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口頭

NdB$$_4$$の中性子散乱による研究

目時 直人; 山内 宏樹; 松田 雅昌*; Fernandez Baca, J.*; 吉田 雅洋*; 吉澤 英樹*; 萩原 雅人*; 綿貫 竜太*

no journal, , 

NdB$$_4$$の磁気構造と$$f$$電子状態を報告し、逐次転移のメカニズムを提案する。II相では面内磁気モーメント$$m_{ab}$$を伴うAll-in All-out構造($$Gamma$$4)と、$$c$$軸モーメント$$m_c$$の反強磁性ダイマー構造($$Gamma$$10)が共存し、さらに低温のIII・IV相では$$m_c$$の長周期変調を伴う。ランダウ理論による解析から$$m_c$$$$m_{ab}$$の高次($$nleq6$$)の誘起秩序変数として表現され、多極子相互作用が示唆される。NdB$$_4$$$$f$$電子状態は基底状態($$J_Z$$=$$pm$$5/2)の3meV上に$$J_Z$$=$$pm$$7/2の第一励起が存在し、これらによる準四重項状態を使って(1)中間相は$$J_x$$の磁気秩序相、(2)低温相は$$J_z$$と電気四極子$$O_{zx}$$の結合相、という逐次転移のメカニズムが提案できる。

口頭

バーネット効果による角運動量補償点の直接観測

今井 正樹; 緒方 裕大; 中堂 博之; 小野 正雄; 針井 一哉; 松尾 衛*; 大沼 悠一; 前川 禎通; 齊藤 英治

no journal, , 

フェリ磁性体において副格子の磁化が打ち消しあい正味の磁化がゼロになる温度を磁気補償点と呼ぶ。これに対し副格子の$$g$$因子がそれぞれ異なる場合、副格子の角運動量が打ち消し合う角運動量補償点が別に存在する。この角運動量補償点では磁化反転の高速化が期待され、高速磁気デバイス材料としても興味がもたれている。われわれは角運動量と直接作用する外場である回転場(Barnett効果)を用いて希土類ガーネット磁性体の角運動量補償温度を直接観測することに成功した。

口頭

カーボン・ナノチューブワイヤによる負水素イオンビームのプロファイル測定

三浦 昭彦; 宮尾 智章*

no journal, , 

J-PARCリニアックでは、利用運転前に必要なビーム調整に、ビームプロファイルモニタを用いたビーム形状の測定を行っている。しかし、ビーム電流の増加につれて、従来の炭素繊維ワイヤでは、破断等による問題が増えてきた。そこで、高い電気伝導度を持ち、無酸素状態で3000$$^{circ}$$Cという熱的耐久性もあるカーボンナノチューブ(CNT)に着目した。直径100$$mu$$mのCNTワイヤによる3MeVの負水素イオンビームのビームプロファイル測定し、炭素繊維線と同等以上の信号利得があることを確認した。また、ビーム照射後の表面観察の結果、ワイヤに損傷が見られなかったことから、プロファイルモニタ用ワイヤとしてビーム調整に使用できる見込みを得た。

口頭

大強度線形加速器の縦方向観測に向けた非破壊型ビームプロファイルモニタの検討

守屋 克洋; 原田 寛之; 三浦 昭彦; 二ツ川 健太*

no journal, , 

大強度線形加速器では、ビーム位相幅(縦方向分布)を測定するためにバンチシェイプモニタ(BSM)を用いる。BSMはビーム通過位置にワイヤを挿入することでビームと同じ時間構造を持つ2次電子を生成し、高周波電場を用いて2次電子の縦方向分布を横方向分布に移すことでビーム位相幅を検出する。しかし、大強度ビームを測定する際、ワイヤがビームの熱負荷に耐え切れず断線する。そこでワイヤの代わりに、ビーム構造を持つ電子を非破壊に生成する残留ガスプロファイルモニタ(IPM)の技術に着目し、BSMとIPMを組み合わせた非破壊型縦方向ビームプロファイルモニタを考案した。

口頭

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける取り出しビームの高品質化と安定化

原田 寛之; Saha, P. K.; 田村 文彦; 明午 伸一郎

no journal, , 

大強度陽子加速器J-PARCにおける3GeVシンクロトロン(RCS)は、設計出力1MWの大強度陽子加速器である。このRCSで3GeVまで加速された陽子ビームは、リング内の8台のパルスキッカー電磁石で取り出しラインへ導かれ、物質生命科学実験施設や後段の加速器へ供給されている。しかしながら、この電磁石の電磁回路的なリンギングにより時間的な磁場変調を生じており、取り出しビームが5mm以上大きく変動していた。この変動は、中性子源標的の故障リスクの増大や後段加速器のビーム損失の増大を生じ、大きな課題であった。特別な短パルスビームと各電磁石のタイミングスキャンを行い、取り出しビームの位置変動特性を測定することで、この磁場変調を実測し把握した。それを用いて各電磁石の磁場変調を抑制する最適なタイミングを求め、適用することで装置の改造を行うことなく要求以上の1mm以下のビーム取り出し変動を実現した。さらにタイミングのずれを自動で測定し補正するシステムを導入し、安定化も実現した。本発表では、パルスキッカー電磁石で生じた課題を紹介し、ビームの実測データを用いた原因の特定や解析手法、補正手法とその結果などを報告する。

