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村上 昌史; 星野 譲; 中谷 隆良; 菅谷 敏克; 福村 信男*; 三田 敏男*; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2019-003, 50 Pages, 2019/06
試験研究用原子炉施設の解体廃棄物に対する共通的な放射能濃度評価方法の構築に向けて、立教大学のTRIGA-II型炉を対象として、アルミニウム合金, 炭素鋼, 遮蔽コンクリート及び黒鉛構造材中の放射化生成核種の放射能を、放射化学分析及び放射化計算により評価した。採取した構造材サンプルは放射化学分析及び構造材組成分析の両方に使用した。放射能を測定した核種はアルミニウム合金についてH, Co, Ni、炭素鋼についてH, Co, Ni, Eu、遮蔽コンクリートについてH, Co, Eu、黒鉛についてH, C, Co, Ni, Euであった。中性子束分布の計算にはDORTコード、誘導放射能の計算にはORIGEN-ARPコードを使用した。アルミニウム合金, 炭素鋼及び遮蔽コンクリートでは、概ね保守的かつよい精度で放射能濃度を評価できる見通しが得られた。一方で黒鉛では、材料組成分析では全ての元素が定量下限値未満であったにも拘らず、全測定核種の放射能分析値が得られた。
石川 眞; 池上 哲雄*; 三田 敏男*
Nuclear Science and Engineering, 178(3), p.335 - 349, 2014/11
被引用回数:4 パーセンタイル:30.65(Nuclear Science & Technology)OECD/NEAの国際炉物理ベンチマークプロジェクト(IRPhEP)の一環として、日米の共同研究として実施されたJUPITER計画の中から、9つのZPPR実験炉心が大型高速増殖炉物理を研究するためのベンチマークとして整備された。これらのベンチマーク炉心は、均質炉心及び非均質炉心、クリーン炉心及び工学模擬炉心、600-1,000MWe級の種々の炉心サイズ、様々な炉心核特性を含む非常に広範なものとなっている。最近、詳細な実験情報をオリジナル実験記録から新たに発掘して、これらを詳細に検討することにより、正確なベンチマークモデルと定量的な実験誤差評価を確立することに成功した。整備されたベンチマークは、ZPPR実験の重要な炉物理特性の本質を維持しながら、ベンチマークのユーザーが利用しやすいように、非均質セルモデル, 3次元炉心構造などについて不必要な煩雑さを避けている。さらに、このベンチマークでは、ZPPR実験炉心のas-built情報を完全な形で電子情報として含んでいるので、ユーザーが新たなベンチマークモデルを構築することも可能である。これらのZPPRベンチマークを最新手法で解析した結果、これらは炉物理解析手法の改良と核データの検証に有効であることが分かった。
三田 敏男*; 石川 眞
International Handbook of Evaluated Reactor Physics Benchmark Experiments (CD-ROM), 180 Pages, 2010/03
OECD/NEAが進めている国際炉物理ベンチマークプロジェクト(IRPhEP)の一環として、JUPITER実験データの内の均質炉心であるZPPR-10C(800MWe級制御棒フォロワ付き)の4種類の核特性パラメータ(臨界性,反応率分布,反応率比,制御棒価値)の評価を行った。この評価ではIPPhEPの評価方針に従って、ノミナル値だけでなく実験誤差や解析モデル誤差を含めて全面的に再評価を行った。また、すべての評価は炉物理ベンチマーク問題としてまとめられており、解析モデルや核データの検証への利用が可能である。
三田 敏男*; 石川 眞
International Handbook of Evaluated Reactor Physics Benchmark Experiments (CD-ROM), 233 Pages, 2010/03
OECD/NEAが進めている国際炉物理ベンチマークプロジェクト(IRPhEP)の一環として、JUPITER実験データの内の均質炉心であるZPPR-10B(650MWe級制御棒及び制御棒フォロワ付き)の5種類の核特性パラメータ(臨界性,反応率分布,反応率比,制御棒価値,Naボイド反応度)の評価を行った。この評価ではIPPhEPの評価方針に従って、ノミナル値だけでなく実験誤差や解析モデル誤差を含めて全面的に再評価を行った。また、すべての評価は炉物理ベンチマーク問題としてまとめられており、解析モデルや核データの検証への利用が可能である。
