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論文

Uncovering the characteristics of plastic-associated biofilm from the inland river system of Mongolia

Battulga, B.; Munkhbat, D.*; 松枝 誠; 安藤 麻里子; Oyuntsetseg, B.*; 小嵐 淳; 川東 正幸*

Environmental Pollution, 357, p.124427_1 - 124427_10, 2024/09

水生環境および陸上環境におけるプラスチック破片の発生とその特徴は、広範囲に研究されてきた。しかし、環境中のプラスチック関連バイオフィルムの特性と動的挙動に関する情報はまだ限られている。この研究では、モンゴルの内陸河川系からプラスチックサンプルを収集し、分析、同位体、熱重量分析技術を使用してプラスチックからバイオフィルムを抽出し、バイオフィルムの特性を明らかにした。抽出されたバイオフィルムから有機粒子と鉱物粒子の混合物が検出され、プラスチックが河川生態系の汚染物質を含む外因性物質のキャリアであることが明らかになった。熱重量分析により、バイオフィルムの約80wt%を占めるアルミノケイ酸塩と方解石を主成分とするミネラルが主に寄与していることが示された。本研究は、水生生態系における有機物および物質循環に対するプラスチック関連バイオフィルムの影響を解明するのに役立つ、バイオフィルムの特性および環境挙動に関する洞察を提供する。

論文

誘導結合プラズマ質量分析計を用いる放射性同位体の迅速分析と今後の展開

松枝 誠; 高貝 慶隆*

ぶんせき(インターネット), 2024(6), p.195 - 200, 2024/06

原子力発電所の廃止措置や研究活動、原子力事故等によって生じる放射性廃棄物等に含まれる放射性同位体(RI)の分析ニーズは増加の一途を辿っている。しかし、現行のRI分析には、煩雑かつ時間のかかる手法が多く、分析法の迅速化・簡便化・自動化を進めていく必要がある。本稿では、近年発展している誘導結合プラズマ質量分析計を中心としたRIの迅速分析法について、現在の技術、課題、そして今後の発展性について述べる。

論文

Extraction of gold nanoparticles based on temperature-dependent phase separation using zwitterionic 3-(nonyldimethylammonio)-propyl sulfate

中川 太一; 鈴木 怜花*; 松枝 誠; 寺島 元基; Hinze, W. L.*; 高貝 慶隆*

Solvent Extraction Research and Development, Japan, 31(2), p.49 - 56, 2024/00

The zwitterionic surfactant 3-(nonyldimethylammonio)-propyl sulfate (C$$_{9}$$-APSO$$_{4}$$) exhibits unique reversible temperature-dependent phase separation properties, which can be used for the extraction of water-miscible negatively charged gold nanoparticles (AuNPs) without any aggregation at high concentrations using only temperature change. This study investigated the extraction behaviors and properties of AuNPs transferred from the water phase to a small volume of the surfactant-rich phase. The AuNPs retained both their original shapes and sizes after temperature-dependent phase separation step. In addition, the concentration of AuNPs was enriched by a factor of 150 in the surfactant-rich phase without any changes in the sizes and shapes of AuNPs.

論文

用語解説「放射性廃棄物(Radioactive wastes)」

松枝 誠

知能と情報, 35(4), P. 88, 2023/11

放射性廃棄物とは、原子力産業、医療、研究開発などを通じて発生する放射性物質を含む廃棄物であり、放射性廃棄物の処理・処分は人類が抱える重要な課題の一つである。本解説では、放射性廃棄物の分類や処分の課題と現在の取り組みなどを述べた。

論文

DGA resinを用いたY分離法のヒト歯や海水魚骨中の$$^{90}$$Sr測定への適用

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 寺島 元基

KEK Proceedings 2023-2, p.155 - 160, 2023/11

本発表では、DGA resinを用いたY分離法のヒト歯や海水魚骨中の$$^{90}$$Sr測定への適用結果を報告する。

論文

Quantitative imaging of trace elements in solid samples by online isotope dilution laser ablation-inductively coupled plasma-mass spectrometry

柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*

Analyst, 148(18), p.4291 - 4299, 2023/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

固体表面の定量マッピングが可能なオンライン同位体希釈レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインLA-ICP-IDMS)を開発した。LAで生成された試料エアロゾルは、独自開発したサイクロン式スプレーチャンバーを介して、同位体濃縮液のミストとオンラインで混合され、ICP-MSへと導入される。その後、同位体比の計算などを通じて各スポットにおける定量イメージング像を作成した。モデル元素としてFeとSrを選択し、オンライン同位体希釈に基づく定量によって認証標準物質を定量したところ、認証値と定量値の結果は良好であった。本法を生体硬組織に適用し、電子プローブマイクロアナライザーのデータと比較した結果、鉄とSrのような微量元素の定量に有効であることを確認した。

論文

Tracking the behavior and characteristics of microplastics using a multi-analytical approach; A Case study in two contrasting coastal areas of Japan

Battulga, B.; 安藤 麻里子; 松枝 誠; 小嵐 淳

Environmental Science and Pollution Research, 30(31), p.77226 - 77237, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

過去十年間において、水圏環境のマイクロプラスチックの地球規模の調査は、科学的に幅広く関心が持たれている。本研究は、同位体分析及び示唆熱天秤-質量分析法を含む多次元分析を行い、環境中のマイクロプラスチックの挙動及び特性を明らかにしたものである。マイクロプラスチックサンプルは、日本の対照的な二つの沿岸域で採取した。採取したポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレンから成るマイクロプラスチックの$$delta$$$$^{13}$$C値は、-25.6‰$$sim$$-31.4‰、-23.4‰$$sim$$-30.9‰、-27.3‰$$sim$$-28.6‰であった。また、ポリエチレンとポリスチレンから成るマイクロプラスチックの熱分析において単段階吸熱反応が確認された。本研究により、マイクロプラスチックの劣化が水圏環境における挙動及び特性に重要な役割を担っていることが示唆された。

論文

Mass-spectrometric determination of iodine-129 using O$$_{2}$$-CO$$_{2}$$ mixed-gas reaction in inductively coupled plasma tandem quadrupole mass spectrometry

松枝 誠; 青木 譲; 小荒井 一真; 寺島 元基; 高貝 慶隆*

Analytical Sciences, 38(11), p.1371 - 1376, 2022/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:41.05(Chemistry, Analytical)

$$^{129}$$IのICP-MS分析はキセノン-129($$^{129}$$Xe)と過剰な安定同位体$$^{127}$$Iから発生する$$^{127}$$IH$$_{2}$$により妨害される。本研究では、ICP-MS/MS内のダイナミックリアクションセルにO$$_{2}$$+CO$$_{2}$$の混合ガスを導入することで、$$^{129}$$Iと干渉物質($$^{129}$$Xeと$$^{127}$$IH$$_{2}$$)を気相反応により分別した。その結果、(m/z129のバックグラウンドノイズ強度)/$$^{127}$$Iの比は4.6$$times$$10$$^{-10}$$となった。本法を用いて、100mg/L $$^{127}$$Iと10mBq/L $$^{129}$$Iを添加した雨水試料を分析し、9.8mBq $$^{129}$$Iの良好な定量値を得た。

論文

酸素,アンモニア混合ガス反応を用いたICP-MS/MSによる$$^{90}$$Sr分析法の開発

小荒井 一真; 松枝 誠; 寺島 元基

KEK Proceedings 2022-2, p.102 - 107, 2022/11

近年、ICP-MS法は$$^{90}$$Srの新たな分析手法として開発されているが、低濃度の$$^{90}$$Sr試料の分析に課題がある。本研究では、ICP-DRC-MS/MSと酸素,アンモニア混合ガス反応を組み合わせた$$^{90}$$Srの分析方法を開発し、開発した手法を土壌標準物質の$$^{90}$$Sr分析に適用できることを確認した。

