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古谷 一幸; 北村 和憲*; 三浦 秀徳*; 伊藤 裕*; 倉沢 利昌; 黒田 敏公*; 戸上 郁英*; 佐藤 聡; 秦野 歳久; 高津 英幸; et al.
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 1, p.256 - 259, 1996/00
核融合実験炉における遮蔽ブランケットは熱機械挙動及び製作性、保守性、初期組立等の問題を統括的に考慮して設計開発を進めている。ブランケットは後壁と分離可能で接続には十分な機械的強度が得られるよう溶接により接続される。また第一壁は信頼性が高く実績のあるHIP法により製作される。熱機械解析結果より熱応力及び冷却水圧力により発生する応力は設計値を十分に満足する。また電磁力及び構造解析結果より第一壁を電気的に接続する必要の無い可能性を有していることが明らかとなった。ブランケットと後壁との間に設置された母管から冷却水を取り込む枝管の溶接/切断は管内アクセスにより行いブランケットの交換は炉内遠隔機器により行う。またブランケット据付時間の短縮及び最適な調整を目的としてブランケット及び後壁の初期組立を進めている。
佐藤 聡; 高津 英幸; 橋本 俊行*; 倉沢 利昌; 古谷 一幸; 戸上 郁秀*; 大崎 敏雄*; 黒田 敏公*
Journal of Nuclear Materials, 233-237(PT.B), p.940 - 944, 1996/00
被引用回数:34 パーセンタイル:92(Materials Science, Multidisciplinary)核融合実験炉ブランケット第一壁は、拡散接合の一種であるHIP接合を用いて、DSCuとSUS316及びSUS316同士を接合することによって製作される。HIP接合により製作した試験片を用いた各種の機械強度試験(引張試験、衝撃試験、疲労試験、かたさ試験、クリープ試験)及び金相観察を行い、HIP接合面に関する機械特性データの取得を行った。その結果、本試験で用いたHIP条件(温度1050C、圧力150MPa、保持時間2時間)により製作されたDSCu/SUS316及びSUS316/SUS316のHIP接合材料は、健全であることが判った。但し高温条件での試験においては、DSCu/SUS316のHIP接合材料の強度特性が若干低下しており、今後は更に強度データを蓄積することにより、DSCu/SUS316のHIP接合材料の健全性に関するより精度の高い評価を行う必要がある。
古谷 一幸; 橋本 俊行*; 佐藤 聡; 黒田 敏公*; 中村 孝紀*; 倉沢 利昌; 喜多村 和憲*; 高津 英幸
JAERI-Tech 95-045, 53 Pages, 1995/09
ブランケット(BL)の非正常時(LOFA、LOCA、PEC)における構造健全性の確認の為の熱応力解析を行った。その結果、1)第一壁(FW)、シールド、FWとシールドのLOFA/LOCAにおいてBL各部位が400Cに達する時間はそれぞれBeの18秒、中央リブの90秒、Beの17秒。2)FW、シールドのLOFA/LOCAにおいてBLが3Smを満足する最高温度はそれぞれCuの280C、中央リブの170C。3)FWのLOFA/LOCA時ではFW温度及び応力の過度な上昇を防ぐ為にプラズマを停止する必要がある。4)FW、シールドのLOFAとLOCAの比較ではどちらの場合も応力、変位量に大きな差は無い。5)1.8GWまでのPECの影響は問題無い。LOFA-Loss of Flow Accident(冷却材流動停止事故) LOCA-Loss of Coolant Accident(冷却材損失事故) PEC-Power Excursion Condition(過出力状態)
中平 昌隆; 倉沢 利昌; 佐藤 聡; 古谷 一幸; 戸上 郁英*; 橋本 俊行*; 黒田 敏公*; 高津 英幸
JAERI-Tech 95-035, 20 Pages, 1995/07
