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宮川 和也; 常盤 哲也; 村上 裕晃
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 14(12), p.4980 - 4988, 2013/12
被引用回数:7 パーセンタイル:23.83(Geochemistry & Geophysics)地下水やガスの主要な移行経路の把握は地層処分研究開発において重要な課題である。泥火山は、地下水やCHやCOなどの地下から地表への主要な移行経路の一つとして着目されており、その性状や分布域、活動が研究されている(e.g., Kopf, 2002)。本邦陸域における泥火山については、新冠、松代泥火山のわずか2例しかなく、さらなる事例の蓄積が課題である(産業技術総合研究所, 2012)。このためには、地表部に見られる物質の異地性に関する起源の調査解析手法の確立が必要である。北海道幌延町の上幌延地区において、泥火山様泥質堆積物の存在が指摘されており(酒井ほか2010)、これを対象に、事例の蓄積と調査手法の検討を目的として、泥質堆積物の起源の推定を行った。調査手法に関しては既存の泥火山研究による鉱物学的・地球科学的手法に加えて、旧石油公団による5000mの基礎試錐データとの比較を行った。その結果、泥質堆積物の起源は函淵層であり、地下約1.5-2.5kmから噴出した可能性が明らかになった。本論文では、一見泥火山に見えない堆積物の産状が、実際には大規模な物質移動が生じた痕跡であることを明らかにし、本邦陸域における泥火山活動の一例を示した。
丹羽 正和; 竹内 竜史; 尾上 博則; 露口 耕治; 浅森 浩一; 梅田 浩司; 杉原 弘造
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 13(5), p.Q05020_1 - Q05020_15, 2012/05
被引用回数:14 パーセンタイル:39.21(Geochemistry & Geophysics)瑞浪超深地層研究所とその周辺では広域地下水流動研究などのため、複数のボーリング孔で地下水観測を実施しているが、2011年東北地方太平洋沖地震発生後に明瞭な地下水圧の変化が観測された。それによると、研究所用地のごく近傍では最大約15mの水圧上昇を示したが、研究所用地から離れた地域ではすべてのボーリング孔で数十cmから数m程度の水圧低下を示した。地震直後の地下深部における地下水位変化のパターンは、地震直後の体積歪変化の分布パターンと良い相関を示すことが言われている(膨張域で水位低下、収縮域で水位上昇)。地殻変動解析ソフトCoulomb3.1による体積歪の計算結果からは、研究所周辺ではおよそ210strainの膨張を示す。したがって、研究所用地から離れた地域におけるボーリング孔での水位低下は、東北地方太平洋沖地震に伴う体積歪の変化を反映している可能性が高い。一方、研究所用地のごく近傍で地下水位が大幅に上昇した要因としては、坑道掘削により平衡水位が低下していたところへの強制的な地下水の流入、及び、研究所用地を横断する遮水性の断層に微小なクラックが発生(開口)したことによる局所的な透水性の変化が考えられる。
梅田 浩司; 二ノ宮 淳
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 10(8), p.Q08010_1 - Q08010_10, 2009/08
伏在活断層や低活動性で変動地形の明瞭でない活断層,未成熟な活断層等、いわゆる未知の活断層と呼ばれる断層を概要調査等によって確認することは、地層処分の安全性を確保する点から重要な課題である。これらの調査技術は、近年の変動地形学や地球物理学の進歩によって高い確度で識別されることが予想されるが、さらなる信頼性の向上を図るため、これまで研究事例が少なかった地球化学的アプローチによる活断層の検出手法について検討を行い、有効である可能性が示された。
梅田 浩司; 二ノ宮 淳; McCrank, G. F.*
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 9(12), p.Q12003_1 - Q12003_7, 2008/12
被引用回数:16 パーセンタイル:39.15(Geochemistry & Geophysics)活断層からCO, HO, H, Rn, He等の揮発性物質が放出されているという観測事例が多く報告されている。このうち、不活性ガスであるHeは、地殻中での化学反応を生じにくいことから、地下深部の化学的な情報を得るための重要な指標の一つである。これまでにも1984年長野県西部地震の前後に遊離ガス中のヘリウム同位体比(He/He比)が増加したことやSan Andreas断層ではマントル・ヘリウムが断層に沿って上昇していることが指摘されている。本研究では、新潟平野の活断層や最近の巨大内陸地震震源域において、温泉ガスのヘリウム同位体比の測定を行った。その結果、これらの地域では高いヘリウム同位体比が認められることから、遊離ガスや地下水に含まれるヘリウム同位体比は、変動地形学的根拠に乏しい活断層を検出するための有効な地球化学的指標であることが示唆される。
梅田 浩司; 浅森 浩一; 根木 健之*; 小川 康雄*
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 7(8), p.Q08005_1 - Q08005_8, 2006/08
被引用回数:37 パーセンタイル:61.94(Geochemistry & Geophysics)飯豊山地は、東北地方の福島と山形の県境に位置し、ジュラ紀の足尾帯と白亜紀古第三紀の花崗岩類からなる。当該地域は、第四紀火山から50km以上も離れているにもかかわらず、飯豊温泉や泡の湯温泉等の高温泉が分布し、温泉放熱量も1000W/mを超える非火山地帯の高温異常域である。本研究では、飯豊山地を横断する測線において地磁気・地電流観測を実施するとともに、地下40kmまでの二次元比抵抗構造解析を行った。その結果、山体の地下10km以深には10m以下の極めて低い比抵抗体が存在し、上部マントルまで連続していることが明らかになった。また、この低比抵抗体の上面の形状は、地殻内地震のcut-off depthと調和的であることから、山体の地下10km以深には、約400C以上の高温の物質が広く(数百km)存在すると考えられる。また、この地域の下部地殻には、地震波の低速度域が存在すること,温泉ガスのヘリウム同位体比(He/He比)が東北日本の火山ガスの値に匹敵すること等から、飯豊山地の地下にはマグマあるいはそれに関連する高温の流体が存在することが示唆される。
梅田 浩司; 金沢 淳; 角田 地文*; 浅森 浩一; 及川 輝樹
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 7(4), p.Q04009_1 - Q04009_11, 2006/04
西南日本の前弧域における温泉ガスのヘリウム同位体比の分布を明らかにするため、これまでデータが得られていない四国地方を対象に温泉ガスの採取,分析を行った。その結果、東北日本の前弧域の温泉に比べて高いヘリウム同位体比が四国全域で認められた。沈み込み帯の前弧域におけるヘリウム同位体比の異常については、スラブから脱水した流体によって運ばれるマントル起源のHeの影響が指摘されている。しかしながら、四国下の地殻内地震の活動が極めて乏しいこと、震源メカニズムが圧縮応力場を示すこと等を考慮すると、深部流体によるHeの寄与は小さいと考えられ、ヘリウム同位体比の分布は、中新世の火成岩体,地殻及び大気起源のヘリウムの混合によって説明できる。