花木 洋*; 三田 敏男*; 大橋 正久*
JAEA-Review 2008-047, 266 Pages, 2008/10
「常陽」等の実機燃焼データを設計で有効に活用するためには、燃焼核特性に対する核データ感度係数を解析し、これを用いて炉定数調整を実施する方法が最も有力である。そこで本研究では平成4年から燃焼核特性に対する核データの感度係数を解析するシステムの整備を実施してきた。2年間のシステム整備の成果は次の通りである。(1)燃焼核特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備したことにより、実機燃焼データを用いた炉定数調整及び設計対象である大型炉の予測精度評価が可能となった。(2)直接計算との比較により、整備したシステムの妥当性を確認した。(注: 本報告書は1994年3月に発行された報告書(PNC TJ 9124 94-007 Vol.2)の翻訳である。)
三田 敏男; 山下 巧; 水野 朋保
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
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山下 巧; 三田 敏男; 水野 朋保
JNC TN9400 2005-039, 88 Pages, 2005/08
FBRサイクル実用化戦略調査研究(FS)においては、様々な冷却材を用いた高速増殖炉が検討されており、その候補の1つとして鉛ビスマス冷却炉の設計研究を実施している。本研究では最近の鉛ビスマス中の材料腐食の実験結果を反映して、平成15年度に実施した鉛ビスマス冷却中型炉の炉心・燃料の仕様を見直した。
三田 敏男; 岡野 靖; 永沼 正行; 水野 朋保
JNC TN9400 2005-035, 83 Pages, 2005/08
実用化戦略調査研究の一環として、「長期燃料無交換」と「高い受動的安全特性」の2点を主な着眼点として、高速炉特有の特性を活かした小型高速炉の設計研究を実施している。平成16年度は、魅力ある小型炉の追求の一環として、設計目標を特化した2概念を検討対象とした。すなわち、 地や離島での立地を想定してプラント寿命中燃料無交換とコンパクト化を目指す「長寿命追求型概念」と、炉心寿命は追求せずコンパクト化を目指す「経済性追求型概念」である。
山下 巧; 三田 敏男; 水野 朋保
JNC TN9400 2004-065, 93 Pages, 2004/11
FBRサイクル実用化戦略調査研究(FS)においては,様々な冷却材を用いた高速増殖炉が検討されており,その候補の1つとして鉛ビスマス冷却炉心燃料概念について設計研究を行ってきている。ここでは,平成13年度に実施した鉛ビスマス冷却中型炉の炉心・燃料設計に対して,DDI(ダクト(ラッパ管)間相互作用)を回避する観点から燃料仕様を見直し,FSフェーズII中間取り纏め(平成15年度)としての強制循環方式と自然循環方式の代表炉心を設計して,いずれもFSの設計目標を満たす見通しを得た。750MWe強制循環炉心(FC)と550MWe自然循環炉心(NC)の特性を比較した結果,FCを有望概念に選定した。FCの利点を以下にまとめる。(1)全炉心平均燃焼度(炉心+ブランケット)が大きい(FC:105GWd/t,NC:89GWd/t)。(2)装荷時核分裂性Pu重量が少ない(FC:5.8t/GWe,NC:8.0t/GWe)。(3)出力が大きくても炉心等価直径が小さい(FC:441cm,NC:464cm)。(4)NCは自然循環力の確保のため,炉容器軸長が長くなり耐震性の観点からは課題が多い。なお,本検討の代表炉心は炉心取出平均燃焼度の目標値(150GWd/t)を達成したが,被覆管の高速中性子照射量がODS鋼およびPNC-FMS鋼の開発目標の目安値(510 の28乗 n/cm2,E0.1MeV)を上回ることを許容した。これに対し,照射量を目安値以下とした照射量目標対応炉心は,炉心取出平均燃焼度がFCで129GWd/t,NCで146GWd/tとなった。さらに,MOX燃料および金属燃料と軽水炉回収TRU燃料の適用性を確認し,鉛ビスマス冷却炉炉心の柔軟性・多様性を示した。また,最近の鉛ビスマス中の被覆管腐食試験の知見では,現設計で用いた被覆管腐食評価式は非安全側で,かつ現状の制限目安の被覆管最高温度650度Cを570度Cまで下げて設計する必要の可能性が出てきている。現行腐食式を用いて被覆管最高温度を低下した場合の影響について予備解析を実施し,炉心特性への影響は小さいという結果を得た。
此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.
JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06
ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。
三田 敏男; 岡野 靖; 高木 直行; 永沼 正行; 宇都 成昭; 水野 朋保
JNC TN9400 2004-031, 154 Pages, 2004/06
実用化戦略調査研究の一環として小型高速炉の概念を検討しており、フェーズIIでは「長期燃料無交換」と「高い受動的安全特性」の2点を主な着眼点として、高速炉特有の特性を活かした小型高速炉の設計研究を実施している。平成15年度は、これまでの検討結果を踏まえて経済性の観点から有望な165MWe制御棒制御型のナトリウム強制循環冷却炉心を検討対象とした。本研究では、20年間燃料無交換運転と出口温度高温化(550C )を目指し、金属燃料のピン径を太径化(15mm以下)、炉心圧損低減(0.75kg/cm程度以下)、自己作動型炉停止機構(SASS)に頼らない受動的安全性を確保できる範囲内で冷却材ボイド反応度制限緩和による炉心径の縮小(3m以下)を設計条件として、冷却材ボイド反応度 6程度と 8程度の高温化炉心と高温小径化炉心を検討した。本概念として出力分布変動が少なく高増殖性能のポテンシャルの高いZr含有率3領域単一Pu富化度金属燃料炉心を検討して、20年間燃料無交換運転と出口温度高温化(550C)の達成の見通しを得た。高温化炉心と高温小径化炉心はブランケットを有さない炉心で、その性能は夫々、(1)炉心高さ/等価直径: 293cm/390cmと260cm/334cm、(2)取出平均燃焼度: 77GWd/tと80GWd/t、(3)燃焼反応度: 1.2% k/kk'と1.1%k/kk'、(4)増殖比:1.06と1.07であり、両炉心共に制御棒反応度収支、燃料健全性、遮へい性能を満たすことを確認した。また、燃焼による反応度変化が小さいため、制御棒の微調整を要しない長期運転の可能性についても検討した。なお、別途報告予定の安全解析の結果、高温化炉心はATWS時にSASSに頼らないで高温静定する見通しが示されたので、この炉心をフェーズII中間取り纏めの代表炉心に推奨した。更に、本検討のナトリウム冷却小型高速炉を対象として、超臨界圧炭酸ガスタービンによるFeher熱サイクルヘの適用性として熱サイクル4型を検討して、IHX必要伝熱面積が小さくBOP構成が単純な中間型熱サイクルが、単純ブレイトンサイクルで熱効率 33.4%ながら、最も有望であると判断した。
岡野 靖; 高木 直行; 三田 敏男; 水野 朋保
JNC TN9400 2004-027, 203 Pages, 2004/06
実用化戦略調査研究(以下、FS)では、被覆粒子型窒化物燃料を用いた「ヘリウムガス冷却高速炉」の炉心概念設計を進めている。被覆粒子燃料を二重円筒管内に充填し横方向流により直接冷却する横方向流冷却型概念、及び、固相ブロックに内蔵し縦方向流により間接冷却する縦方向流ブロック型概念について、高燃焼度化(炉心部取出燃焼度120GWd/t)を図りFS設計要求を満足する炉心概念を構築した。各炉心概念の特性・特徴は以下のとおりである。
藤村 幸治*; 三田 敏男*; 小川 隆*
JNC TJ9400 2001-015, 85 Pages, 2001/03
環境負荷低減の観点から原子炉の使用済み燃料中に含まれる放射性廃棄物、特に長寿命のTRU核種を高速炉で照射・核変換し、安定化、短寿命化をはかる研究開発が行われている。高速炉へのTRU装荷方法としては、全ての発電用高速炉燃料にTRUを薄く添加する方法と、TRU変換に特化した少数の専焼炉のみにTRUを多量に装荷する方法が考えられている。本研究では、実用化高速炉の炉心候補概念の明確化に資するため、TRU専焼炉に関する既存情報の調査、TRU専焼炉の核変換性能及び炉心核特性について標準的な発電用高速炉を用いた核変換方法との比較検討を行い、その得失について整理した。本研究の主要結果を以下に示す。1.TRU専焼炉に関する既存情報の整理公開文献に基づき、TRU専焼炉炉心概念及び高速炉を中心とした発電用原子炉を用いる核変換処理システムを調査し、核変換性能、炉心核特性、及び研究開発課題を整理した。