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抽出錯体溶液のつくる階層構造と相挙動

Hierarchical structure assembled by coordination species and phase behavior in biphasic solvent extraction systems

元川 竜平   

Motokawa, Ryuhei

近年、我々はPUREXプロセスの模擬抽出系(リン酸トリブチル(TBP)-オクタン/ジルコニウム(IV)-硝酸)において有機相中でつくられる溶液構造に注目した研究を進めてきた。PUREXプロセス自体は、1949年にLanhamとRunionによって報告された確立されている方法であるが、その溶質によってつくられる会合・凝集など、長距離秩序については未だに明らかにされていない部分が多い。これに対して我々は、2012年以降、中性子散乱法, 放射光, 計算機シミュレーションを中核にする方法を駆使することで、溶液中でつくられるナノ構造と各溶質間にはたらく分子間相互作用を明らかにする研究を進めてきた。一連の研究は、TBP-オクタン混合液(抽出前の有機相)のナノ構造を明らかにする研究から始まり、これに硝酸のみを抽出させた有機相がつくるナノ構造を解明する研究を経過して、硝酸ジルコニウムをTBPで抽出した有機相のナノ構造を理解する研究へと段階的な発展を遂げてきた。本講演では特に、抽出錯体(Zr(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$(TBP)$$_{2}$$)の濃度を変化させた際に有機相中でつくられる溶液構造(階層構造)について最新の知見を報告するとともに、第三相生成との関係性や熱力学的な考察によって得られる知見について紹介する。また、抽出錯体溶液の構造解析において、中性子線とX線の特徴をどのように使い分けることができるかや、スピン偏極した入射中性子線を利用する先端的な中性子散乱技術(偏極解析技術)を構造解析に利用することの有効性についても紹介したい。

no abstracts in English

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