉に基づくこの水素脆化現象を調査するために、第一原理計算により半整合MgZn
界面の水素捕捉エネルギーを決定した。空孔、粒界、整合および半整合MgZn
界面を含むすべての水素捕捉サイトの水素分配は、過時効合金では90%を超える水素が半整合界面に隔離されていることを明らかにした。MgZn
界面の固有の特性により、半整合界面に隔離された水素は界面凝集エネルギーを減少させ、Al-Zn-Mg合金で界面の半自発的剥離と擬へき開破壊を引き起こした。これらの結果は、粒界破壊は粒界に捕捉された水素によって直接誘発されるのではなく、粒界に沿った析出物界面の剥離によって引き起こされることを示唆している。
阿部 陽介; 都留 智仁; 藤田 洋平*; 大友 政秀*; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 606, p.155606_1 - 155606_12, 2025/02
被引用回数:2 パーセンタイル:95.50(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉の事故耐性燃料被覆管用として開発中の酸化物分散強化型Fe-Cr-Al合金では、Crリッチ析出物(
相)に起因する脆化挙動の解明と予測が課題となっている。我々は、熱時効によるFe-Cr-Alモデル合金における
相の形成に対するAl添加の影響を調査した。ビッカース硬さ試験と過去の研究のデータベースを用いて作成した機械学習モデルにより、低Al添加合金では
相の形成が促進され、高Al添加合金では抑制されることが示された。第一原理計算では、Cr-Al-空孔複合体はCr-Cr対よりも安定であり、
相の核生成時にAl原子を取り込むことがエネルギー的に有利である可能性があることが示された。一方、Al-Al対の形成は非常に不安定である。Al添加量が少ない場合には、
相の界面付近でのAl-Al対の形成は回避できる。しかし、Al添加量が多量の場合には、Al-Al対の形成が避けられなくなり、
相の不安定化につながることが示唆された。
(Mg
Si)-phase in Al-Mg-Si-Ag alloyAhmed, A.*; Uttarasak, K.*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; 池野 進*; Malik, A.*; 清水 一行*; 平山 恭介*; et al.
Materials Today Communications (Internet), 43, p.111835_1 - 111835_10, 2025/02
This study investigates the interface characteristics of the hexagonal
(Mg
Si)-phase in Al-Mg-Si-Ag alloys, providing novel insights into its orientation relationship, interfacial conditions, misfit, and Ag segregation with the Al matrix. Using optical microscopy (OM), focused ion beam (FIB), and scanning transmission electron microscopy (STEM), we clarified the role of three distinct facets {111}
//{111}
, {122}
//{110}
, and {112}
//{111}
in determining the stability and properties of the hexagonal
(Mg
Si)-phase. Unlike the conventional
(Mg
Si)-phase with a {100}
habit plane, the hexagonal
-phase was found on the {111}
habit plane, exhibiting a new orientation relationship [{111}
//{111}
,
110
//
110
]. Ag segregation was notably observed at the interfaces of these facets, with varying concentrations influencing interfacial coherency and strain. These findings not only advance our understanding of microstructural evolution in Al-Mg-Si alloys but also provide a foundation for tailoring material properties through interface engineering. The results offer critical insights for optimizing alloy compositions and heat treatments to enhance mechanical properties and performance in practical applications.
山口 正剛; 海老原 健一; 板倉 充洋; 都留 智仁
Scripta Materialia, 255, p.116366_1 - 116366_5, 2025/01
被引用回数:3 パーセンタイル:44.62(Nanoscience & Nanotechnology)鉄鋼やアルミニウム合金の粒界破壊の原因候補の一つとして水素がもたらす粒界凝集エネルギー低下が考えられている。最近はそれに対する粒界偏析元素の影響が第一原理計算により調べられているが、粒界凝集エネルギーを定量的に評価した研究はない。本研究では、第一原理計算結果を利用した定量的評価手法について述べ、いくつかのテスト計算の例を示す。
清水 一行*; 西村 克彦*; 松田 健二*; 布村 紀男*; 並木 孝洋*; 土屋 大樹*; 赤丸 悟士*; Lee, S.*; 都留 智仁; 髭本 亘; et al.
