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論文

低レベル放射性廃棄物が残してくれた恩恵

柳澤 和章; 久米 民和*; 幕内 恵三*; 井上 登美夫*; 菰田 文男*; 前田 充*

デコミッショニング技報, (39), p.44 - 61, 2009/03

低レベル廃棄物となった放射性物質が私たちに残してくれた恩恵について考えた。今回は、我が国の工業,農業及び医学・医療における放射線利用の直接経済規模という切り口で、その恩恵の定量化を行った。その結果2006年時点で、工業分野で約2兆円、農業分野で約0.3兆円、医学・医療分野で約1.5兆円となり、放射線利用全体では約4兆円となっていた。放射線利用による恩恵により、私たちはドライブやインターネットを楽しみ、食を楽しめる。核医学による診断や治療で何百万というヒトの命が延命され、生活の質が改善され、痛みや苦痛が和らげられている。放射線利用の恩恵を理解している国民は現状ではそう多くない(20%以下)と思われるが、本報告書が理解の一助となれば幸いである。

論文

An Economic index regarding market creation of products obtained from utilization of radiation and nuclear energy, 4; Comparison between Japan and U. S. A.

柳澤 和章; 久米 民和; 幕内 恵三; 田川 精一*; 茅野 光男*; 井上 登美夫*; 武久 正昭*; 萩原 幸*; 清水 雅彦*

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(10), p.1120 - 1124, 2002/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:23.44(Nuclear Science & Technology)

本件は、日本原子力学会からの投稿依頼に応えたものである。発表内容は、平成11年度に調査した「我が国の放射線利用経済規模」及び平成12年度に実施した「我が国と米国の放射線利用経済規模」をとりまとめたものである。調査対象が膨大であるので、(1)工業利用,(2)農業利用,(3)医学・医療利用,(4)原発と放射線利用の4つに仕分けした。本件は(4)原発と放射線利用についての報告である。なお、上記調査はいずれも文部科学省の委託調査(特会)であり、成果の発表にあたっては相手方の了解を得ている。主な成果; 1997年における米国の原子力売上は158b$であり、内訳は放射線利用が119b$(75%),原発売上が39b$(25%)であった。此に対して我が国の原子力売上は99b$で、内訳は放射線利用が52b$(53%),原発売上が47b$(47%)であった。米国の原子力売上は我が国の約1.6倍となったが、米国では工業と医学・医療の分野で放射線利用が積極的になされていることが一つの理由である。相対的であるが、原発売上額は米国よりも我が国の方が大きい。

論文

Economic scale of utilization of radiation, 1; Industry: Comparison between Japan and the U. S. A.

幕内 恵三; 田川 精一*; 柏木 正之*; 釜田 敏光*; 関口 正之*; 細淵 和成*; 富永 洋*; 大岡 紀一

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(9), p.1002 - 1007, 2002/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:39.58(Nuclear Science & Technology)

本件は、平成11年度及び平成12年度に実施した「我が国の放射線利用経済規模」、「我が国と米国の放射線利用経済規模」に関連し、工業利用についての報告である。調査の結果は次のとおりである。(1)米国放射線利用項目を経済規模が大きい順に並べると、(a)半導体加工(4.5兆円),(b)タイヤ(1.6兆円),(c)医療用具の滅菌(約5,800億円),(d)非破壊検査(約780億円)の順となる。傾向は我が国も同じである。この(a)から(d)の合計(特化項目の合計)は、米国が約6.7兆円,我が国が約4.7兆円となる。この規模比率は1.4である。全体的に見ると放射線工業利用製品を、米国は大量に安く生産している。(2)1997年における米国のGDPは1,006兆円、此に対する日本のGDPは512兆円である。米国は日本の約2倍である。米国特化項目の合計の対GDP比は0.7%,我が国限定項目の合計の対GDP比は0.9%となる。両者はほとんど差がない。