論文

Performance evaluation of commercial scintillation cocktails for low-level tritium counting by high-capacity liquid scintillation counter

桑田 遥*; 田副 博文*; Kranrod, C.*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 松枝 誠; 平尾 茂一*; 赤田 尚史*

Radiation Protection Dosimetry, 198(13-15), p.1014 - 1018, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)

Low-background liquid scintillation counter is one of the popular measuring instruments used to investigate tritium radioactivity in environmental media. These instruments require the liquid sample and organic solvent to be mixed for tritium measurement. In the European Union, the registration, evaluation, authorization and restriction of chemicals regulation was established to control the use of chemical substances of very high concern. It is important to find continuously available alternative reagents. In this paper, a performance evaluation was conducted using four scintillation cocktails according to Japanese conventional procedure; although one of them, Gold Star LT$$^{2}$$, contains nonylphenol ethoxylate, it will continue to be available for research and development. From the evaluation results it was confirmed that Gold Star LT$$^{2}$$ would be a satisfactory alternative scintillator, which is similar performance of Ultima Gold LLT.

論文

Sensitivity enhancement in inductively coupled plasma mass spectrometry using nebulization methods via nitrogen mixed gas effect

柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*

Analytical Sciences, 38(8), p.1105 - 1114, 2022/08

本研究は超音波霧化と窒素混合ガス効果を組み合わせることで誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)の感度が向上することを実証したものである。本論文では市販のネブライザー(同軸ネブライザー、超音波ネブライザー)を用いて、ネブライザーガス中の窒素ガス濃度(0-5%)が63元素の感度に与える影響を示すとともに、各条件における検出限界を算出した。また、それぞれの感度、バックグラウンドノイズ強度、およびプラズマ内の3次元強度分布を比較することで、混合ガスプラズマと噴霧法の組み合わせによる感度向上効果への影響を明らかにした。

論文

Using CO$$_{2}$$ Reactions to Achieve Mass-spectrometric Discrimination in Simultaneous Plutonium-isotope Speciation with Inductively Coupled Plasma-Tandem Mass Spectrometry

松枝 誠; 川上 智彦*; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 飯島 和毅; 古川 真*; 高貝 慶隆*

Chemistry Letters, 51(7), p.678 - 682, 2022/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:63.27(Chemistry, Multidisciplinary)

誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いて、複雑な同位体干渉を受けることなく、様々なPu同位体を同時に同定するための新しい方法論を開発した。ICP-MS/MS及びDRC内でのCO$$_{2}$$ガス反応を用いて、Pu同位体分析($$^{239}$$Pu, $$^{240}$$Pu, $$^{241}$$Pu, $$^{242}$$Pu, $$^{244}$$Pu)におけるAm, Cm, Uなどの同重体干渉によるバックグラウンドノイズ強度を除去した。

論文

Online solid-phase extraction-inductively coupled plasma-quadrupole mass spectrometric quantification of $$^{90}$$Sr using $$^{88}$$Sr/$$^{86}$$Sr isotope dilution method

柳澤 華代*; 小田島 瑞樹*; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*

Talanta, 244, p.123442_1 - 123442_7, 2022/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:41.05(Chemistry, Analytical)

オンライン固相抽出(SPE)-ICP-QMSとSr-88/Sr-86比を用いた同位体希釈(ID)法の組合せにより、低濃度のSr-90定量を達成した。本法は放射性標準物質や検量線が不要でデータ取得もワンショットで行うことができる。また、同重体のZr-90などの有意な干渉が存在しても、Sr-90を15分以内で定量する。Sr-90の検出下限値は10mL注入で5.6Bq/Lであり、注入量を増やすとさらに改善する。