International Journal of Hydrogen Energy, 95, p.292 - 299, 2024/12
被引用回数:1 パーセンタイル:20.75(Chemistry, Physical)Al-0.06%Mn、Al-0.06%Cr、Al-0.02%Fe、およびAl-0.02%Ni合金(原子%)について、5
300Kの温度範囲でゼロ磁場ミューオンスピン緩和実験を行った。双極子場幅(
)の温度依存変化から、調製した合金の4つの異なるピークが明らかになった。200K未満で観測された
ピークに対応するミューオン捕捉部位の原子構成は、溶質および溶質空孔対に近接する水素の捕捉エネルギーに対する第一原理計算を用いて詳細に特徴付けられた。この包括的な分析により、ミューオン
ピーク温度と水素捕捉エネルギーの線形相関を確立することができた。しかし、Al-Mn、Al-Cr、Al-Fe、およびAl-Ni合金では、200Kを超えると4番目の
ピークでこの線形関係からの大幅な逸脱が観測された。この矛盾は、4つのAl原子のうち2つが溶質元素と空孔(溶質空孔対)に置換されている四面体サイト内のミューオンと水素の異なる分布関数を考慮することで解釈できる。
東海林 瑞希*; 栗原 健輔*; Lobzenko, I.; 都留 智仁; 芹澤 愛*
軽金属, 74(12), p.535 - 545, 2024/12
Al-Cu合金では時効処理中に板状のGuinier-Preston (GP)ゾーンが形成されるのに対し、Al-Mg-Si合金では時効処理の初期段階で球状のナノクラスタが形成される。よく知られたAl-CuのGP(I)ゾーンとは異なり、Al-Mg-Siのナノクラスタ内に特定の構成は存在しない。しかし、溶質濃度と局所的な配置がその後の析出物形成に決定的な役割を果たすはずである。本研究では、Al-Cu合金とAl-Mg-Si合金におけるGPゾーンとクラスタの形成過程における安定な形状を決定する因子を第一原理計算と機械学習ポテンシャルを用いて評価した。Al-Cuの三体結合の形成エネルギーは、結合角90
のCu-Cu-Cu三重項が最も安定であった。実際に、機械学習ポテンシャルを用いたモンテカルロ(MC)シミュレーションを行った結果、結合角90
で形成されるCu原子の偏析がより多く観測された。一方、Al-Mg-Si合金の3体クラスタは、特定の方向異方性がなく結合角度が60
のときが最も安定であり、その結果、MC計算で球状のナノクラスタの形成が確認された。これらの結果は、局所的な結合の安定性という本質的な特徴が、GPゾーンとナノクラスタの形状を支配することを示している。
都留 智仁; Han, S.*; Chen, Z.*; Lobzenko, I.; 乾 晴行*
まてりあ, 63(10), p.695 - 702, 2024/10
BCC相の代表的なハイエントロピー合金であるVNbMoTaWは、第5、第6周期の高融点金属で構成されており、それらの合金系の融点も高いことから高耐熱性(Refractory)ハイエントロピー合金と呼ばれている。VNbMoTaWとともにBCC相の代表的なハイエントロピー合金として知られているTiZrNbTaHfは同じく単相であり、VNbMoTaWに比べて融点は500
C低いものの、他のBCC合金に見られない室温以下の低温における優れた延性を示すことが知られている。VNbMoTaWとTiZrNbTaHfの二つの高耐熱性ハイエントロピー合金は、強度以外にもすべり挙動などの異なる特性を示すことが報告されているが、どのような特性が力学特性を支配しているかを理解することが、高温強度に優れかつ低温の延性を持つような高耐熱性合金などの優れた合金設計のためには不可欠である。VNbMoTaWとTiZrNbTaHfはいずれも単相合金であることを考えると、構成元素と転位などの変形の基礎となる特性の関係にその鍵があるはずである。本稿では、この二つの高耐熱性ハイエントロピー合金の力学特性の違いについて、実験、理論、計算機シミュレーションを駆使して、延性と強度を制御する重要な因子について検討した結果を紹介する。
矢野 伶*; 田中 將己*; 山崎 重人*; 森川 龍哉*; 都留 智仁
Materials Transactions, 65(10), p.1260 - 1267, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)
チタン合金の衝撃吸収エネルギー、降伏応力、有効せん断応力、活性化体積、活性化エンタルピーの温度依存性を明らかにするため、77Kから450Kの間で衝撃試験と引張試験を行った。衝撃吸収エネルギーは試験温度の低下とともに減少したが、この合金はbcc構造であるにもかかわらず低温脆化は起こらなかった。引張試験では、約120Kで加工硬化率と降伏応力の温度依存性の両方が変化した。これは、この温度での塑性変形の背後にあるメカニズムの変化を示唆している。転位滑動の活性化エンタルピーの温度依存性から、150Kから200Kまではらせん転位のダブルキンク核生成が転位滑動の支配的なメカニズムであり、200K以上では転位と溶質原子との相互作用が転位滑動の支配的なメカニズムであることが示唆された。120K以下で試験した応力ひずみ曲線には超弾性が現れ、降伏は120K以下の変態誘起塑性に支配されていることが示唆される。