水冷却およびヘリウム冷却ブランケットを対象として、ITER工学試験で使用する代表的テストモジュールの構造概念および設計パラメータの検討を行った。ここでは、BOT(Breeder Out of Tube)型のブランケットを例として示した。また、本テストモジュールのテストポートへの設置概念についても検討した。この際の炉本体との取り合いに関しては、上記と異なるブランケット概念に対しても本検討との大きな差異は生じない。関連系統としては、主として冷却系およびナトリウム回収系について検討した。試験結果の精度を維持するため、また他のポートに設置されるであろうテストモジュールとは冷却およびトリチウム回収条件が異なることが予想され、これらはそれぞれ独立設置されることが望ましく、ここでは各系統の機器構成および設置スペースについて示した。
古谷 一幸; 倉沢 利昌; 佐藤 聡; 中平 昌隆; 戸上 郁英*; 橋本 俊行*; 黒田 敏公*; 高津 英幸
JAERI-Tech 95-031, 19 Pages, 1995/05
ITERにおける互換性のあるブランケットの候補概念として以下の4つを検討している。(1)増殖材/増倍材分離層状型(2)増殖材/増倍材分離BIT型(3)増殖材/増倍材分離BOT型(4)増殖材/増倍材混合BOT型。これらはすべて増殖材としてセラミクッス及び増倍材としてベリリウムをいずれも小球状ペブルとして使用する。いずれのブランケットもBPPではベリリウムのみ充填して遮蔽性能を確保してEPPに望んで増殖材ペブルを追加充填してトリチウム増殖を行う。ブランケット容器への増殖材の充填方法としては湿式が高充填率及び均一充填率を得るという点で期待できる。一次元核解析の結果ではBOT法が遮蔽及び増殖性能に優れているが最終的にはブランケットの特性との整合及び製作性の点から詳細な検討を行って決定する必要がある。
倉沢 利昌; 佐藤 聡; 古谷 一幸; 中平 昌隆; 戸上 郁英*; 橋本 俊行*; 黒田 敏公*; 高津 英幸
JAERI-Tech 95-021, 25 Pages, 1995/03
核融合実験炉及び原型炉用ブランケットを対象としたITERでの工学試験計画について検討した。ブランケットとしては、従来より日本において検討されてきた水冷却及びヘリウム冷却のセラミックス増殖ブランケットを取り上げ、各ブランケットの原型炉における設計例を示すと共に、ITERでの試験項目、試験仕様、試験手順等についてまとめた。試験は初期の基本性能段階から実施するものとし、ニュートロニクス試験、性能確証試験、信頼性試験、セグメント試験を拡張性能段階にかけて順次行うものとした。同じくITER自身の燃料トリチウムを生産するドライバーブランケットについても試験の必要性および項目を提案した。
佐藤 聡; 高津 英幸; 倉沢 利昌; 橋本 俊行*; 小泉 興一; 喜多村 和憲*; 伊藤 裕*; 小沢 義弘*; 多田 栄介; 中平 昌隆; et al.
JAERI-Tech 95-019, 129 Pages, 1995/03
本レポートは、国際共同設計チームとの密接な協力の下に、1994年の1年間に日本ホームチームが行った、ITER遮蔽ブランケット/第一壁の概念設計活動の成果を纏めたものである。本設計作業は、国際共同設計チームと日本ホームチームとの間で結ばれたITER1994年設計作業契約に基づいてなされた。高い表面熱流速、高い中性子壁負荷及びディスラプション時の電磁力の下で信頼性の高い遮蔽ブランケット/第一壁の設計を実現すると共に、信頼性の高い組立保守性を達成するために、本設計では、分離第一壁、モジュール構造を有する遮蔽ブランケット、分離後壁から成る層状構造の遮蔽ブランケットを提案した。本報告では、構造設計の概要、製作性や保守性の検討、及び熱機械、電磁構造解析の結果を報告する。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.15(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 橋本 俊行*; 河村 弘; 黒田 敏公*; 常松 俊秀; 関 昌弘
