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大島 武; 伊藤 久義; 上殿 明良*; 鈴木 良一*; 石田 夕起*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 児島 一聡; 大平 俊行*; 梨山 勇; et al.
電子技術総合研究所彙報, 62(10-11), p.469 - 476, 1999/00
イオン注入により立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)中に発生する欠陥と熱処理による欠陥の回復を電子スピン共鳴(ESR)、陽電子消滅測定(PAS)及びフォトルミネッセンス測定(PL)により調べた。3C-SiCへ200keV-Al及びNを110 110/cmのドーズ量で室温から1200までの温度で注入した。注入後の熱処理はAr中で1400まで行った。ESR及びPL測定の結果、800以上の高温注入を行うことで照射欠陥を著しく低減できることがわかった。また、室温注入試料中の空孔型欠陥の熱処理による振る舞いをPAS測定により調べた。その結果、1400までの熱処理温度領域が空孔型欠陥の複合化、クラスタ化といった5つの領域に分けられることがわかった。
伊藤 久義; 河裾 厚男; 大島 武; 吉川 正人; 梨山 勇; 岡田 漱平; 谷川 庄一郎*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
電子技術総合研究所彙報, 62(10-11), p.23 - 29, 1999/00
立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)における点欠陥評価のため、化学気相成長(CVD)で作製した3C-SiC単結晶に1MeV電子線を照射し、陽電子消滅線のドップラー広がり測定及び陽電子寿命測定を行った。さらにESR測定も実施し、陽電子消滅測定結果との相関を調べた。この結果、電子線照射により3C-SiC中に負に帯電したSi単一空孔Vが形成され、このVが主要な陽電子捕獲中心として働くことが判明した。また、3C-SiCバルクでの陽電子拡散長として184nm、陽電子寿命として140psが得られた。さらに、Vの捕獲陽電子の寿命は188ps、比捕獲速度は6.010sであると決定できた。これらの数値は、陽電子消滅による欠陥評価を行う上で不可欠なパラメータであり、今後のSiCにおける欠陥研究に有用である。
前畑 京介*; 石橋 健二*; 仲川 博*; 赤穂 博司*; 高田 進*; 中島 哲夫*; 清水 裕彦*; 片桐 政樹; 吉沢 正美*
電子技術総合研究所彙報, 61(6-7), p.361 - 366, 1997/00
2種類のNb系超伝導トンネル接合素子について、放射光の単色X線を用いて検出特性を測定した。素子は、陽極酸化工程を含むプロセスとSiOスパッタリング工程を含む改良型プロセスの異なったプロセスで作製したものが使われた。外部雑音の多い測定環境のため、冷却型FETアンプがS/N比の改善のため使用された。4keVから15keVまでのX線放出実験の結果、入射X線エネルギーに対してピーク位置が非線形となることが確認された。
伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; 三沢 俊司*; 吉田 貞史*
電子技術総合研究所彙報, 58(2), p.125 - 132, 1994/00
化学気相成長法により作製したn型及びp型立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶に1MeV電子線、2MeV陽子線を照射し、照射試料の電子スピン共鳴(ESR)測定を4Kから室温の温度領域で行った。この結果、照射誘起欠陥に起因する新たなESR信号T1,T6,T7,T8を見い出した。スピンハミルトニアンを用いた解析により、T1は荷電状態-1を有するSi単一空孔(スピン状態S=3/2,Td対称)に起因すること及びT5は荷電状態+1を有するC単一空孔(スピン状態S=1/2、D対称)に起因することが判明した。T6、T7については、スピン状態S=1を有する111方向に配列した空孔-格子間原子対に原因することが示唆された。また、等時アニールにより、T1欠陥は3種類のアニールステージ(150C,350C,750C)において消失すること、並びにT5,T6,T7欠陥は各々150C,300C,300Cのアニールステージを有することが明らかになった。