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堀 富栄*; 土屋 佳則*; 舩橋 達; 秋光 正子*; 下条 豊; 白石 浩*; 中川 康昭*
J. Magn. Magn. Mater., 177-181, p.1425 - 1426, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:36.70(Materials Science, Multidisciplinary)MMnGe(M=Co,Fe)合金はhp13型構造をとる。遷移元素層はGe原子層と充分離れている。高温での帯磁率はCurie-Weiss則に従い、TnはCurie温度とほぼ一致する。この物質について磁気構造を調べるため、JRR-3Mに設置の高分解能粉末中性子回折装置(HRPD)による中性子散乱実験を行った。この測定により2つの遷移元素位置のうち、T(1)サイトはMnが大部分を占め、T(2)サイトはFe,またはCoと余剰のMuが配置しているという結果が得られた。x=4の試料の磁気構造はc軸方向に格子定数の2倍の周期をもつことが判明した。遷移元素層面内で、磁気モーメントは強磁性的に配列しており、Ge層をはさむ遷移元素層同志は互いに反強磁性的に配列している。Mn又はFe原子の磁気モーメントはT(1),T(2)サイトでそれぞれ1.3と0.9であり、方向はc軸からわずかにずれている。
白鳥 紀一*; 石井 慶信; 森井 幸生; 舩橋 達; 柳瀬 章*
Journal de Physique, IV, 7(1), p.585 - 586, 1997/00
マグネタイト(FeO)の相転移モデルは70年前に初めてフェルベイにより提案されて以来、数多くの研究が進められて来たものの、この相転移メカニズムについては未だ決着を見ていない。本論文は、良質なFeO単結晶を製作し、中性子散乱によりFeOの相転移温度より数度C高い、いわゆる高温相での散漫散乱強度を広い逆格子空間にわたって測定し、FeOの相転移は電子と格子の相互作用、即ち、ポーラロンと密接に関係していることを示した。
林 眞琴*; 石渡 雅幸*; 皆川 宣明; 舩橋 達
材料, 44(507), p.1464 - 1469, 1995/12
中性子回折法による残留応力測定の応用として発電プラントの小口径配管に使用されているソケット継手の溶接ルート部の残留応力を中性子回折法により測定すると共に、ひずみ取り焼鈍による残留応力の緩和挙動を評価した。
大沼 正人*; 鈴木 淳市; 舩橋 達; 石垣 徹*; 桑野 寿*; 浜口 由和*
Mater. Trans. JIM, 36(7), p.918 - 923, 1995/07
被引用回数:7 パーセンタイル:52.41(Materials Science, Multidisciplinary)磁場中でFe-Cu-Nb-Si-B微結晶合金の中性子小角散乱実験を行った。磁気散乱はI(q)~qの依存性を示し局所磁化がBCC-Feグレイン内で不均質であることが明らかとなった。一方、核散乱はOrnstein-Zernike則に従うようなq依存性を示し、大きな組成揺らぎの存在が確認された。この組成揺らぎは、Nbあるいは、Cuが未添加の試料では観測されないことから、微結晶構造は組成揺らぎと密接な関係があることが示された。
藤井 博信*; 宮崎 靖之*; 多々見 貢朗*; H.Sun*; 森井 幸生; 赤山 稔*; 舩橋 達
J. Magn. Magn. Mater., 140-144, p.1089 - 1090, 1995/00
被引用回数:9 パーセンタイル:52.10(Materials Science, Multidisciplinary)NdFeCoTiを窒化すると、NdFeCoTiNの組成の時磁気的な性質が最も良くなり、飽和磁化Ms=1.48テスラ、異方性磁場Ha=7テスラ(共に室温で)であり、キュリー温度Tc=860である。窒素組成が1.0を越えるとC軸方向の周期性が失われた結晶構造へと変化する。この原因は窒素が結晶格子の2bサイトに50%の割合で侵入するにとどまり、他の位置への侵入も同時に行っているためと考えられる。2bサイトにより多くの窒素を侵入させることが、この物質の磁気的性質を向上させる上で重要だと考えられる。
川口 正美*; 木村 吉延*; 棚橋 徹*; 竹岡 淳*; 加藤 忠哉*; 鈴木 淳市; 舩橋 達
Langmuir, 11, p.563 - 567, 1995/00