・発電用高速炉の炉心燃料に5wt%程度のマイナーアクチニド(MA)を均質装荷する場合、炉心の核特性に大幅な影響を及ぼさず同出力規模の高速炉5基分程度から発生するMAを核変換できる見通しが得られている。・日本原子力研究所(原研)から提案されているMA専焼高速炉概念(He冷却)は、MA富化度を60wt%以上とした被覆粒子型窒化物燃料を用いてほぼMAのみで臨界を達成するもので100万kWe級軽水炉10数基分から発生するMAを核変換できる。・MAの可燃性吸収材燃料親核種としての核的な特長を活用して30年程度以上燃料無交換運転を達成する超長寿命炉心の概念が提案されている。・課題として、MA装荷に起因する反応度係数の正側への移行及びMA装荷燃料の中性子発生数・発熱量増大への設計、設備対策が挙げられる。2.TRU専焼炉の設定実用化戦略調査研究で検討されている発電用高速炉(ナトリウム冷却窒化物燃料大型炉心、3800MWt)の仕様に基づき、MA窒化物燃料を用いるナトリウム冷却TRU専焼炉大型炉心の仕様を設定し、核変換特性及び炉心核特性を評価した。MA組成は軽水炉使用済み燃料に含まれるものを想定した。MAの核変換量を最大化する観点よりMA富化度は原研の設計例で示されている60wt%とした。MAの大量装荷に起因する反応度係数の正側への移行を改善し、発電用高速炉にMAを5wt%富化した炉心と同程度のドップラー係数を確保
花木 洋*; 三田 敏男*
PNC TJ9124 97-002, 178 Pages, 1997/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、 JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。しかし、この1991年度版修正炉定数は、積分データとしてJUPITER実験のみを用いていること、燃焼核特性や温度核特性を扱っていないこと、基本ライブラリが1980年代前半に作成されたJENDL-2ベースであったこと、非弾性散乱マトリックスの調整を行っていないことなど、実証炉の基本設計のようなより高度な精度が要求される設計段階においては、最新の研究成果を反映して改良を施す必要があることが認識されている。そこで本研究では、1994年に公開された我が国の最新ライブラリであるJENDL-3.2を対象とし、動燃殿が所有されている「もんじゅ」炉物理試験データや「常陽」性能試験・運転特性データ、およびJUPITER以外にこれまでの炉物理研究で蓄積されてきたMOZARTやZPPR-2,3の臨界実験データまで積分データを拡張し、さらに燃焼核特性・温度核特性までその評価対象を広げて、予測精度及び信頼性を向上させることにより、実証炉の基本設計から許認可まで一貫して使用できる統合炉定数を作成することを目的としている。本年度の研究の成果は以下の通り。(1)ZPPR-2/-3の実験解析を行い、臨界性、反応率比、制御棒価値、ドップラー反応度のC/E値、実験誤差、解析誤差、相関係数等のデータを整理した。(2)SEFORの実験解析を行い、等温温度係数のC/E値、実験誤差、解析誤差、相関係数等のデータを整理した。温度係数は数少ない貴重なデータであり、これにより予測精度向上が期待される。(3)現在得られている実験情報を用いて、予備的な炉定数調整を行いその効果を確認するとともに、設定誤差の妥当性を検討して、次年度への改善点を抽出した。
花木 洋*; 瑞慶覧 篤*; 三田 敏男*
PNC TJ9124 96-007, 278 Pages, 1996/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。さらに「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、大型炉の燃焼核特性の設計予測精度を更に向上させるために、燃焼特性の感度係数を解析するシステムを整備し、大型炉設計体系においてその性能を確認した。燃焼核特性に加え、臨界実験と対比した場合のFBR実機の大きな特徴の一つ度核特性がある。その主要な因子であるドップラー反応度は、炉心の自己制御保証する核特性として非常に重要であり、ドップラー反応度の解析予測精度をすることが強く求められている。しかし、ドップラー反応度は他の核特性と異て、その予測精度が核断面積の自己遮蔽因子の評価に大きく依存するため、こで整備してきた設計精度評価システムでは扱うことができない。そこで本研究では、平成6年度に引き続き従来の設計精度評価システムを拡張ドップラー反応度をも扱えるように検討を行い、整備を終了した。
