ゆとりある国民生活に貢献する放射線; 放射線利用の経済規模

Radiation to make comfortable domestic life in Japan; Scale of utilization of radiation in industry

柳澤 和章; 久米 民和; 幕内 恵三; 竹下 英文

Yanagisawa, Kazuaki; Kume, Tamikazu; Makuuchi, Keizo; Takeshita, Hidefumi

俗に、原子力量はエネルギー利用と放射線利用の2本柱と言われてきているが、その柱の高さ(経済規模)がこれまで明らかでなかった。今回の調査の結果、平成9年度の時点で原子力利用は約16兆円、対GDP比3.2%になっていることが初めて明らかになった。民主導で開始された放射線利用は、官主導で開始されたエネルギー利用(原発)に比べその経済規模は小規模で、せいぜい数百億円と多くの原子力専門家は考えていた節がある。ところが、いざ蓋を開けてみると、放射線を使った半導体産業(約5兆円規模)や自動車産業(ラジアルタイヤ1兆円規模)などの躍進により、医学・医療用(約1兆円)とあわせて8兆6千億円の規模にあることが判明した。これに対して、エネルギー利用の経済規模は7兆3千億円となっており、まさに、事実は小説よりも奇なりの格言とおりの結果となった。驚くのは経済規模だけでなく、放射線利用の中身であり、私たちの生活の隅々まで実に巧みに利用の便に供されていることがわかった。生活の基盤はエネルギーで支えるが、生活のゆとりは放射線で支えている感をもった。このような良いことは、一部専門家の常識として止めておくのではなくて、広く国民に知らせしめ放射線利用の恩恵を感じ取って頂くのがよいと考える。

no abstracts in English