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藤田 玲子*; 中村 等*; 近藤 成仁*; 宇都宮 一博*
JNC TJ8420 2000-004, 41 Pages, 2000/03
乾式再処理技術の研究開発を進める際には、ウランやプルトニウム等を用いた試験の終了後に発生する使用済塩廃棄物を安全に保管することが重要である。そこで本研究では、乾式再処理試験で使用した塩廃棄物を安定に保管・管理する方法を検討するため、現状の塩廃棄物の保管・管理方法について調査した。溶融塩電解試験に使用した塩廃棄物を保管している研究機関に対する調査から、塩廃棄物は、ポリエチレン製ビニールで二重に包み、ビニールの口をビニールテープで封止して密封に近い状態にしたものをゴムパッキン付のドラム缶に装荷して保管していることがわかった。一方、模擬塩廃棄物を用いた保管試験から、温度および湿度は特にコントロールせず、外気とほぼ同じ状態にしても、多重シール性が確保できれば、塩廃棄物の長期保管ができる可能性のあることがわかった。なお、塩廃棄物が水分と接触すると吸湿し液体となる可能性があることを考慮し、あらかじめ高分子吸湿材を入れておくことが重要である。
藤田 玲子*; 八幡 秀胤*; 近藤 成仁*; 宇都宮 一博*
JNC TJ8400 2000-066, 45 Pages, 2000/03
乾式再処理技術は、より経済性の高い再処理技術の候補技術として有望である。乾式再処理技術のうち、米国アルゴンヌ国立研究所で先行して研究開発が行われている金属燃料リサイクル技術を我が国が進めている酸化物燃料リサイクルに適用するためには、酸化物燃料を金属に還元する必要がある。そこで本研究では、乾式再処理で用いられる前処理法としてボロキシデーションを想定し、還元材として金属リチウム(Li)を用いた酸化ウラン(UO)の還元条件に係わる調査を行い、その調査結果に基づき還元試験を行った。還元条件に関する調査に基づき還元試験を実施した。その結果、1)溶融塩中の酸化リチウム濃度の時間変化から、本試験条件では酸化物の全量還元に必要な時間は4時間程度と推測されること、2)溶融塩中からの生成物の回収用のSUS304製メッシュが破損していたことから、より酸化の進んだ燃料では還元時の反応熱が大きいと予想されること、3)還元生成物中の金属ウラン量から評価される還元率が60%程度と低いことから、分析の前処理段階で金属ウランが酸化されている可能性があることが明らかとなった。今後、溶融塩中で反応熱による高温にも耐えられる材料や還元生成物中の金属ウランの定量方法等を検討することが重要である。