Fusion Technology 1994, Vol.2, 0, p.1233 - 1236, 1995/00
原研で行っている核融合実験炉のための固体増殖材方式ブランケットの設計とR&Dの最近の成果をまとめた。固体増殖材ブランケットは、広範なR&Dベース、高い安全性、DEMO炉への適合性等から、実験炉の増殖ブランケットとしても魅力ある概念である。原研では、増殖材、増倍材共にペブル形状にして層状に配置した構造を提案してきており、詳細な核・熱・機械特性解析評価と製作性の検討を行うことにより設計を進めている。また、ペブル材料の特性評価、ペブル充填層の熱伝導特性評価、ブランケット構造体の製作性及びその機械特性評価等を進めた。本論文は、これら設計及びR&Dの最近2年間の進展をまとめる。
橋本 俊行*; 高津 英幸; 佐藤 聡; 倉沢 利昌; 森 清治*; 多田 栄介; 黒田 敏公*; 毛利 憲介*; 佐藤 瓊介*; 関 昌弘
JAERI-Tech 94-009, 70 Pages, 1994/07
ブランケット筐体構造は内部に増殖域、遮蔽域及び3系統の冷却系を持つ大型構造で、電磁力、内圧、プラズマからの熱流束及び放射線といった過酷な環境下で使用されることから構造物に複雑であるため、製作技術を確立する必要がある。第一壁の製作において、先進的製作手法であるHIPを実機大大型パネルに適用した場合、加工変形の増加が考えられる。ここでは筐体要素のHIP試作試験により加工変形の機構を検討し、大型パネルの製作精度向上のための知見を得た。また、HIPによる第一壁試作により、製作性に関する基礎データを収得した。遮蔽構造の製作では、溶接歪・残留応力を小さく抑えるための製作手順を確立し、製作時の全変形量が2mm以下であることを確認した。
佐藤 聡; 高津 英幸; 橋本 俊行*; 倉沢 利昌; 森 清治*; 多田 栄介; 秋場 真人; 黒田 敏公*; 毛利 憲介*; 佐藤 瓊介*
15th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering,Vol. 1, 0, p.259 - 262, 1994/00
ブランケット構造体は、高さ10mを越える大型構造体であり、分解保守のためモジュール構造が採用され、精度良く大型構造体を製造する技術が要求される。加えて、この構造体には、巨大な電磁力や中性子負荷、プラズマからの表面熱負荷が作用するため、第一壁は厚さ約15mmの構造にし、その内部に冷却配管を通す必要がある。従って第一壁パネルの製作においては、2枚の鋼板の間に角管を挟んで拡散接合(HIP処理)を行う先進的製作手法を採用した。本研究開発において、HIP接合やEBW等の先進的製作手法を用いてブランケット部分縮小モデルを試作し、これらの製作手法をブランケット構造体製作に適用した場合の溶接歪等のデータを取得し、ブランケット構造体の製作手法を確立した。またHIP処理を行う際に、矩形管を挟む平滑材の最適な形状を評価するために、第一壁パネルの部分モデルをHIP処理により試作した。
高津 英幸; 森 清治*; 吉田 浩; 橋本 俊行*; 倉沢 利昌; 小泉 興一; 榎枝 幹男; 佐藤 聡; 黒田 敏公*; 鈴木 達志*; et al.
Fusion Technology 1992, p.1504 - 1508, 1993/00
ITERのドライバー・ブランケットの第一オプションとして、概念設計段階に3つの固体増殖体ブランケット概念が選択された。本報告は、その内の一つとして、日本が中心となって提唱している「層状ペブル・ベッド型」ブランケットの設計についてとりまとめたものである。概念設計以降、更に詳細な核熱・構造解析を実施し、構造の簡素化、最適化を実施すると共に、CADを用いた構造図の展開を図り、製作性の観点からもチェックを行うことにより、現実的でありかつ信頼性の高いブランケット概念がまとめられた。
小林 武司*; 飯田 浩正; 阿部 忠*; 安達 潤一*; 相沢 雅夫; 海老沢 克之*; 藤井 政治*; 深谷 清; 福原 昌志*; 福原 由雄*; et al.