論文

ゴムの放射線架橋

幕内 恵三

日本ゴム協会誌, 75(2), p.85 - 89, 2002/02

放射線加工のなかで最も実用化が進んでいるのは、放射線架橋である。ゴムの放射線架橋は、放射線利用の研究開発が始まった初期の段階から期待されていた。しかし、タイヤ以外のゴム製品ではあまり利用されていない。この原因を考察し、現状と新たな応用の可能性を紹介した。放射線架橋ゴムの低物性の主な原因は、ゴム分子の放射線による主鎖切断と放射線で発生したオゾンによる劣化のためである。多官能性モノマー添加による架橋促進と電子加速器による短時間照射などの適切な対策を講ずれば、放射線架橋でも硫黄架橋と同等の性能は得られる。配合によっては硫黄架橋よりもすぐれた耐熱性も認められる。硫黄架橋では数種類の架橋促進剤が使用され、複雑な配合となる場合が多いが、放射線架橋により配合の単純化が可能となる。また、放射線架橋の架橋速度は放射線の線量率で制御できるため、高線量率照射により押出し機とのon-line化がタイヤ工場では行われている。単純な配合と早い架橋は製造コスト削減に寄与することを強調した。

論文

ブラジルの気になるラテックス; 天然ゴムで傷を治す

幕内 恵三

ポリマーダイジェスト, 54(2), p.17 - 25, 2002/02

ブラジル出張中に見聞した天然ゴムラテックスの新しい用途について紹介した。サンパウロ州立ヒベイロンプレト大学医学部のコウチンユ教授は、新鮮な天然ゴムラテックスが傷を癒すことを発見した。天然ゴムにはヒトを含む動物の傷を癒すタンパク質があり、血管の形成を促進するという。このタンパク質は温度に敏感で、高温にさらされると効力を失う。ゴムフィルムを患部に貼ることにより、フィルムに面した生体部分に血管の形成が起こり、やがて筋肉や皮膚の組織が成長する。ゴムフィルムは生体組織と癒着せず、組織形成後ゴムフィルムは容易に除去できる。鼓膜損傷や壊疽、潰瘍、切り傷、火傷等に効果がある。ラテックス療法の特長は、通院で治癒でき、安全かつ迅速である。人工食道,人工血管にも応用できる。近い将来、貴重な医薬品が天然ゴムから生産される可能性がある。

論文

放射線利用の経済規模

柳澤 和章; 久米 民和; 幕内 恵三

Radioisotopes, 50(11), p.581 - 590, 2001/11

放射線利用の経済効果(Economic Benefits)は、米国で既に10年前に調査され、直接・間接効果含めて110b$(約14兆円)あることが報告されている。放射線利用と原発エネルギー利用の効果比較では、79%:21%であった。筆者等は我が国で初めて体系的な放射線利用の経済規模(Economic Scale)調査を実施(1997年)した。調査の結果、我が国のそれは71b$(約8.6兆円)であった。この額は対GDP比で1.7%に相当する。この額の内訳は、工業利用60b$,農業利用1b$そして医学・医療利用10b$であった。

論文

原子力利用の経済規模

武久 正昭*; 田川 精一*; 柏木 正之*; 富永 洋*; 石川 勇*; 大岡 紀一; 釜田 敏光*; 細淵 和成*; 幕内 恵三; 竹下 英文; et al.