石川 眞*; 杉野 和輝*; 斎藤 正幸*; 佐藤 若英*; 衣鳩 憲一*; 三田 敏男*
PNC TN9410 95-214, 199 Pages, 1995/08
現在、大洗工学センター基盤技術開発部では、これまでに蓄積された量豊な炉物理研究の成果を集大成し、大型FBR炉心に有効に活用できるようにするための作業が進められている。本報告書は、この核設計基本データベース整備作業の一環として、JUPITER臨界実験解析の中で、特に臨界性に着目して、その炉物理的整合性を評価したものである。ここでは、単にJUPITERのC/E値が1.0に近いかどうかだけで妥当性を判断するのではなく、感度解析手法を全面的に使用して、実験解析結果が相互に矛盾がないかを定量的に検討し、また、核データライプラリの違いによる影響評価、JUPITERと異なる炉心であるFCAや「常陽」に対する解析や、JUPITER標準解析手法と全く異なるモンテ力ルロ解析手法との比較も行って、多様な観点から信頼性を高めることを基本方針とした。(1)JENDL-2ベースの70群基本炉定数セットJFS-3J2(89年版)と、3次元XYZ輸送計算相当の詳細解析手法を用いたJUPITER実験の臨界性のC/E値は、0.9930.999の範囲であり、全般的にやや過小評価である。また、均質・非均質の炉心型式に対する明らかなC/E値依存性が見られるが、感度解析の結果から判断してこの原因は主に、内部プランケットの存在とJFS-3・J2の核断面積誤差のためと考えられる。(2)炉心サイズの大小、CRP(Naチャンネル)の有無、制御棒の挿入・引抜、内部プランケットの有無など、炉心仕様の違いが臨界性に与える相対的変化については、最新の3次元XYZ輸送計算相当の詳細解析手法は、充分な予測精度をもつ。(3)JUPITER実験の臨界性の絶対値に対する解析誤差の評価値約0.3%kは、ZPPR-9炉心に対するモンテカルロ解析と最新解析手法による値がよく一致したことなどから、ほぼ妥当であると考えられる。(4)最新のJENDL-3.2ペース炉定数による解析値と、これまで標準として用いてきたJENDL-2ベース炉定数の結果はほぼ一致したが、核種毎の内訳分析により、非常に多くの核種反応の正負の寄与が、偶然に相殺した結果であることが判明した。従って、炉定数調整法などによる臨界実験データの反映がなければ、大型炉核設計の臨界性予測には相当の誤差が含まれる可能性がある。(5)FCA及び「常陽」の小型4炉心の臨界性解析結果とJU
花木 洋*; 三田 敏男*; 瑞慶覧 篤*
PNC TJ9124 95-005, 467 Pages, 1995/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、量要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した條正炉定数を関発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。さらに「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、大型炉の燃焼核特性の設計予測精度を更に向上させるために、燃焼特性の感度係数を解析するシステムを整備し、大型炉設計体系においてその性能を確認した。燃焼核特性に加え、臨界実験と対比した場合のFBR実機の大きな特徴の一つに温度核特性がある。その主要な因子であるトップラー反応度は、炉心の自己制御性を保証する核特性として非常に重要であリ、トツプラー反応度の解析予測精度を向上することが強く求められている。しかし、トップラー反応度は他の核特性と異なって、その予測精度が核断面積の自己遮蔽因子の評面に大きく依存するため、これまで整備してきた設計精度評価システムでは扱うことができない。そこで本研究では、従来の設計精度評価システムを拡張してドップラー反応度をも扱えるように検討を行った。本年度の研究の成果は以下の通り。(1)トップラー反応度に対する感度係数計算法を検討し、昨年度までに整備した感度係数解析コードシステムを拡張する形で整備を行った。(2)ドップラー反応度に最も重要なU238捕獲反応の自己遮蔽困子の温度勾配に対する不確かさ幅を予備的に評価し、炉定数調整に必要な共分散データの形式で整理した。(3)ZPPR-9炉心のトップラー反応度実験の実験誤差及び解析誤差を遮理した。(4)予備的な炉定数調整を行い、他の核特性に影響を与えることなく、トツプラー反応度のC/E値を改善できる見通しを得た。