JAERI-M 87-219, 336 Pages, 1988/01
この報告書はIAEA主催のINTORワークショップ、フェーズIIA、パート3の日本の報告書の第VIII章(ブランケット/第一壁)に相当するものである。ここではトリチウム増殖ブランケット、第一壁、ダイバータ板、遮蔽体設計に係わる技術的重要検討課題の検討結果及びこれらに係わる新データベースについて述べてある。データベースとしてはセラミック増殖材、高熱負荷材、高熱負荷試験結果及び製作試験結果が含まれている。ブランケット概念の選定に当たっては幅広いスコーピング・スタディを実施し、その結果、優れたトリチウム増殖性能とトリチウム放出挙動よりLiOを増殖材とする概念を標準案に採用した。第一壁に関しては、弾塑性破壊力学による寿命評価を行なうと共にアーマ無し概念とアーマ付き概念の構造検討を行なった。現在の不確かなディスラプション条件を考慮して修理交換が容易な部分的保護リミッタを第一案として提案した。ダイバータ板アーマ材は優れた熱衝撃特性と低スパッタリング特性よりタングステンを採用した。遮蔽検討としては鋼材及びタングステンについて内側遮蔽層を出来るだけ薄くするための最適化の検討を行なった。
倉沢 利昌; 渡辺 斉; Roth, E.*; D.Volloth*
Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.544 - 548, 1988/00
被引用回数:38 パーセンタイル:94.18(Materials Science, Multidisciplinary)VOMスイープガスキャプセルを使った照射下トリチウム放出実験はJRR-2を使ってここ数年間継続しておこなわれている。今回のVOM-23H実験はトリチウム増殖材試料相互交換の国際協力実験となったため、仏のCEN/サクレー研よりLiAlO,西独/カールスルーエ研よりLiSiOを受入れ、JRR-2で5サイクルの照射をおこなった。 今実験ではトリチウム放出挙動の照射温度依存性およびスイープガス中添加水素同位体濃度依存性を重点に調べた。特に後者の影響は甚大であり、トリチウム放出が照射試料の表面での吸着脱離の影響を強く受けることを示唆している。 そこでこれまでの拡散のみによって支配されるモデルから表面の効果も取り入れたモデルに改良して、本実験のデータを解析した。 またリチウムアルミネートとシリケートのトリチウム放出挙動をこれまでの酸化リチウムのデータと比較し、検討した。
倉沢 利昌; 竹下 英文; 吉田 浩; 渡辺 斉
JAERI-M 86-152, 81 Pages, 1986/10
照射下でのトリウム放出挙動はトリチウム増殖材の性能試験として重要であり、現在世界各国で同試験が行なわれている。本VOM-21H試験では酸化リチウムからのトリチウム放出特性を純ヘリウムガス及び重水素を1000Vppmまで添加したスイ-プガスを用いてスイ-プガス組成依存性及び温度依存性を調べた。本試験で得られた実験結果はこれまでの結果と比べ精度良く信頼できるが まだ再現性などに問題が残っていると思われる。また、トリチウム放出は完全に拡散支配であると言えず、照射試験表面におけるトリチウムの吸着、脱離等の表面現象に依存する面が大きく、これを良く把握する事が必要である。今後トリチウム放出に関する機構及びモデル研究が進んだ後に もう一度解析を試みる事が必要である。
竹下 英文; 吉田 浩; 倉沢 利昌; 松井 智明; 渡辺 斉
JAERI-M 86-130, 20 Pages, 1986/09
本報告書は、酸化リチウムを用いて行なわれた照射下トリチウム放出試験(VOM-21M)のうち、水素同位体分離ガスクロによる放出トリチウムの同位体組成の測定結果および解析結果について纏めたものである。VOM-2Mでのトリチウム生成速度は約300Ci/minであった。この生成速度は、約1ppmのスィ-プガス中トリチウム濃度(T或いはTOとして)に相当する。スィ-プガスへ添加する水素には重水素を用い、濃度としては、10,100及び1000ppmの3種類を選んだ。実験結果からスィ-プガスに添加した水素がトリチウム放出を促進するのは水素同位体交換反応によって放出トリチウムの水蒸気成分(TO)が水素ガス成分(DT)へ転換される為である事が分かった。添加水素濃度と水蒸気成分の水素ガス成分への転換率の関係は熱力学的に予測されるものの ほぼ一致していた。
倉沢 利昌; 竹下 英文; 吉田 浩; 相沢 雅夫; 大野 英雄; 三村 謙; 梅井 弘; 渡辺 斉
