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君塚 肇*; 尾方 成信*; Thomsen, B.; 志賀 基之
Journal of Physics; Condensed Matter, 37(19), p.193001_1 - 193001_16, 2025/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)第一原理経路積分法を用いて、面心立方格子金属の水素同位体拡散係数を計算したところ、拡散係数の温度依存性が特異な形状をとることがわかった。これは温度依存性の異なる核量子効果の競合に起因しており、通常の同位体効果と逆同位体効果の間の異常なクロスオーバーのメカニズムを説明するものである。また、密度汎関数理論計算とほぼ同じ精度で、機械学習ベースの原子間ポテンシャルを用いて、近似的な量子ダイナミクスを記述する経路積分シミュレーションの結果も紹介する。この計算法は、様々な固体物質における水素同位体の量子的振る舞いを解明する道を開くものである。
都留 智仁; Lobzenko, I.; 尾方 成信*; Han, W.-Z.*
Journal of Materials Research and Technology, 28, p.1013 - 1021, 2024/01
被引用回数:3 パーセンタイル:34.67(Materials Science, Multidisciplinary)体心立方耐熱金属において、ある種の溶質原子は硬化と脆化を誘発する。特に格子間酸素はNbに劇的な硬化をもたらし、酸素を添加したNb合金の降伏応力は純Nbの2倍以上になる。この酸素による劇的な硬化は、転位と酸素の相互作用が比較的弱いため、従来のメカニズムでは説明できない。本研究では、らせん転位と酸素、空孔との3体相互作用に着目した。第一原理計算の結果、酸素と転位の相互作用は斥力であるが、空孔と酸素のペアが形成されると、らせん転位との引力相互作用が強まることが明らかになった。さらに、この特徴は、Nb中の酸素の特異な性質であることがわかった。空孔と酸素のペアは、孤立した空孔と酸素の格子間よりも転位運動のエネルギー障壁をより大きく増加させる。この過程において、酸素のユニークな八面体-四面体シャッフリングプロセスが劇的な硬化に支配的に寄与しているという、新しいメカニズムを発見した。このように、酸素添加BCC合金では、広く分布する空孔-酸素対が転位運動の強力な障害物として振る舞い、損傷蓄積と連続的な硬化を引き起こす。
Zheng, R.*; Gong, W.; Du, J.-P.*; Gao, S.*; Liu, M.*; Li, G.*; 川崎 卓郎; Harjo, S.; Ma, C.*; 尾方 成信*; et al.
Acta Materialia, 238, p.118243_1 - 118243_15, 2022/10
被引用回数:44 パーセンタイル:97.03(Materials Science, Multidisciplinary)Grain refinement can lead to the strengthening of metallic materials according to the Hall-Petch relationship. However, our recent results suggested that grain boundary sliding is the dominant deformation mode in bulk ultrafine grained (UFG) pure Mg at room temperature, leading to softening. Here, for the first time, we report that the Hall-Petch strengthening can be regained in bulk UFG pure Mg at cryogenic temperature. At 77K, the UFG pure Mg with a mean grain size of 0.6 m exhibited ultrahigh tensile yield strength and ultimate tensile strength of 309 MPa and 380 MPa, respectively. Combined
neutron diffraction and electron microscopy investigation indicated that residual dislocation structures and deformation twins hardly formed in the UFG specimen during tensile test at 298K. In contrast, fast accumulation of lattice defects and remarkable reorientation were evident at 77K, suggesting that the grain-boundary-mediated process was suppressed and the plastic deformation was dominated by dislocation slip and deformation twinning. In addition, all the pure Mg specimens exhibited pronounced strain hardening at 77 K, which was mainly attributed to the suppressed grain boundary sliding and dynamic recovery. The mean dislocation density and relative fractions of dislocations with various Burgers vectors of the UFG specimen deformed at 77K were determined quantitatively from neutron diffraction data.