花木 洋*; 三田 敏男*; 大橋 正久*
PNC TJ9124 94-007, 723 Pages, 1994/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。しかし大型炉の炉心設計において、反応率分布、制御棒価値等の静的核特性のみならず、燃焼反応度損失、増殖比といった燃焼特性の精度良い評価も重要である。そこで「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、燃焼核特性の設計予測精度を向上させることが考えられる。「常陽」等の実機燃焼データを設計で有効に活用するためには、燃焼核特性に対する核データの感度係数を解析し、これを用いて炉定数調整を実施する方法が最も有力である。また設計対象である大型炉の燃焼核特性の感度係数を評価すれば、その燃焼特性の設計精度を定量的に把握することも可能となる。そこで本研究では平成4年から燃焼核特性に対する核データの感度係数を解析するシステムの整備を実施してきた。平成4年度は「常陽」のデータを用いて予備的な炉定数調整を実施してその効果を確認した。本年度は、FBR大型炉設計に適用する観点から大型炉設計体系で燃焼核特性に対する感度解析システムの妥当性を検討した。2年間のシステム整備の成果は次の通りである。(1) 燃焼核特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備したことにより、実機燃焼データを用いた炉定数調整及び設計対象である大型炉の予測精度評価が可能となった。対象とする特性は、燃焼反応度損失、増殖比に加え原子数密度、実効増倍率、反応度価値、反応率比及び反応率分布について燃焼による変化を考慮できる。(2) 直接計算結果との比較により、整備したシステムの妥当性を確認した。
花木 洋*; 沢田 周作*; 三田 敏男*
PNC TJ9124 93-009, 334 Pages, 1993/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、ベイズの条件付確率推定法を基礎とする炉定数調整を実施することにより、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。しかし大型炉の炉心設計において、反応率分布、制御棒価値等の核特性のみならず、燃焼反応度損失、増殖比といった燃焼特性の精度良い評価も重要である。そこで本研究では、「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、燃焼核特性の設計予測精度を向上させることを目的として、燃焼特性の感度係数を解析するシステムを整備し、「常陽」燃焼データを用いた炉定数調整を実施して、燃焼核特性設計精度向上に対する効果を評価した。その成果は次の通りである。 1)FBR実機の燃焼特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備し、直接計算との比較によりシステムの妥当性を確認した。 2)燃焼特性を炉定数調整に適用しても、従来の核特性の設計精度にそれほど影響を与えることなく、燃焼核特性の設計精度を向上させることができることが明らかになった。
石川 真; 林 秀行*; 亀井 孝信*; 三田 敏男*; 河北 孝司*
動燃技報, (77), p.92 - 96, 1991/03
大型炉の炉心核設計精度の向上を図るため,JUPITER臨界実験解析結果に基づいて設計用の炉定数を修正する手法の研究を行っている。本報告では,炉定数調整法の原理を紹介し,炉心核設計手法として従来採用されてきたバイアス補正法との比較を行うとともに,炉定数調整による大型炉核設計手法の高度化研究の現状について述べる。