原子力利用の経済規模; NSAコメンタリーシリーズ, No.9, 139 Pages, 2001/01

平成11年度に、原研は科技庁研究技術課(現在、文科省研究振興局量子放射線研究課)から委託調査を受け、「放射線利用の国民生活に与える影響に関する研究」と題する調査を実施した。調査実施主体は原研高崎研である。具体的には原研高崎研のなかに放射線フロンティア研究委員会放射線利用経済効果専門部会を作り、約20名の放射線利用専門家に委員となって戴いた。工業,農業,及び医学・医療といった異なる分野からの委員が参集して下さった。1年間(実質は6ヶ月)の活動により、我が国において放射線利用がどの程度拡がっているが、経済規模(金額)の形で数値が報告された。約8兆6千億円であった。また、成果の一部は放射線利用シンポジウム等で公開された。この成果報告に興味を持たれた田畑米穂先生(東大名誉教授)が、原子力研究システム懇話会から成果報告冊子を出してはどうかと原研に進めて下さった。研究事務局では専門部会に諮ったところ了解が得られた。最終的には「原子力利用の経済規模」という標題で刊行が決まった。標題が放射線利用から原子力利用に変わったのは、原研に東電グループが協力して原発の経済規模を求め、放射線利用と合体してくれたからである。詳細に検討するといろいろ課題は残っているものの、システマティックに我が国の原子力利用の経済規模を求めるのに成功した。本外部発表票の発表者は、上記経済効果専門部会に原研高崎から参加した専門家である。

論文

放射線によるタンパク質含有量の少ない加硫天然ゴムラテックス

幕内 恵三; Haque, M. H.*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和

日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 4(1), p.7 - 10, 2001/01

天然ゴムラテックスの放射線加硫では、タンパク質も放射線で変性し、抽出可能な水溶性タンパク質が増加する。このタンパク質の除去法として、希釈した放射線加硫ラテックスに水溶性ポリマーを添加し、遠心分離器で濃縮することが有効である。また、水溶性ポリマーの分子量も脱タンパク質に影響し、低分子量を効果が大きいことを前回報告した。今回は、低分子量水溶性ポリマーとして重合度が500のポリビニルアルコール(PVA)を使用し、加水分解度の影響を検討した。PVAの添加した放射線加硫ラテックスから流涎でフィルムを作製し、乾燥後フィルムを10分間水洗し、引張強さと伸びを測定するとともに残存タンパク質をBCA法で定量した。脱タンパク質効果は加水分解度の増加とともに増大した。また、引張強さと伸びは加水分解度の低下とともに減少した。この結果から、完全加水分解のPVAが本法に適していることがわかった。

論文

The Economic scale of utilization of radiation in Japan

柳澤 和章; 久米 民和; 幕内 恵三

Proceedings of 16th KAIF/KNS Annual Conference, p.259 - 269, 2001/00

昨年度、科技庁からの委託で、わが国における放射線利用の経済規模調査を行った。放射線利用というのは、専門家からみれば極めてわかりやすく目に見える利用形態であるはずなのに、一般の人には説明しにくく、「怖がられてばかり」で「正しく怖がっていただけない」傾向にあった。いままで人知れず社会のために役立ってきたような「縁の下の力持ち」的な存在感しかだせず、「放射線利用の拡がり」、「国民福祉への貢献」といった抽象的概念が先行していた。これではいけないということで、放射線利用の具現化を図るため、世の中で流通している放射線利用生活用品の生産高(売れ具合)を、専門家の集団に1年間かかって本気で調査していただいた。工業界,農業界,そして現役のお医者さんまで巻き込んだ20人余の専門家集団の努力が結実したものである。わが国では、工業,農業及び医学・医療の3分野でいったいどのくらい世の中に放射線利用がすすみ、放射線利用製品がどのくらい売れているのか綿密に調査したものである。調査結果は、まず依頼元の科技庁、原子力委員会、原子力安全委員会等で報告された。当時作成中であった長期利用計画にも大いに取り込まれ、真価を発揮することができた。そして、国内では、いろいろな機会(例えば学会や原研の成果報告会)を捕らえて国民の皆様に報告している。このユニークで新鮮な研究成果の存在がお隣の韓国原子力界でも注目を浴びたのであろうか、第16回韓国原子力産業会議/原子力学会の年次大会に招聘された。発表内容は、第1回目であることを鑑みて、原子力委員会に報告した内容(公開内容)を中心に、最近のトピックスも幾つか織り込みたい。韓国においても、原子力に対する風当たりが最近は強くなってきたと聞いているが、「放射線利用」がいかに役立っているかという現実的な報告を韓国の専門家に報告する。