被引用回数:36 パーセンタイル:82.48(Chemistry, Multidisciplinary)中性子小角散乱とレオロジー的な測定により高分子溶液中のシリカサスペンションの構造を観測した。メチルセルロースの吸着はシリカ粒子をクラスター状に凝集させるが、自己相似的な構造にはならなかった。また、剪断変形率は高分子の濃度、シリカの種類により大きく変化することが示された。
和泉 義信*; 鈴木 淳市; 片野 進; 舩橋 達
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.724 - 726, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:36.63(Physics, Condensed Matter)中性子散乱によりアタクチックポリスチレン/二硫化炭素系のゲル化を調べた。架橋構造からの散乱がゲル状態で観察されたが、この構造は結晶性の高い秩序状態にあることが明らかとなった。しかし、ゲル化低温近傍では秩序性が減少し、また、この秩序構造は試料作成温度にも大きく依存し、ソフトであることが示された。
宮崎 譲*; 山根 久典*; 梶谷 剛*; 森井 幸生; 舩橋 達; 平井 敏雄*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.94 - 96, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Condensed Matter)炭酸基を含んだ酸化銅(CaCu)(SrCa)(YCaSr)CuOについて中性子粉末回折実験を行い、精密構造解析を行った。半導体であるこの物質には酸素欠損や炭酸基欠損がない。一方高圧酸素下で熱処理した物質は(CC)(SrCa)(YCaSr)CuOで欠損が生じていると共に50Kに超伝導転移温度を持つことが判明した。また格子定数は母材より若干変化して、a=3.831、b=3.8501、C=11.1144となることを観測した。熱処理により生じた炭酸基の欠損やいわゆる頂点酸素位置に酸素が導入されることによりホールが生じているものと考えられる。
片野 進; 松本 武彦*; 舩橋 達; 飯田 潤二*; 田中 翠*; J.W.Cable*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.218 - 220, 1995/00
被引用回数:8 パーセンタイル:48.92(Physics, Condensed Matter)化学量論組成のYFeO粉末試料の結晶構造と磁性を室温と225K、80Kで調べた。結晶構造に関して、室温のデータは六方晶R(-)3で、又、225Kのデータは三斜晶P(-)1で解析することができた。しかし80Kのデータは、三斜晶系でも全く解析できず、より複雑な構造であることが示唆される。一方、磁気散乱強度は偏極中性子解析法によって、結晶構造による散乱と分離して求めた。磁気構造も非常に複雑で、簡単な指数では解析することができなかった。
小池 洋二*; 小林 淳史*; 竹内 修一*; 片野 進; 舩橋 達; 梶谷 剛*; 藤原 明比古*; 加藤 雅恒*; 野地 尚*; 斎藤 好民*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.84 - 86, 1995/00
被引用回数:9 パーセンタイル:52.10(Physics, Condensed Matter)この系が観測されるx~0.115付近での超伝導抑制の原因を明らかにする目的で、高分解能中性子粉末回折と熱電能の実験を行った。この結果、x~0.115付近でCuO面の菱形歪みが最大になること、さらにこれとともに熱電能の温度依存性に見られる異常も大きくなることがわかった。このことは、CuO面の歪みと相関をもって電子状態が大きく変化し、超伝導が抑制されることを明確に示している。
大沼 正人*; 鈴木 淳市; 舩橋 達; 石垣 徹*; 桑野 寿*; 浜口 由和*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.582 - 584, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:45.17(Physics, Condensed Matter)Fe-Cu-Nb-Si-B微結晶合金はアモルファス状態と較べて、透磁率などの磁気特性が優れているために、磁性材料として注目されている。この磁気特性向上には合金中の結晶化が大きく寄与していることが明らかとなってきたがミクロな立場からその機構を解明するために、中性子小角散乱の実験を行った。その結果、Nb、Cu添加元素の存在が微結晶化のために重要であり、組成揺らぎを誘導すること、その結果として局所磁化の揺らぎが出現することが明らかとなった。
