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Crコーティング事故耐性燃料被覆管の高温酸化モデル検討

Development of analytical model on high temperature oxidation behavior of Cr-coated accident tolerant fuel cladding

谷口 良徳 ; 宇田川 豊  

Taniguchi, Yoshinori; Udagawa, Yutaka

事故耐性燃料(ATF)の一つであるCrコーティング被覆管は、従来材(非コーティングZr合金)に比べ高い高温酸化耐性を示す一方、その保護効果には限界があり、シビアアクシデント(SA)耐性の適切な評価や同材料に適した規制基準の検討に資する評価手法の確立が望まれる。従来設計の軽水炉燃料からATFまで、また通常運転時からSA時までをカバー可能な国内共通解析基盤の構築に向け、燃料挙動解析コードFEMAXI及びRANNSを開発している。この一環として、Cr層の保護効果への影響が指摘されている、Zr侵入によるCr層劣化等の素過程をモデル化し、実験解析を通じて、開発したモデルのパラメータ決定及び動作検証を実施した。Cr層が関与する高温反応として、(1)外面側Cr$$_{2}$$O$$_{3}$$成長、(2)母材金属層へのCr拡散、(3)母材金属層界面からのZr侵食とその酸化による析出ZrO$$_{2}$$網形成、(4)同経路形成による母材金属層への酸素拡散加速、(5)Cr層と母材金属層界面でのZrO$$_{2}$$層形成と成長を高温酸化モデルへ導入した。Crコーティング(15 $$mu$$m厚) M5$$^{TM}$$被覆管の高温酸化実験 を解析した結果、観察されたCr層の保護効果消失、Cr層下でのZrO$$_{2}$$層形成、母材金属層への酸素侵入挙動を同時に再現することができた。金属層中への酸素吸収は有意なZrO$$_{2}$$層形成のない段階で始まっており、SA条件は元より、事故時の炉心冷却形状維持に係るATFの性能把握の観点からも、保護効果喪失素過程の把握とモデルへの適切な反映を通じた挙動予測の信頼性向上が重要となる。

no abstracts in English

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