論文

ゆとりある国民生活に貢献する放射線; 放射線利用の経済規模

柳澤 和章; 久米 民和; 幕内 恵三; 竹下 英文

放射線と産業, (88), p.46 - 53, 2000/12

俗に、原子力量はエネルギー利用と放射線利用の2本柱と言われてきているが、その柱の高さ(経済規模)がこれまで明らかでなかった。今回の調査の結果、平成9年度の時点で原子力利用は約16兆円、対GDP比3.2%になっていることが初めて明らかになった。民主導で開始された放射線利用は、官主導で開始されたエネルギー利用(原発)に比べその経済規模は小規模で、せいぜい数百億円と多くの原子力専門家は考えていた節がある。ところが、いざ蓋を開けてみると、放射線を使った半導体産業(約5兆円規模)や自動車産業(ラジアルタイヤ1兆円規模)などの躍進により、医学・医療用(約1兆円)とあわせて8兆6千億円の規模にあることが判明した。これに対して、エネルギー利用の経済規模は7兆3千億円となっており、まさに、事実は小説よりも奇なりの格言とおりの結果となった。驚くのは経済規模だけでなく、放射線利用の中身であり、私たちの生活の隅々まで実に巧みに利用の便に供されていることがわかった。生活の基盤はエネルギーで支えるが、生活のゆとりは放射線で支えている感をもった。このような良いことは、一部専門家の常識として止めておくのではなくて、広く国民に知らせしめ放射線利用の恩恵を感じ取って頂くのがよいと考える。

論文

わが国における放射線利用の経済規模

柳澤 和章; 久米 民和; 幕内 恵三; 竹下 英文

原子力eye, 46(8), p.62 - 68, 2000/08

放射線は工業分野に限らす、農業(アイソトープ利用も含む)及び医学・医療分野でも利用され国民福祉の向上に役立ってきている。ところが、その利用度を定量的に説明しようとすると意外にわからないことが多い。物事の実態を定量化する尺度として、俗に「ヒト、モノ、カネ」といわれるが、放射線利用産業の売上高(すなわち経済規模は)一体どの位の拡がりを持って存在しているのであろうか。このような素朴な疑問の答えるため、平成11年度、科学技術庁からの委託により原研を中心に大学、民間が一致協力して我が国における放射線利用の経済規模を網羅的に調べあげた。その結果、以下のような知見を得た。(1)放射線を利用した産業の経済規模は、工業で7兆2,627億円、農業で1,167億円、医学・医療で1兆1,905億円となった。この三分野の合計は8兆5,699億円となっている。(2)エネルギー利用の経済規模は、放射線利用とほぼ同じような考え方で算出すると約7兆2,742億円となった。(3)放射線利用とエネルギー利用の合計を原子力利用の経済規模と称するとその額は約16兆円となる。半導体加工(約5兆4千億円)を放射線利用に含めるかどうかによって、放射線利用とエネルギー利用の大小関係は逆転するが、いずれにいても放射線利用はエネルギー利用に勝るとも劣らぬ経済規模を有していた。

論文

Growth-promotion of plants with depolymeriged alginates by irradiation

Hien, N. Q.*; 長澤 尚胤*; Tham, L. X.*; 吉井 文男; Dang, V. H.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三; 久米 民和

Radiation Physics and Chemistry, 59(1), p.97 - 101, 2000/07

 被引用回数:102 パーセンタイル:98.41(Chemistry, Physical)

海藻から得られる多糖類であるアルギン酸について、放射線分解効果と植物生育促進効果について検討した。アルギン酸は水溶液中、乾燥粉末ともに照射によって著しい分子量低下が認められた。4%水溶液を100kGy照射した時に、イネに対する著しい生育促進効果が認められた。この時のアルギン酸の分子量は約7000であった。また、ピーナッツに対しても顕著な生育促進効果が認められ、最適アルギン酸濃度は、イネで約50ppm、ピーナッツで約100ppmであった。以上の結果、アルギン酸の放射線分解産物は、植物の成長促進剤として有効に利用できることが明らかとなった。