君塚 肇*; 尾方 成信*; 志賀 基之
日本物理学会誌, 75(8), p.484 - 490, 2020/08
水素は量子性を示す元素で、他の不純物原子にはない特異な拡散挙動を示す。本研究では、経路積分シミュレーションと電子状態計算を連成させた第一原理手法を用いて、パラジウム結晶中の水素同位体の拡散挙動を幅広い温度で予測した。その結果、高温領域では、温度の低下とともに量子ゆらぎの影響が顕在化することによって拡散抑制が生じ、アレニウスプロットが上に凸の折れ曲がることが示された。一方、低温域では、量子トンネル効果の発現によって拡散障壁は減少に転じ、アレニウスプロットは下に凸の折れ曲がることが示された。異なる温度領域における量子効果の競合は、水素拡散の特異な同位体効果を明瞭に説明する。
尾方 成信*; 都留 智仁; 弓削 是貴*
ハイエントロピー合金; カクテル効果が生み出す多彩な新物性, p.107 - 158, 2020/05
多元素が等モル比で含まれ、準安定状態でありかつ結晶構造を有するハイエントロピー合金は、これまでの一般的な希薄合金にない特異な力学特性を示すことが知られており、それらを生かすことにより、優れた力学特性を有する構造材料が創製できるものと期待されている。特に、強度と延性の両立、低温や高温での優れた強度や変形特性、高い耐水素脆化特性や耐食性などに優れた構造材料の実現が期待されている。ハイエントロピー合金がもつ従来合金とは異なる特異な力学特性の根源は、多元素種が不規則に近い原子種配置をとっていることに起因しているのは間違いない。したがって、力学特性を根源から明らかにするためには、原子スケールにまで踏み込んで、原子構造を陽に扱うモデリングや計算機シミュレーションが必要不可欠となる。本章では、原子モデルを基本とした力学特性のモデリングの方法について紹介する。
都留 智仁; 譯田 真人*; 鈴土 知明; 板倉 充洋; 尾方 成信*
Journal of Applied Physics, 127(2), p.025101_1 - 025101_9, 2020/01
被引用回数:8 パーセンタイル:34.47(Physics, Applied)体心立方格子(BCC)を有する金属内の合金元素は強化や軟化機構を発現し、その影響は温度や濃度に依存して、複雑に変化する。本研究では、タングステン合金を対象として、転位モデルの第一原理計算と固溶強化機構の理論モデルを組み合わせて合金元素の影響をユニバーサルに評価する方法を検討した。BCC金属では、転位運動はキンク機構に基づく熱活性化過程であるため、合金元素が活性化エネルギーに与える影響を直接計算し、温度と濃度および合金元素の種類に依存した力学特性を評価した。
都留 智仁; 板倉 充洋; 弓削 是貴*; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 久保 百司*; 尾方 成信*
Proceedings of 4th International Symposium on Atomistic and Multiscale Modeling of Mechanics and Multiphysics (ISAM-4) (Internet), p.59 - 62, 2019/08
ハイエントロピー合金(HEA)は結晶構造をもつ単相または多相の合金であり、主要な構成元素をもたず5種類またはそれ以上の等原子分率の組成を有している。このような状況では、変形挙動は従来の固溶強化機構では説明することができないため、変形の基礎的な機構はわかっていない。本研究では、第一原理計算を用いて体心立方(BCC)構造を有するHEA合金の転位挙動に関して検討を行った。クラスター展開に基づくSpecial quasirandom structures (SQS)を用いて、高濃度不規則固溶体を構築して、MoNbTaVWの組成を有する原子モデルに対して転位芯構造を導入した。第一原理計算の結果、局所的な変位が小さいMoNbTaVWでは、純BCC金属で見られる転位構造と同様の転位芯構造を有することがわかった。一方、その運動は純BCC金属と異なり、転位芯構造の化学的に無秩序さを反映して、Peierlsポテンシャル面が複雑に変化することがわかった。
君塚 肇*; 尾方 成信*; 志賀 基之
Physical Review B, 100(2), p.024104_1 - 024104_9, 2019/07