森井 幸生; H.Sun*; 藤井 博信*; 宮崎 靖之*; 赤山 稔*; 舩橋 達
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.291 - 293, 1995/00
被引用回数:3 パーセンタイル:25.64(Physics, Condensed Matter)有力な永久磁石材料の候補であるYFeMoとYFeMoの窒化物について中性子回折実験を行った。その結果結晶構造は母材と同じThMn構造(空間群I4/mmm)をとり、Moはその8iサイトを主に占有し、少数は8fサイトにも位置すること、Nはほぼ100%2bサイトを占有すること、磁気モーメントの大きさはこれまで得られている磁化の大きさと整合する値であることが判明した。NdFeCoTiNについての同様の実験からTiは8iサイトに入るが、Coは8jと8fサイトに入ること、Nは2bサイトに入るものの50%しか占有できないことが判明した。磁化測定等から推論すると、2bサイトに多くのNを侵入させることが、特性の良い磁石材料を得る方法だと思われる。
片野 進; 鬼頭 聖*; 秋光 純*; 白鳥 紀一*; 舩橋 達; H.R.Child*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.212 - 214, 1995/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.70(Physics, Condensed Matter)ErFeOの(hhl)面内の回折パターンを温度の関数として測定し、この系の二次元フェリ磁性と鉄の電荷秩序状態を明らかにした。磁化容易軸に印加した磁場は、磁気的散乱強度を大きく減少させた。さらにこの面内回折パターンの詳細な検討の結果、最近提出されたこの系のスピンと電荷の秩序構造モデルは再検討を要することがわかった。
S.Purwanto*; 大橋 正義*; 小野寺 秀也*; 森井 幸生; 舩橋 達; 山内 宏*; 山口 泰男*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.318 - 320, 1995/00
被引用回数:3 パーセンタイル:25.64(Physics, Condensed Matter)高分解能中性子粉末回折法により、TbMnGeは4KTTt=95.3Kでフェリ磁性をTtT414Kで反強磁性を示すことが判明した。またTbMnSiでは、54.3KT64.5Kではこれより低温の相、高温の相、長周期構造構の共存状態にあることが判明した。この二つの物質の磁気秩序温度が高いことを考慮すると、Tb-Tb間の交換相互作用が大きすぎて、DyMnGeで観測されたTbモーメントがフラストレーション状態にある交換相互作用競合状態を作り出すことができないでいると示唆される。Tbの一部をYで置換した系についての実験から磁気秩序温度はより低温へと減少しており、交換相互作用競合状態が実現している可能性がある。
菅家 康*; 泉 富士夫*; 森井 幸生; 秋葉 悦男*; 舩橋 達; 加藤 克夫*; 磯部 光正*; 室町 英治*; 内田 吉茂*
Journal of Solid State Chemistry, 112, p.429 - 437, 1994/00
被引用回数:33 パーセンタイル:82.24(Chemistry, Inorganic & Nuclear)中性子及びX線回折実験によって、強磁性NaVOは冷却するにつれて六方晶系(P6/mmc)から六方晶(P6mc)へ、さらに斜方晶系(Cmc2)へと2次の相転移を2度起こすことが判明した。第一番目の相転移は245Kでの磁気転移を伴っていると考えられ、第二の相転移はこの物質のキュリー温度(64.2K)より低温の35Kから40Kの間で起こる。
小林 雅道*; 吉岡 俊典*; 小笹 健仁*; 田代 孝二*; 鈴木 淳市; 舩橋 達; 和泉 義信*
Macromolecules, 27(6), p.1349 - 1354, 1994/00