論文

高分子材料

幕内 恵三

放射線利用における最近の進歩, p.87 - 100, 2000/06

高分子材料の放射線加工について解説した。取り上げたトピックスは、橋かけ、分解、硬化、重合、グラフト重合である。最初に放射線高分子化学反応を説明した。放射線橋かけの応用では、電線・ケーブル、タイヤ、発泡プラスチック、熱収縮チューブ、超耐熱繊維、ハイドロゲル、放射線加硫等の実用化例を紹介した。放射線分解では、セルロースや多糖類の最新の情報を紹介した。放射線グラフト重合と放射線硬化では、競争技術について触れた。放射線重合では、カチオン重合性モノマーの高線量率電子線乳化重合への期待を述べた。

論文

ポリマーの放射線加工

幕内 恵三

ポリマーの放射線加工, p.1 - 286, 2000/04

ポリマーダイジェスト雑誌に平成10年11月から連載した13の解説記事を一冊にまとめたものである。構成は以下のとおりである。第1回-放射線加工概論、第2回-放射線橋かけ、第3回-放射線橋かけのプラスチックへの応用、第4回-放射線橋かけのエラストマーへの応用、第5回-放射線橋かけのラテックスへの応用、-ラテックスアレルギーと放射線加硫、第6回-放射線橋かけのハイドロゲルへの応用、第7回-放射線グラフト重合、第8回-放射線キュアリング、第9回-放射線分解と放射線重合、第10回-ポリマー製品の放射線滅菌と耐放射線材料、第11回-再利用と環境保全、第12回-現状と動向。ポリマーの放射線による合成から改質までの各種プロセスを解説した。競合する技術との比較から放射線加工の特徴を整理した。また、放射線加工の現状を分析し、これからの放射線加工を考察した。巻末には照射施設等のカタログと各種換算表を添付した。

報告書

Proceedings of the 8th Japan-China Bilateral Symposium on Radiation Chemistry; October 25-29, 1999, Kyodai Kaikan, Kyoto, Japan

山岡 仁史*; 長谷 博友*; 幕内 恵三

JAERI-Conf 2000-001, p.331 - 0, 2000/03

JAERI-Conf-2000-001.pdf:17.13MB

本論文集は平成11年10月25日~29日に京都大学京大会館において開催された第8回日中放射線化学シンポジウムの発表論文を編集したものである。シンポジウムでは合計69件の発表があった。このうち41件が口頭発表で、28件がポスターセッションでの発表であった。本論文集では発表論文を研究内容により5つの分野に分類した。すなわち、A: 放射線化学-基礎(21論文)、B: 放射線化学-高分子(10論文)、C: 放射線化学-生物システム(8論文)、D: 放射線加工(19論文)、E: 高度放射線化学-イオンビームとポジトロン(11論文)である。日中放射線化学シンポジウムの経緯と歴史、本シンポジウムの成果と総括、今後の展望は閉会の部にまとめられている。

論文

Improvement of mechanical properties of hydrogel by irradiation of polymers in aqueous solution with $$kappa$$-carrageenan

幕内 恵三; 吉井 文男; Aranilla, C. T.*; Zhai, M.*

JAERI-Conf 2000-001, p.192 - 195, 2000/03

ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリビニルピロリドン(PVP)水溶液の放射線照射でつくられるハイドロゲルは、不純物を含まず生体親和性にすぐれているが、脆弱であるという問題がある。海藻多糖類である$$kappa$$-carrageenan($$kappa$$-CA)は、胞子野戦分解型のポリマーであるが、PEOやPVP水溶液に$$kappa$$-CAを添加して照射すると、ポリマーの放射線橋かけを促進することを見いだした。$$kappa$$-CAの主鎖切断ラジカルがPEOやPVPの側鎖切断ラジカルと結合すると推定される。$$kappa$$-CAの添加でハイドロゲルのゲル強度が高まった。これらのゲル強度は$$kappa$$-CAの添加量と線量に依存した。15wt.%のPVPハイドロゲルでは20kGyでゲル強度は10Nであったが、$$kappa$$-CAを5wt.%添加したものでは140Nになった。$$kappa$$-CA添加ハイドロゲルは、-OSO$$_{3}^{-}$$基があるため多量の水を吸収できるという特長がある。