被引用回数:20 パーセンタイル:66.06(Materials Science, Multidisciplinary)結晶中の水素同位体の振る舞いは材料物理学における基本的なテーマである。広い温度範囲にわたる同位体拡散挙動は重要な知見だが、まだ完全な調査には至っていない。本研究では、電子と原子核の両方を量子力学的に扱った最先端の第一原理計算を行い、面心立方Pd金属中の水素同位体拡散係数の温度依存性を調べたところ、逆S型形状のアレニウスプロットを示すことがわかった。この異常な振る舞いは、温度・質量依存性の異なる核量子効果が競合することに起因する。その結果、80-400Kの限られた温度範囲で、三重水素(H)が軽水素(
H)よりも速く拡散するという特性につながる。このメカニズムは、高温および低温での実験でそれぞれ観察されている正・逆同位体効果間がクロスオーバーを示す理論的根拠となることがわかった。
Yang, P.-J.*; Li, Q.-J.*; 都留 智仁; 尾方 成信*; Zhang, J.-W.*; Sheng, H.-W.*; Shan, Z.-W.*; Sha, G.*; Han, W.-Z.*; Li, J.*; et al.
Acta Materialia, 168, p.331 - 342, 2019/04
被引用回数:83 パーセンタイル:96.81(Materials Science, Multidisciplinary)ニオブなどの体心立方構造をもつ金属材料は低濃度の酸素固溶によって脆化しやすいことが知られているが、酸素誘起の硬化や損傷の機構は明らかになっていない。我々は、実験、および第一原理計算と分子動力学計算を用いて詳細な機構を検討した。その結果、酸素の格子間原子はらせん転位と引力相互作用を生じ、それによって転位運動でクロスキンクが生成され、同時に多くの空孔が生成されることを明らかにした。これらの空孔はさらに酸素と転位の三体間の硬化によって転位の運動を阻害することで、著しい硬化を生じることを明らかにした。
君塚 肇*; 尾方 成信*; 志賀 基之
Physical Review B, 97(1), p.014102_1 - 014102_11, 2018/01
被引用回数:33 パーセンタイル:77.57(Materials Science, Multidisciplinary)パラジウム(Pd)中の水素(H)の高い拡散性のメカニズムを理解するため、有限歪み下における電子と核の両方の量子性を考慮した第一原理シミュレーションに基づいて、面心立方晶PdにおけるHの格子間拡散プロセスを研究した。その結果、八面体サイトの核量子効果のために、温度の低下とともに水素移動の活性化障壁が大幅に増加することが明らかになった。しかしながら、拡大した格子歪みのもとでは、四面体サイトがより安定化し、核量子効果はあまり顕著にならなかった。これは、歪みが増加するにつれて、拡散機構が量子的拡散から古典的拡散へ徐々に変化することを意味する。
譯田 真人*; 都留 智仁; 香山 正憲*; 尾崎 泰助*; 澤田 英明*; 板倉 充洋; 尾方 成信*
Acta Materialia, 131, p.445 - 456, 2017/06
被引用回数:37 パーセンタイル:81.52(Materials Science, Multidisciplinary)多くの合金元素が転位芯と強い相互作用を示す一方、SiやPやCuなどのいくつかの元素では転位のパイエルスポテンシャルを低下させる。本研究では第一原理計算を用いて、"Easy-core"転位構造とそれらの合金元素が積層欠陥エネルギー表面の変化と強く相関があることを示した。さらに、相互作用エネルギーを用いて希薄合金の臨界分解せん断応力を推定し、実験とよく一致することを示した。
清水 大志; 尾方 成信*; Li, J.*
Materials Transactions, 48(11), p.2923 - 2927, 2007/11
被引用回数:1025 パーセンタイル:99.98(Materials Science, Multidisciplinary)ほとんどの金属ガラス(BMG)において、約2%の単軸歪によりせん断帯が形成される。本論文では、この現象の臨界条件が萌芽的せん断帯(ESB)の進展により、生成にはよらないという理論を提案する。ESBが進展するためには、遠方にて加えられたせん断応力
が、疎外化された糊領域の温度が摩擦加熱によってガラス転移温度
に達するまでの間、準定常摩擦
を越えていなければならない。