被引用回数:44 パーセンタイル:85.20(Polymer Science)幾つかの有機溶媒中に分散したシンジオタクチックポリスチレンの物理ゲルの分子凝集構造を中性子小角散乱により観測した。散乱曲線はフラクタル構造からの理論曲線によりフィッティングされ、相関長、フラクタル次元が決定された。散乱曲線は、溶媒により大きな変化を示し、クロロホルム中性子のゲル構造はオルトジクロロベンゼンやカーボンテトラクロライド中の構造と異なることが明らかとなった。これはクロロホルム中では高分子のTTGG構造の存在が他の溶媒中と比較してはるかに少ないことを意味する。
小林 淳史*; 小池 洋二*; 片野 進; 舩橋 達; 梶谷 剛*; 川口 勉*; 加藤 雅恒*; 野地 尚*; 齋藤 好民*
Physica B; Condensed Matter, 194-196, p.1945 - 1946, 1994/00
被引用回数:6 パーセンタイル:44.46(Physics, Condensed Matter)LaNdSrCuOの低温正方晶相(TLT相)におけるCuO面の変形を中性子回折実験により調べた。この結果、斜方晶的変形はx=0.115で最大になることが明らかになった。これは超電導転移温度Tがこのx=0.115で最低になることとよく対応している。従ってTLT相での超電導の抑制は構造相転移の転移温度の高さ自体よりも、CuO面の変形の大きさに依存していると結論できる。
盛 一也*; 川口 恭寛*; 石垣 徹*; 片野 進; 舩橋 達; 濱口 由和*
Physica C, 219, p.176 - 182, 1994/00
被引用回数:30 パーセンタイル:83.97(Physics, Applied)表題の物質RBaCuOの(Rは希土類元素)結晶構造と超電導転移温度(Tc)を、中性子回折、X線回折と電気抵抗測定により調べた。TcはRサイトのイオン半径の大きさに比例して変化し、最高のTcはR=Erの84Kであった。中性子回折の結晶構造解析から、Tcの変化はR元素置換による、局所的な構造変化によるものであることがわかった。さらに、YBaCuOの圧力効果のTcと構造との関係を比較することにより、CuO面のCuとOの距離の変化がCuO面のホール濃度即ちTcに強く影響していることが明らかになった。これにより、YBaCuOの圧力効果に対しても、新たな知見を得ることができた。
大嶋 江利子*; 菊地 昌枝*; 泉 富士夫*; 平賀 賢二*; 奥 健夫*; 中島 理*; 大西 直之*; 森井 幸生; 舩橋 達; 庄野 安彦*
Physica C, 221, p.261 - 268, 1994/00
被引用回数:19 パーセンタイル:74.25(Physics, Applied)TlSrCuOyの結晶構造解析を中性子回折データのリートベルト解析を主に、電子線回折および電子顕微鏡観測も併用して実施した。その結果CuO面のa軸方向に酸素欠損が生じており、それがb軸方向の超格子の形成と整合していることが判明した。銅は八面体配位とc軸を含む平面四配位を交互にとり、それに従って、頂点酸素の位置はc軸方向に大きく変動していることが明らかとなった。中性子回折から求まった結晶構造パラメータを使ったコンピュータシミュレーションによって電子顕微鏡写真が再生できた。
片野 進; 毛利 信男*; 上田 寛*; Fernandez-Baca, J. A.*; 舩橋 達
Physica C, 235-240, p.837 - 838, 1994/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Applied)(La,Ba)CuOの系がBa濃度0.125付近で示す結晶構造と超電導の異常について調べるために、中性子回折実験と帯磁率の測定を行なった。圧力下の実験では、高温正方晶(HTT)から低温斜方晶(LTO)への相転移温度、さらに低温での低温正方晶(LTT)への相転移温度は共に減少した。特にLTTは圧力に対して不安定で、0.6GPaの圧力下で消失した。一方超電導転移温度Tcは、この圧力下での構造相転移と対応して急激に上昇した。8GPaまでの実験はTcがLTT、LTO、HTTの順に高くなることを示した。これらの結果は、構造相転移と超電導の明らかな相関を示している。Baを一部Srで置換した系でも、構造相転移と超電導の相関が見られる。詳細な構造解析により、ボンド長の変化などの構造上の特徴を明らかにして、結晶構造と超電導との相関を議論する。