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区分重水素化タンパク質を用いた中性子小角散乱解析

SANS analysis using segmentally deuterated protein

小田 隆; 井上 倫太郎*; 守島 健*; 會澤 直樹*; 大井 里香*; 石野 良純*; 奥 隆之   ; 佐藤 衛*; 杉山 正明*

Oda, Takashi; Inoue, Rintaro*; Morishima, Ken*; Aizawa, Naoki*; Oi, Rika*; Ishino, Yoshizumi*; Oku, Takayuki; Sato, Mamoru*; Sugiyama, Masaaki*

複数のドメインと天然変性領域から構成されるマルチドメインタンパク質の柔軟な構造は、機能に密接に関連している。しかし、その柔軟性のため、従来の構造生物学的手法による解析が困難である。我々はX線小角散乱と計算科学を用いてHefの動的な構造をアンサンブルとして解析したが、複数のドメインと天然変性領域からの散乱を含む1本の散乱プロファイルのみでは正しい構造アンサンブルの算出には不十分である。これを解決するためにタンパク質の特定の領域の構造情報を選択的に取得する手法の開発を行った。特定の領域のみを75%重水素化し、残りの部分は軽水素体のHefを調製し(区分重水素化Hef)、100%重水中で中性子小角散乱測定を行った。これにより75%重水素化ドメインは散乱的に不可視化され、軽水素体部分のみの散乱を観測でき、X線小角散乱データと相補的に解析することで柔軟な構造の解析が可能になる。本手法は様々なマルチドメインタンパク質の動的構造解析への応用が期待できる。発表では区分重水素化試料の調製、中性子小角散乱測定および予備的なデータ解析について報告する。

no abstracts in English

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