東海村ウラン加工工場臨界事故時の住民の情報認知と対応行動

The Inhabitants' receiving disaster information and their reaction at the JCO criticality accident in Tokai-mura

梅本 通孝; 小林 健介; 石神 努; 渡辺 実*

Umemoto, Michitaka; Kobayashi, Kensuke; Ishigami, Tsutomu; Watanabe, Minoru*

1999(平成11)年9月30日10時35分頃に茨城県東海村の株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工工場において臨界事故が発生した。この事故により、東海村が現場周辺地区の住民を対象に避難要請を行ったほか、茨城県は現場から半径10km以内の地域住民に対して屋内退避を要請した。本稿は、この臨界事故時における事故発生の第一報や避難要請・屋内退避要請等に関する情報の地域住民への伝達状況、及び、それら情報を受けてからの住民の対応行動等を把握するために、現場周辺地区と、半径10km圏において実施した住民調査の結果を報告するものである。主な結果は以下のとおりである。(1)現場周辺地区の住民への情報周知では行政ルート(特に防災無線)が大きな役割を果たしたが、10km圏の住民への情報提供は、マスコミに依存していた。(2)避難要請の周知完了までには2~3時間程度を要した。(3)事故の第一報に接した段階では、住民は事態を軽視する傾向があった。(4)自宅以外へ避難した住民の中で、事故事象に関する情報から独自に判断して避難を決めた人はわずかであった。(5)避難する際には、回答者の約7割が自家用車を利用していた。

On September 30 in 1999, the reactivity accident occurred at the Tokai uranium processifn facility of J. C. O. Co. Ltd(JCO) at Tokai-mura, Japan. Before the accident had been brought under control, the local authorities evacuated the population living within a few hundred meters and advised people within 10km of the facility to take shelter for a period of about one day. Questionnaires were conducted to know when, where and how the inhabitants received the information of protective action requests from the local authories and how they responded to the requests.