論文

硬組織試料中$$^{90}$$SrのICP-MS測定法の高感度化

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基

KEK Proceedings 2021-2, p.140 - 145, 2021/12

従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が$$^{90}$$Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる$$^{90}$$Srの定量が試みられている。土壌や水以外の$$^{90}$$Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の$$^{90}$$Sr分析方法を開発し、開発した手法をウシ骨に対して適用した。検出下限値19Bq/kgでウシ骨中$$^{90}$$Srを定量することが可能であり、実際の硬組織中の$$^{90}$$Srも定量することができた。

論文

Rapid analysis of $$^{90}$$Sr in cattle bone and tooth samples by inductively coupled plasma mass spectrometry

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 寺島 元基; 藤原 健壮; 木野 康志*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; et al.

Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 36(8), p.1678 - 1682, 2021/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:53.20(Chemistry, Analytical)

ウシの硬組織用の$$^{90}$$Sr分析法をICP-MS用いて開発した。0.1gの硬組織に対して、従来の放射能測定法より低い検出下限値で、11時間での分析を可能とした。そのため、ICP-MS法は微小な骨や歯試料を対象とした迅速かつ有効な分析手法となり得る。

論文

Online solid-phase extraction-inductively coupled plasma-quadrupole mass spectrometry with oxygen dynamic reaction for quantification of technetium-99

松枝 誠; 柳澤 華代*; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信; 北村 哲浩; 高貝 慶隆*

ACS Omega (Internet), 6(29), p.19281 - 19290, 2021/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:13.70(Chemistry, Multidisciplinary)

多段階分離を用いた干渉物質($$^{99}$$Ru及び$$^{98}$$Mo)の除去を利用した完全自動のオンライン固相抽出ICP-MS分析法を開発した。$$^{99}$$TcのICP-MS分析では試料中に大過剰に含まれるMo由来の同重体(MoH)が定量を阻害するが、本法は$$^{99}$$Tc/Mo = 1.5$$times$$10$$^{-13}$$のアバンダンス比を得ており、ICP-MSの適用範囲を拡張した。検出下限値は50 mL導入で9.3pg/L、測定時間は24分であった。

報告書

環境試料中ヨウ素-129のICP-MS分析に向けた固相抽出法の開発; 陰イオン交換樹脂および銀イオン担持樹脂の干渉元素除去特性の比較

青木 譲; 松枝 誠; 小荒井 一真; 寺島 元基; 藤原 健壮; 阿部 寛信

JAEA-Research 2021-002, 20 Pages, 2021/05

JAEA-Research-2021-002.pdf:2.75MB

環境試料中に極低濃度で存在する$$^{129}$$IをICP-MS法で高感度かつ迅速に分析するために、共存する干渉元素(Na, Mg, K, Ca, Mo, Cd, In)からIを分離する前処理として固相抽出法が広く利用されている。固相抽出樹脂として、既存のアミノ基を導入した陰イオン交換樹脂とともに、近年ではAg$$^{+}$$担持樹脂の利用が進められており、それぞれの樹脂の特性を踏まえて前処理法の最適化が必要となっている。本研究では、陰イオン交換樹脂であるDOWEX1-X8およびAG1-X8, Ag$$^{+}$$担持樹脂であるCLResinについて、干渉元素からのIの分離特性を比較し、環境試料中の$$^{129}$$IのICP-MS分析への適用性を調査した。吸着・溶出試験の結果、全ての固相抽出樹脂はIを定量的に吸着回収した。また、CLResinは干渉元素の除去性能が最も高く、Moを3.1%残存するものの、その他の干渉元素をICP-MSの検出下限値以下にまで除去した。しかし、$$^{129}$$Iと干渉元素との濃度比の考察から、CLResin処理後に残存するMo濃度は$$^{129}$$IのICP-MS測定になお干渉するレベルであったことから、CLResinからの溶出液を陽イオン交換樹脂(DOWEX50WX8)で処理したところ、溶出液中Moの98%以上が除去され、Moによる測定干渉を除去することができた。したがって、本研究の結果、干渉元素の除去にはCLResinが最適であり、また、CLResinとDOWEX50WX8を組み合わせた前処理法は、極低濃度(バックグラウンドレベル)の$$^{129}$$IのICP-MS分析を可能とする有力な手法となる可能性があることを提示している。