口頭

J-PARCリニアック及びRCSにおけるインターロック時におけるビームモニタデータの解析

林 直樹

no journal, , 

安定的な加速器の運転を継続するには、インターロック時のイベントを収集、分析することで、本質的な原因を明らかにし、その対処を行う必要がある。J-PARCリニアックでは、インターロック発報時の電流モニタ、ビームロスモニタの信号を記録し、そのパターンを分類し、個々の対策を検討中である。RCS(Rapid-Cycling Synchrotron)では、新しいBPM回路の導入により、インターロック発報時の電流モニタ、ビーム位置モニタの記録を目指しており、今後の展望について発表する。

口頭

J-PARC RCSにおける荷電変換薄膜からの二次粒子による放射化核種評価

吉本 政弘; 岡部 晃大; 原田 寛之; 金正 倫計; 加藤 新一*

no journal, , 

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では1MWの大強度陽子ビームを実現するために、荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。従来のセプタム・バンプ電磁石のみを使ったビーム多重入射方式に比べてセプタム境界面でのビーム損失はほとんど起こらないため、原理的には多重入射する回数に制限は存在しない。しかし、詳細な残留線量測定の結果、荷電変換フォイルの周辺に非常に強い残留線量があることが分かった。PHITSシミュレーションの結果は、この強い放射化の原因が荷電変換方式ビーム多重入射時に、入射ビーム及び周回ビームが荷電変換フォイルに衝突することで起こる核反応による2次粒子によって引き起こされていることを強く示唆していた。このことを明らかにするために、フォイルからの2次粒子計測が重要になってくる。しかし、RCSの入射部は様々な機器が配置されている複雑な系になっているため、純粋にフォイルからの2次粒子を実験的に観測することは困難である。そこで、100度ダンプラインに新たにフォイル導入装置を設置し、2次粒子計測に必要な単純な実験系を構築した。ここでは、2次粒子の直接計測と金属薄膜を用いた放射化法による計測の2種類を計画している。まずは金属薄膜による放射化法で2次粒子種及びエネルギー分布の同定に向けた検討についてPHITSコードを用いて行った。この放射化法の有効性に関する評価結果について詳細に報告する。

口頭

電子相関効果によるBa$$_{0.75}$$K$$_{0.25}$$Fe$$_{2}$$As$$_{2}$$の磁気励起バンドの繰り込み

村井 直樹; 梶本 亮一; 鈴木 雄大*; 中島 正道*; 池田 浩章*; 出田 真一郎*; 田中 清尚*

no journal, , 

鉄系超伝導体の発見以来、その磁性・超伝導を対象とした中性子散乱研究が盛んに行われてきた。今回我々はホールドープ型鉄系超伝導体Ba$$_{0.75}$$K$$_{0.25}$$Fe$$_{2}$$As$$_{2}$$の磁気励起の測定をJ-PARCチョッパー分光器「四季」にて行い、ブリルアンゾーン中心から境界までをカバーする磁気励起データを得た。得られた磁気励起の運動量・エネルギー方向の構造は、同一試料のARPES測定から決定されたバンド繰り込み因子を考慮することで、5軌道模型に 対する乱雑位相近似(RPA)により再現される。これらの結果は、電子相関効果としてしばしば現れる電子バンドの繰り込み効果が磁気励起においても現れることを意味する。講演では鉄系超伝導体の電子構造の情報がどのように磁気励起スペクトルに反映されるのかについて議論する。

口頭

大規模殻模型計算による$$^{128}$$Csのカイラルバンドの構造

宇都野 穣; 清水 則孝*; 本間 道雄*

no journal, , 

質量数130領域では、原子核変形が三軸非対称な四重極変形となることに伴い、様々な興味深い集団運動が出現すると考えられている。カイラルバンドはその一つであり、3つの角運動力ベクトルが右手系と左手系を構成することが可能な場合に、それらがエネルギー的に接近したバンド構造となって現れるものである。カイラルバンドは模型的仮定の強い計算では得られているものの、実験的にはカイラルバンドを特徴づける磁気双極子遷移の測定が容易でないことから存在がはっきりしているとはいえない。この研究では、模型的仮定の少ない殻模型計算により$$^{128}$$Csのカイラルバンドを計算した結果を報告する。計算から、カイラルバンドの特徴である磁気双極子遷移の強い選択性が得られ、微視的にもカイラルバンドの存在が確かめられたように考えられる。