JAERI-M 86-129, 26 Pages, 1986/09
核融合炉工学の研究開発の上で、トリチウム増殖材からのトリチウム放出特性の研究は特に急がなければならない課題である。トリチウム放出挙動は実験系内の不純物水分や酸素量によって大きな影響を受ける事が明かになってきている。そのためトリチウム測定試験装置の性能が試験の成功・不成功を決める要因になる。従って、試験装置の設計方針および構成機器の選択が非常に重要である。本報告では、これまでの経験を踏まえて、トリチウム試験装置(2号機・3号機)を設計製作した時の設計方針、設計図面等の試料をまとめた。また、照射に先立って実施された研究炉管理部内キャプセル安全審査に準備した核熱評価、安全評価、安全対策の資料も併せて記述した。
馬場 信一; 遠藤 泰一; 染谷 博之; 倉沢 利昌; 田中 勲
JAERI-M 86-117, 78 Pages, 1986/08
本報告は、日本原子力研究所が開発研究を進めている高温ガス実験炉の制御棒被覆管材料と中性子吸収体とのキャプセル照射下両立性の予備評価及びキャプセルの設計について述べたものである。予備評価は三項目について行なった。:1)インコロイ800H合金と水酸化リチウムを添加した黒鉛炭化ホウ素混合粉末との間における同合金の侵食反応について調べた。2)インコロイ800H及びハステロイXRの両合金が黒鉛炭化ホウ素混合燒結体と反応後の室温短時間引張強度特性を測定すると共に、破壊モードなどについて調べた。3)インコロイ800H及びハステロイXRの両合金と黒鉛炭化ホウ素混合燒結体とが、実験炉の過渡条件の下(1050C1時間)では どのような挙動を示すのかを調べた。これらの試験の結果、水酸化リチウム添加によりインコロイ800H合金の侵食反応速度係数は加速される事が判明した。インコロイ800HおよびハレステロイXRの両合金の機械的性質への影響は、引張り強さと延性は両合金ともに反応温度850Cを越えた付近から低下したが、耐力については ほとんど影響が見られなかった。
倉沢 利昌; 渡辺 斉; Hollenberg, G. W.*; 石井 慶信; 西村 昭彦; 吉田 浩; 成瀬 雄二; 相沢 雅夫; 大野 英雄; 小西 哲之
Journal of Nuclear Materials, 141-143, p.265 - 270, 1986/00
被引用回数:34 パーセンタイル:93.68(Materials Science, Multidisciplinary)固体増殖材からのトリチウム放出は照射試料の置かれた環境やトリチウム測定装置の性能によって正確に測定できるかどうかが左右される。特にLiOの場合には前回実験のVOM-15Hの結果からもスイープガス中の水分濃度に強く影響されることがわかっている。したがってVOM-22Hでは装置の改良を行った。特にトリチウムの還元については固体電解質セルの採用により応答性をよくした特長をもつ。本実験では試料温度を変えた時のトリチウム放出の時間依存性を調べた。その結果低い温度ではトリチウム放出は拡散のみに支配されていることが明らかになった。一方、より高温で変化の早い場合には電離箱等による遅れ時間を補正してやることが必要であることがわかった。 LiOとLiAlOのトリチウム放出を比較した時、同じ大きさの結晶程度をもつ試料では約300C低い温度でLiOからのトリチウム放出がおこることが明らかになった。これはLiOがトリチウム増殖材として優秀であることを明確にしている。
大野 英雄; 小西 哲之; 長崎 正雅; 倉沢 利昌; 勝田 博司; 渡辺 斉; 松尾 徹*
Journal of Nuclear Materials, 132, p.222 - 230, 1985/00
被引用回数:18 パーセンタイル:87.02(Materials Science, Multidisciplinary)核融合用ブランケット材料の候補材料であるLiZrO焼結体の電気伝導度測定を行い、リチウムイオンの拡散機構の解明につとめた。水分濃度の極めて低い不活性ガス中においてLiZrOは安定であり、3つの拡散領域が存在し活性化エネルギーはそれぞれ103.2,52.1および37.4kJ/molであった。これらの活性化エネルギーは、核磁気共鳴法による格子-スピン緩和時間(T)の測定から求めた活性化エネルギーと良い一致を示した。水分濃度の高い高温状態においてLiZrOは分解し、LiZrO化合物となることが判明した。