論文

福島第一原子力発電所事故を契機に進展する分析化学

松枝 誠; 高貝 慶隆*

ぶんせき, 2021(4), p.160 - 161, 2021/04

東京電力福島第一原子力発電所(1F)の事故から2021年で10年を迎えようとしている。1F事故直後は、日本分析化学会にも多くの課題が投げかけられ、多くの会員がそれぞれの専門分野や様々な立場で活動を行った経緯がある。これらの課題は、汚染水対策のような事故直後の喫緊の課題やトリチウム分離や高放射線環境下での分析のように10年を経た今でも中々解決に至らない中長期的な課題などに大別されるが、分析化学を始めとする多くの技術者・専門家がこの課題に今なお奮闘している。このミニファイルでは、分析化学の観点からこの10年間に構築されてきた計測技術を一部紹介する。

論文

生体内硬組織試料中$$^{90}$$SrのICP-MS測定に向けたSrレジンの適用性

小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 藤原 健壮; 寺島 元基; 北村 哲浩; 阿部 寛信

KEK Proceedings 2020-4, p.180 - 185, 2020/11

従来の放射能測定法は、緊急時の迅速な測定が困難な点や、大量の試料を短期間に測定できない点が$$^{90}$$Sr分析の課題である。放射能測定以外の手法として、ICP-MSによる$$^{90}$$Srの定量が試みられている。土壌や水以外の$$^{90}$$Srの重要な分析対象として骨等のCaを多く含む高マトリックス試料も挙げられる。本研究では、ICP-MSによる歯や骨といった硬組織の$$^{90}$$Sr分析への適用性を検討した。魚の骨試料を対象にカラムを用いて化学分離を行ったところ、カラムへの試料導入と2.6M硝酸での洗浄の段階で、安定Srは効率よく回収し、Ca, Feはほぼ全て除去できた。Mg, Baは完全に除去できなかったが、安定Srの濃度に比べ2桁以上低濃度であり、マトリックス効果は確認されなかった。もともと低濃度のZr, Ge, Seの除去の程度の見積もりが困難であったが、質量数90でのアバンダンス感度は確認されず、ICP-MSでの$$^{90}$$Sr測定時の干渉がないことがわかった。本手法は安定Srを効率よく回収しながらICP-MS測定の干渉元素を除去できるため、今後、硬組織中の$$^{90}$$SrをICP-MSで分析する際の化学分離法への適用が期待される。

論文

Sr吸着繊維の吸着性能の改善と簡易的な$$^{90}$$Sr分析の実現に向けた検討

堀田 拓摩; 浅井 志保*; 今田 未来; 松枝 誠; 半澤 有希子; 北辻 章浩

分析化学, 69(10/11), p.619 - 626, 2020/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

$$^{90}$$Sr分析の迅速な前処理分離を可能とするため、基材表層部へ吸着層を形成可能な放射線乳化グラフト重合法により、Sr吸着性を示す18-クラウン-6エーテル誘導体を担持したSr分離用吸着繊維を開発した。常温で液体のSr吸着分子を繊維表面に担持させることにより、前報で作製したSr分離材料と比較してSr吸着容量が大幅に向上した。このSr吸着繊維の平衡吸着容量は、同一のSr吸着分子を含浸する市販の粒子状のSr分離材料(Sr Resin)と比較しても遜色なかった。また、Sr吸着分子の本来の金属イオン選択性は維持されていた。この吸着繊維を用いた簡易的な$$^{90}$$Sr分析法を考案し、$$^{90}$$Srの吸着性能を評価したところ、Srの吸着操作から測定までを約1時間で完了することが可能であった。

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