口頭

Towards understanding the in-medium phi meson at finite momentum

Gubler, P.; Kim, H. J.*; Lee, S. H.*

no journal, , 

有限運動量を持つ核物質中のphiメソンの振る舞いについての最近の研究の進捗状況について報告する。J-PARCのE16実験との関連についても議論する。

口頭

$$K$$凝縮-ハイペロン物質共存相の状態方程式へのバリオン間普遍3体力の効果

武藤 巧*; 丸山 敏毅; 巽 敏隆*; 高塚 龍之*

no journal, , 

中性子星内部のような高密度物質中でのマルチストレンジネス物質の発現形態としてK中間子($$K$$)凝縮とハイペロン($$Y$$)物質の共存相の存否が中性子星の質量・半径の観測との整合性という視点から追究されてきた。$$K$$凝縮と$$Y$$混合の共存の結果、状態方程式が著しく軟化し、これまでの理論では重い中性子星の観測結果を説明できなかった。本講演では相対論的平均場によるバリオン($$B$$)間相互作用と$$K$$-$$B$$, $$K$$-$$K$$間の非線形カイラル相互作用とを結合した枠組みにバリオン間普遍3体力(UTBF)を取り入れ、状態方程式を調べる。具体的なUTBFとしては、玉垣によるstring junction modelに基づくクォーク閉じ込め機構に関した相互作用を$$Y$$混在物質に適用したものを用いる。その結果、あるパラメータで中性子星の最大質量が太陽質量の1.58倍にしかならなかったのが、UTBFを加えたることで太陽質量の2.16倍まで増加し、重い中性子星の観測事実と矛盾しない結果が得られることが分かった。

口頭

単結晶SmSの$$mu$$SR測定

伊藤 孝; 髭本 亘; 鈴木 博之*; 井村 敬一郎*; 佐藤 憲昭*

no journal, , 

SmSは0.1eV程度の小さなエネルギーギャップをもつ黒色の絶縁体であり、0.65GPa程度の圧力を印加することにより黄金色を呈する金属相へと転移することが知られている。これに加え、低温において数々の異常物性が観測されており、これらの発現において励起子が重要な役割を演じている可能性が指摘されている。我々はSmSにおける励起子の電子状態を明らかにするために、ミュオンスピン回転・緩和法による測定を行った。SmSに$$mu^+$$粒子を打ち込むと、電子を1つ捕らえて「浅いミュオニウム」と呼ばれる水素原子状の束縛状態を形成する。この浅いミュオニウムと励起子の有効ボーア半径および束縛エネルギーは共通のモデルにより近似的に記述できることから、ミュオニウムの電子状態を調べることにより励起子に関する知見を得ることができると期待される。測定の結果、常圧下におけるミュオニウムの有効ボーア半径は0.33nmであり、加圧によりこの値が増加傾向を示すことが明らかになった。励起子も同様の振る舞いを示すと考えられる。

口頭

中性子散乱で観るイオン液体と分子液体のダイナミクス

古府 麻衣子

no journal, , 

イオン液体とは、室温付近で液体状態をとる塩の総称であり、現在の液体科学分野で注目されている多機能性液体である。我々はイオン液体の階層構造とそのダイナミクスを明らかにするため、中性子散乱研究を行ってきた。$$Q=0.2-0.3{rm AA}^{-1}$$に現れる低$$Q$$ピークがnmスケールのドメイン構造(ナノ構造)に対応することを示すとともに、中性子スピンエコー法を用いてその緩和挙動を観測することに初めて成功した。さらに、我々は緩和挙動の陽・陰イオン依存性を調べ、イオン液体の運動を支配しているのは極性部分のクーロン力であることを明らかにした。講演では、最近行っている中性子散乱で観測する自己拡散運動の空間スケール依存性についての研究についても紹介する。

口頭

遂に実現したミューオンRF加速の展望

大谷 将士*; 近藤 恭弘; 北村 遼*; 中沢 雄河*; 須江 祐貴*; Bae, S.*; Choi, S.*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 河村 成肇*; et al.

no journal, , 

J-PARCミューオンg-2実験(E34)では世界初のミューオン加速によって低エミッタンスビームを実現し、先行実験で主要な系統誤差であったビーム由来の系統誤差を排除して世界最高精度測定を目指している。我々は今回、J-PARC MLFにおいて世界初のミューオン加速を実現した。本講演では、この加速試験成功を踏まえ、ミューオンリニアック全体と今後の展望について報告する。

口頭

RFQによるミューオン加速試験の結果

北村 遼*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; Bae, S.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; et al.

