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Fletcher, J. K.
PNC TN9410 97-065, 25 Pages, 1997/07
位置r、単位方向ベクトルの中性子束を(r, )と定義すると、多群輸送方程式は次式で表される。ただし、t(r)、はそれぞれ、全断面積、方向1 からへの散乱断面積、生成断面積を表し、また、は臨界係数を、(r,)は外部中性子源を表す。そして、この方程式を次の球面調和関数展開を用いて解く。ここで、(cos )はオーダーのルジャンドル陪関数で、とはそれぞれ方向の仰角及び方位角を表す。NはPN近似の次数を表す。三角関数の多項式である球面調和関数の直交性と漸化式を用いることにより、展開係数とに関する1階の微分方程式が導かれる。が奇数の項を消去することにより、拡散方程式の場合に用いられるような通常の有限差分法により解くことの可能な、2次の微分方程式が導かれる。メッシュ誤差低減は、その記述式の高次の差分項を保持したまま、2次式を用いて数値的に近似することにより行われる。当手法の採用により、メッシュ誤差は大幅に減少され、他の手法、特にモンテカルロ法により得られたものに匹敵する結果を直接計算することが可能となった。
Fletcher, J. K.
PNC TN9410 96-277, 93 Pages, 1996/10
中性子拡散方程式において、中心メッシュ有限差分近似を用いた場合の、固有値のメッシュ依存性を研究した成果を報告する。直交座標系における有限メッシュの、固有値に対するエラーkは下式として導出されたが、これは従来経験的に用いてきたメッシュサイズの2乗則を定量的に表現している。ここで、ijkと*ijkは各々ボリュームVijkをもつ領域ijkでの中性子束と髄伴中性子束である。Vf, s及びrは各々、中性子生成、散乱及び除去断面積であり、x, y及びzにおけるメッシュサイズはi, j及びkで表している。W(m)は外側境界におけるメッシュの平行成分方向を表す。permは、全ての境界が含まれるように添字を交換する意味である。Dl+-1/2mnは境界での拡散係数であり、+-はメッシュ点からの正負方向を表す。同様の表式は、三角メッシュと六角メッシュ形状についても導出できた。本報告の後半では、この定式化により、拡散理論でのメッシュサイズ誤差が非常に低減する方法を示す。ここではメッシュ点での中性子束を含む高次微分近似が、2次エラーを低減したソース項の生成のために用いられた。このアプローチはXYZと三角-Z形状に適用され、テストコードによる検証の結果、ほぼゼロメッシュサイズと同等の値が得られることが判明した。
Fletcher, J. K.
PNC TN9410 95-354, 23 Pages, 1995/12
高速炉の炉心解析に用いているモンテカルロコードVIMおよびMVPの入力データを生成するための前処理コードMCDATを開発した。モンテカルロ解析において、炉心の幾何学形状及び組成情報を詳細なモデルで入力するためには、非常に複雑でまた大量の入力データを作成する必要があり、また、コードが準備している基本形状ツールから実際の複雑な炉心形状用の入力を作成するためには、組合せ幾何学とブール代数の知識を必要とする。多くの炉心解析者はこのような手順には慣れておらず、また知識があったにしても、その入力作成作業には時間がかかり、誤りも起こりやすかった。今回開発した前処理コードMCDATは、炉心の幾何学形状データと材料組成データのみを入力として、VIMコードとMVPコードの入力データ生成に必要な理論操作を全て自動的に実行するものである。このため、解析モデルの詳細化や、編集のための新しい領域の定義などを非常に簡単に行うことができる。また、MCDATの入力はフリーフォーマットであるため、解析者が入力フォーマットの誤りなどに神経を使う必要が無くなった。MCDATコードに必要な入力情報は、幾何学形状と材料組成のみであるため、実際にモンテカルロコードに入力するのと比べると、そのデータ量は非常に少ない。例えば、MCDATに200行のデータを入力することにより、VIMコードを用いて仏国のMASURCA臨界実験炉心の解析を行うために必要な3,000行の入力ファイルを自動的に生成できる。なお、従来の炉心解析で使用されてきたVIMコード用と最近公開されたMVPコードへの入力データ作成をキーワードひとつで切り替えられるようにしたことも、今回のMCDATコードの特徴となっている。