の大きさは、原子振動と同程度のタイムスケールを持つ極めて高速な散逸プロセスに支配されることから、分子動力学(MD)シミュレーションによって追跡することが可能である。そこでわれわれは4種類のモデル、すなわち2元素のレナードジョーンズ(LJ)モデル系及び埋め込み原子法(EAM)ポテンシャル、5元素のEAMポテンシャルについてのMDシミュレーションを実施した。その結果、原子配置構造及び原子間相互作用が大きく異なるにもかかわらず、
からは
の予測として2.1
2.9%の範囲の値が得られた。さらに、LJモデル系についての大規模MDシミュレーションはESBがせん断変形領域(STZ)が合体したものであるということを明らかにした。すなわち、
の条件下では、温度が
に向かって上昇し、ESBが発展するのに対し、
の条件下ではESBは進展せず、最終的には消散する。
清水 大志; 尾方 成信*; 君塚 肇*; 叶野 琢磨; Li, J.*; 蕪木 英雄
Journal of the Earth Simulator, 7, p.17 - 21, 2007/06
Predicting atomistic properties of a dislocation is a first step toward an understanding of plastic behavior of materials, in particular BCC metals. The core structure and Peierls stress of a screw dislocation in BCC metals have been studied over the years using the first-principles and empirical methods, however, their conclusions vary due to the inefficiency of the methods. We have executed first-principles calculations based on the density functional method, employing the most accurate 11
20 k-point samplings, to determine the core structure and Peierls stress of the
/2[111] screw dislocation of molybdenum. We have concluded that the core has a 6-fold structure, and determined the Peierls stress of 1.8 GPa for the simple shear strain along the (
10)
111
direction.
清水 大志; 尾方 成信*; Li, J.*
Acta Materialia, 54(16), p.4293 - 4298, 2006/09
被引用回数:233 パーセンタイル:99.12(Materials Science, Multidisciplinary)ほとんどの金属ガラス(BMG)においては、約2%の単軸歪によりせん断帯が形成される。本論文では、この現象の臨界条件が萌芽的せん断帯(ESB)の進展に依存し、生成にはよらないという理論を提案する。ESBが進展するためには、各原子が疎外化された糊状領域が摩擦加熱によってガラス転移温度
に達するまで、遠方のせん断応力
が準定常状態の摩擦力
を越えていなければならない。その時点で、ESBはせん断き裂的なものにまで成熟する。この成熟に必要な長さのスケール
はZrベースのBMGについて
10
nmと見積もることができるが、これ以下のサイズではせん断変形の局所化は起こらない。疎外化領域におけるせん断変形局所化への抵抗は極めて高速な(すなわち原子振動と同程度のタイムスケールを持つような)散逸プロセスによることから、分子動力学(MD)シミュレーションによって追跡することが可能である。われわれは2元素のレナードジョーンズモデル系や埋め込み原子法(EAM)ポテンシャル,5元素のEAMポテンシャルによるMDシミュレーションを実施し、
の予測として2.1
2.9%という範囲の値を得た。
尾方 成信*; 清水 大志; Li, J.*; 譯田 真人*; 渋谷 陽二*
Intermetallics, 14(8-9), p.1033 - 1037, 2006/08
被引用回数:122 パーセンタイル:96.85(Chemistry, Physical)CuZr