no journal, , 

J-PARC E34実験ではミューオンg-2/EDMの精密測定に向けて、ミューオン線形加速器の開発を進めている。初段加速器のRFQを用いたミューオンRF加速実証試験を2017年10月にJ-PARC MLFで実施した。運動エネルギー3MeVのミューオンビームは、金属薄膜標的に照射されることで負ミューオニウムイオン(Mu$$^{-}$$)となって冷却された後、静電加速収束器により5.6keVまで静電加速され、さらにRFQにより88.6keVまでRF加速される。加速Mu$$^{-}$$ビームは偏向電磁石による運動量選別を経てMCPで検出され、TOF測定により加速Mu$$^{-}$$の識別を行った。本講演では最新の実験結果について報告する。

口頭

スピンネマティック状態におけるマグノン対の伝播ダイナミクス

大西 弘明

no journal, , 

磁場中フラストレート強磁性鎖のスピンネマティック状態において、マグノン対がどのように伝播するのかを、時間依存密度行列繰り込み群を用いて解析した結果を報告する。マグノン対の流れによるスピン伝導・熱伝導のメカニズムを議論する。

口頭

放射線複雑DNA損傷を誘発する低エネルギー電子の役割; 動的モンテカルロ計算解析

甲斐 健師; 米谷 佳晃*; 横谷 明徳*

no journal, , 

放射線によるDNA損傷の研究は突然変異やがんが誘発され得る初期要因を知る上で重要である。近年、水和前電子が解離性電子移行により塩基損傷を誘発することが実験により明らかになった。従来のシミュレーション研究ではこの効果は考慮されておらず、低エネルギー電子による解離性電子移行を考慮した動的モンテカルロコードを開発した。このコードを用いた解析から、水和前電子がDNA損傷の複雑化に大きく寄与することを明らかにした。さらに、水和前電子によるDNA損傷の形成をより詳細に予測するため、動的モンテカルロコードと分子動力学法を組み合わせ、水和前電子の生成プロセスを解析する新しい計算手法の開発を行っている。本講演では、これらの計算手法開発の現状について報告する。

口頭

ウラン化合物強磁性体URh$$_6$$Ge$$_4$$のdHvA効果,2

芳賀 芳範; 松本 裕司*; 立岩 尚之; 山本 悦嗣; 仲村 愛*; 本多 史憲*; 青木 大*; 山上 浩志*

no journal, , 

六方晶URh$$_6$$Ge$$_4$$は一軸異方性を持つ強磁性体である。反転中心を持たない構造であり、強磁性状態での電子状態に興味が持たれる。dHvA信号を全角度領域で検出し、スピン分裂した多数のブランチが検出されている。参照物質としてのThRh$$_6$$Ge$$_4$$と比較し電子状態を議論する。

口頭

$$^{234m}$$Np核異性体の発見

鎌田 裕生*; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; 永目 諭一郎; 水飼 秋菜; 富塚 知博*; Andreyev, A. N.; 西尾 勝久; et al.

no journal, , 

$$^{234}$$Npにこれまで知られていない核異性体が存在することを初めて発見した。$$^{234m}$$Npは、原子力機構タンデム加速器を用いて合成された。短寿命核反応生成物をオンライン同位体分離装置ISOLで質量分離し、$$^{234m}$$Npの崩壊に伴って放出される$$gamma$$線及びX線を観測した。半減期は約9分と決定され、核異性体遷移に加えてEC崩壊することも明らかとなった。観測された$$gamma$$線やX線及び半減期の値から、$$^{234m}$$Npの準位エネルギー、スピン・パリティ、陽子-中性子軌道配位を推定した。

口頭

3次元ARPESによるUPd$$_2$$Al$$_3$$の電子状態

藤森 伸一; 小畠 雅明; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦*

no journal, , 

角度分解光電子分光(ARPES)は物質のバンド構造やフェルミ面を実験的に導出できる実験手法であるが、我々は、二つの光電子放出角度と入射光エネルギーの3つのパラメータをすべて掃引することによって、完全に3次元的な電子状態を測定する3D-ARPES法を開発した。今回、この実験手法を常磁性状態の重い電子系超伝導体UPd$$_2$$Al$$_3$$に対して適用を行って、その完全な3次元電子構造を明らかにすることを試みた。UPd$$_2$$Al$$_3$$は重い電子系超伝導体であり、比較的大きな磁気モーメントを持つ反強磁性相と超伝導相が共存することから、磁性と超伝導の関係を理解する上で興味深い物質系である。今回、$$hnu$$=580-685eVの入射光を用いた3D-ARPESの実験を行った結果、U $$5f$$状態に起因した明瞭なバンド分散が観測された。バンド計算との比較も示しながら、UPd$$_2$$Al$$_3$$の常磁性電子状態について詳細に議論する。

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