都留 智仁; 眞山 剛*
軽金属, 74(9), p.442 - 450, 2024/09
マグネシウム(Mg)合金は、構造材料や生体材料として幅広い応用が拡大している。一方で、力学特性や耐食性には改善の余地があることに加え、顕著な塑性異方性に起因して構造設計や変形挙動の予測に関する課題も多く、現在も材料設計/プロセス設計に基づく材料開発が盛んに行われている。本稿では、Mg合金の力学特性に対する計算材料科学研究として、第一原理計算を用いた合金化による機械的性質への影響を非経験的に評価するための手法、および、結晶塑性有限要素法を用いた多結晶挙動および不均一変形の解析方法について、計算手法に関する基本的な枠組みと具体的な解析例を紹介する。
都留 智仁
Materials Transactions, 65(9), p.988 - 994, 2024/09
被引用回数:1 パーセンタイル:16.86(Materials Science, Multidisciplinary)面心立方(FCC)構造を有する高エントロピー合金(HEA)の中には、優れた強度-延性バランスを有するものがある。転位すべり以外の微細な双晶パターンなどの特異な変形モードが機械的特性に寄与している一方で、そのような特異な変形を引き起こすHEAの基本的な性質や特徴は解明されていない。本研究では、CoCrFeNiMnおよびその派生系の優れた機械的特性の原因となる基本特性を第一原理計算により包括的に探索した。局所的な格子歪みはバーガースベクトルのほぼ2%に達し、HEAの強度向上に寄与している。さらに、積層欠陥エネルギー(SFE)は、ランダム固溶体では著しく低い一方、短距離秩序(SRO)が形成されるドメイン周辺では上昇した。SFEの増加は、SFE形成による化学的SROとスピン秩序の乱れに起因する。われわれの計算から、HEA特有の固溶体領域に分布する低SFEドメインと高SFEドメインが、様々な変形モード(Plaston)を連続的に活性化させ、優れた強度と延性のバランスを実現していることが示唆された。
清原 慎*; 都留 智仁; 熊谷 悠*
Science and Technology of Advanced Materials, 25(1), p.2393567_1 - 2393567_9, 2024/09
被引用回数:1 パーセンタイル:25.98(Materials Science, Multidisciplinary)セラミック材料においても塑性変形が生じることは知られているが、金属と比べてほとんど研究されていない。例えば、MgOは典型的なセラミックスの1つであり、実験的にも理論的にも広く研究されている。しかし、転位についての理解は進んでおらず、刃状転位とらせん転位のどちらが滑りやすいかについてさえ、未だ議論されている。本研究では、第一原理計算に基づいてMgOの転位芯の原子構造を直接モデル化し、パイエルス応力を推定した。その結果、主すべり系のらせん転位は刃状転位よりもパイエルス応力が小さいことが明らかになった。この傾向は金属と完全に異なっており、TiNで知られる傾向と一致しており、セラミックス固有の特性であることが示唆される。
染川 英俊*; 都留 智仁; 内藤 公喜*; Singh, A.*
Scripta Materialia, 249, p.116173_1 - 116173_6, 2024/08
被引用回数:3 パーセンタイル:63.21(Nanoscience & Nanotechnology)Mg二元合金の
双晶境界に偏析した双晶境界は、転位滑りを阻害する役割を果たすため硬度の増加に寄与する。本研究では、合金元素添加による双晶境界の移動度の影響を実験と計算によって評価した。その結果、内部摩擦試験により、溶質元素に関係なく、誘起された双晶境界は可逆的な動き、つまり成長と収縮のため、減衰能力を高めるのに効果的であることが明らかになった。対照的に、双晶境界偏析のある試験片とない試験片の損失係数を比較すると、偏析は減衰能力の低下につながることがわかった。双晶境界の滑りが発生するために必要なエネルギー障壁は、損失係数と密接に関係していることを示した。
-phase in Al-Mg-Si alloys during aging treatmentAhmed, A.*; Uttarasak, K.*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; 清水 一行*; 平山 恭介*; 戸田 裕之*; 山口 正剛; et al.