論文

Radiation degradation of alginate and some results of biological effect of degraded alginate on plants

Hien, N. Q.*; Hai, L.*; Luan, L. Q.*; Hanh, T. T. V.*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 幕内 恵三; 久米 民和

JAERI-Conf 2000-003, p.94 - 100, 2000/03

照射したアルギン酸を粘度法にて分子量を求めた。その結果、分解のG値と照射時のアルギン酸水溶液濃度との関係は、Gd=33.5$$times$$C$$^{-0.68}$$である。Cは%濃度(W/V)である。海藻(Sagassum)に直接照射し分解した後抽出により得たアルギン酸がお茶やニンジンの生育促進に有効であることを見いだした。

論文

Extractable protein of radiation vulcanized natural rubber latex

Soebianto, Y. S.*; Ratnayake, U. M.*; 幕内 恵三; 吉井 文男; 久米 民和

JAERI-Conf 2000-003, p.49 - 55, 2000/03

天然ゴムラテックスには、たんぱく質が含有し、これがアレルギーを引き起こすことから、近年問題になっている。そこで放射線加硫天然ゴムラテックス(RVNRL)から、水溶性ポリマーの添加と遠心分離との併用によりたんぱく質を除く研究を行った。種々の方法を検討した結果、RVNRLを50%から30%に希釈し、そこに水溶性のポリビニルアルコールを3Phr添加した後遠心分離を行い50%濃度にする方法が最も有効であった。この方法によるとRVNRL中からのたんぱく質は検出限界以下に低減できる。

論文

Crosslinking of poly($$varepsilon$$-caprolactone) by radiation technique and its biodegradability

吉井 文男; Darwis, D.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三

Radiation Physics and Chemistry, 57(3-6), p.417 - 420, 2000/03

 被引用回数:63 パーセンタイル:95.76(Chemistry, Physical)

生分解性のポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60$$^{circ}$$Cという耐熱性のない材料である。このため、固相(室温)溶融相(80$$^{circ}$$C)及び過冷却相(80$$^{circ}$$Cで融解後45$$^{circ}$$Cで保持)で照射橋かけを行い、耐熱性や橋かけ構造導入後の生分解性を調べた。その結果以下のような事実を見いだした。(1)三つの相状態の中で過冷却照射が最も橋かけしやすい。橋かけのG値は、固相は0.27,過冷却相0.7,溶融相0.45である。(2)過冷却相照射PCLは高い耐熱性を示し、60$$^{circ}$$Cから150$$^{circ}$$Cに向上した。(3)土壌埋設及び活性汚泥による試験では、生分解性が照射試料の方が未照射PCLよりも分解しやすい。これらの新しい事実は、生分解性ポリマーの応用分野の拡大に有益である。

論文

ポリマーの放射線加工; 現状と動向

幕内 恵三

ポリマーダイジェスト, 52(2), p.58 - 77, 2000/02

橋かけ、分解、硬化、グラフト重合などのポリマーの放射線加工について、日本における生産規模を概観し、今後の課題と研究開発の方向をまとめた。次に、21世紀の放射線加工としてバイオ資源への応用とイオンビーム照射をとりあげ、バイオ資源の放射線加工では、アジアにおける資源循環型地域開発の可能性を論じた。新しい放射線源であるイオンビームについては、その基本的性質と特徴を解説し、ポリマーへのイオンビーム照射効果について展望した。最後に放射線加工の実用化を促進するための方策について考察した。

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