金属ガラス(Bulk Metallic Glass: BMG)のモデルシステムを用い、せん断変形の分子動力学シミュレーションを実施した。計算の結果、静水圧的及びせん断平面に垂直方向の応力の両方がせん断応答に影響を及ぼすことが確認された。せん断の局所化及びせん断帯の生成の現象は、小規模システム(原子数2,000)及び大規模システム(同524,288)の両方に見られた。
都留 智仁; 鈴土 知明; 譯田 真人*; 尾方 成信*; Daryl, C.*
no journal, ,
タングステン合金は高融点、高熱伝導特性を有し核融合炉の構造材料の候補として考えられている。タングステンは中性子照射によってReやOsなどの5d金属へ核変換されるため、それらの核変換生成物の材料特性への影響の理解が不可欠である。本研究では、機械特性に着目し塑性変形の基礎となる転位運動とReやOsとの相互作用を第一原理計算によって求めるとともに、オロワンモデルに基づく転位運動の基礎理論と組み合わせることによって、温度や不純物濃度に対する降伏応力への影響を評価した。
都留 智仁; 鈴土 知明; 譯田 真人*; 尾方 成信*; Daryl, C.*
no journal, ,
タングステンは中性子照射によってReやOsなどの5d金属へ核変換されるため、それらの核変換生成物の材料特性への影響の理解が不可欠である。本研究では、機械特性に着目し塑性変形の基礎となる転位運動とReやOsとの相互作用を第一原理計算によって求めるとともに、理論モデルを用いて温度や不純物濃度に対する降伏応力への影響を評価する。さらに他の5d元素との比較することで転位運動に及ぼす影響を電子の結合状態に基づき評価する。
都留 智仁; 鈴土 知明; 譯田 真人*; 尾方 成信*
no journal, ,
BCC金属における転位運動の合金元素の影響としてW合金を例に考え、第一原理計算を用いてWの核変換生成物としてReやOs元素の照射欠陥挙動への影響を評価する。転位運動への影響に対してオロワンモデルに基づく転位運動の基礎理論を適用し、希薄合金に対する温度や不純物濃度に対する降伏応力への影響を評価した。ハイエントロピー合金ではこのような希薄合金の取扱いはできないため、Special Quasi-Random Structureによる転位芯構造を構築し、機械特性の評価方法を検討する。
都留 智仁; 鈴土 知明; 板倉 充洋; 譯田 真人*; 尾方 成信*
no journal, ,
BCC合金の変形は、温度と合金元素の濃度に強く依存して変化することが知られており、Cottrellによる格子間原子の転位への固着によるという従来の説や、温度への依存性を転位運動の摩擦力によって説明するConradの説など、古くから多くの研究が行われてきた。しかし、BCC合金における軟化現象などのメカニズムは従来の機構によって説明することが困難である。BCC金属では、転位運動はキンク機構に基づく熱活性化過程であるため、合金元素が活性化エネルギーに与える影響を直接計算し、温度と濃度および合金元素の種類に依存した力学特性を評価した。また、有限温度の転位運動のダイナミクスを直接解析する手法を構築し、合金元素の影響を包括的に議論する。
都留 智仁; 弓削 是貴*; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 久保 百司*; 尾方 成信*
no journal, ,
ハイエントロピー合金(HEA)は、5元素またはそれ以上の成分が等原子分率で混合した結晶構造を持つ合金として定義される。HEAでは、特異な変形機構によって、強化の促進や強度と延性の両立などの優れた機能の創出が期待されている。しかし、局所的な原子変位などの影響により強度が向上することなどが分かっているが、詳細な機構は明らかになっていない。本研究では、とりわけ高い強度を示すことが知られているBCC構造を持つHEAを対象として、2種類のHEAについて、第一原理計算を用いて転位構造に関する特徴について検討を行った。MoNbTaVWとZrNbTaTiHfを対象として、第一原理計算によって転位芯構造を評価した結果、局所所変位の小さなMoNbTaVWでは純BCC金属の転位芯と同様に、転位芯近傍の3つの原子が転位のBurgersベクトルをほぼ均一に持つことが確認される。一方、ZrNbTaTiHfでは、各原子の局所変位により、転位構造は転位芯近傍の元素の影響を受けて位置によって大きく変化することがわかった。