Journal of Alloys and Compounds, 988, p.174234_1 - 174234_9, 2024/06
被引用回数:12 パーセンタイル:91.68(Chemistry, Physical)本研究は、Al-Mg-Si合金における
相の成長過程を形態進化の観点から明らかにすることを目的とする。本研究では、高分解能透過電子顕微鏡(HR-TEM)、集束イオンビーム(FIB)及び光学顕微鏡(OM)を用いて、
相の配向関係、形状、成長過程、ミスフィット値、及び
相とAlマトリックスとの界面状態を調べた。その結果、
相の端に
ファセットが確認され、
相の新しい3次元形状が2つ提案された。我々は、Mg
Si結晶の成長過程における形態変化を説明するためにミスフィットを計算し、不安定な{111}
ファセットが(001)
ファセットや(011)
ファセットと比較して高いミスフィット値を持つことを解明した。これは、Al-Mg-Si合金の微細構造変化を予測し、所望の特性を持つ材料を設計するために重要な知見である。
Mn清水 一行*; 西村 克彦*; 松田 健二*; 赤丸 悟士*; 布村 紀男*; 並木 孝洋*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 髭本 亘; 都留 智仁; et al.
Scripta Materialia, 245, p.116051_1 - 116051_6, 2024/05
被引用回数:2 パーセンタイル:32.08(Nanoscience & Nanotechnology)質量ppmレベルの水素は金属材料の水素脆化を引き起こすが、水素の捕獲部位を実験的に解明することは極めて困難である。我々は、正ミュオンが水素の軽い同位体として作用することを利用して、物質中の水素の捕獲状態を研究した。ゼロ磁場ミュオンスピン緩和実験と密度汎関数理論(DFT)計算をAl
Mnに対して行った。Al
Mnにおける水素のDFT計算の結果、4つの水素トラップサイトが見つかり、その水素トラップエネルギーはeV/atom単位で0.168(サイト1), 0.312(サイト2), 0.364(サイト3), 0.495(サイト4)であった。推定された双極子磁場幅の温度変化(
)は、94, 193, 236Kでステップ状の変化を示した。サイト密度を考慮すると、観測された
の変化温度は、サイト1, 3, 4にミュオンがトラップされたものと解釈される。
-Fe鈴土 知明; 海老原 健一; 都留 智仁; 森 英喜*
Journal of Applied Physics, 135(7), p.075102_1 - 075102_7, 2024/02
被引用回数:3 パーセンタイル:46.22(Physics, Applied)体心立方(bcc)金属および合金では延性脆性遷移温度以下において脆性的破壊が起きる。この事象は、脆性破壊を起こすき裂先端の臨界応力拡大係数が塑性変形を起こす臨界応力拡大係数よりも小さく塑性変形よりも脆性破壊が優先的に選択されるという考え方によって理論的に説明されている。この考え方は巨視的には正しいが、このような脆性破壊は常にき裂先端近傍での小規模な塑性変形、すなわちき裂先端塑性変形を伴う。この論文では、最近開発された
-Feの機械学習原子間ポテンシャルを用いて原子論的モデリングを行い、この塑性の発現メカニズムを解析した。その結果、高速なき裂進展によってき裂先端位置の原子群が動的に活性化され、それがき裂先端塑性の前駆体になっていることが判明した。
染川 英俊*; 都留 智仁; Singh, A.*
Materials Science & Engineering A, 893, p.146066_1 - 146066_8, 2024/02
被引用回数:3 パーセンタイル:55.16(Nanoscience & Nanotechnology)微細粒組織を有するMg二元合金の押出成形において、p-ブロック元素(Ga, Ge, In)の添加が粒界組織と室温機械的応答に及ぼす影響を評価した。Mg-Ga合金とMg-In合金では粒界偏析が確認されたが、Mg-Ge合金ではそのような溶解性に関連した微細構造は見られなかった。これらの粒界偏析は、Mg-Ga合金とMg-In合金の塑性変形に影響を与えた。特に、Mg-In合金はひずみ速度依存性が大きく、低ひずみ速度領域で良好な変形性を示した。このことは、粒界すべりが塑性変形に寄与したことを示している。第一原理計算により、p-ブロック元素は結晶粒界において結合を弱める効果をもたらし、結晶粒界における原子間距離は元素によって異なることが示された。粒界における結合の弱化は、一般に粒界破壊をもたらす要因になるため靱性を低下させることが多いが、粒内の塑性変形能が低いMgにおいては、変形時の粒界滑りの寄与を高めることで延性を向上させる正の効果を生じることが明らかになった。