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山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.
溶接構造シンポジウム2017講演論文集, p.21 - 27, 2017/12
設計上の想定を超える地震動による応答荷重における亀裂進展を評価するためには、荷重条件が小規模降伏条件を超える可能性や、荷重振幅の大きさが不規則に変化することを考慮する必要がある。特に、大きな卓越荷重を受けた後の亀裂進展では、負荷履歴による亀裂前縁応力分布の変化や亀裂鈍化の影響を考慮することが重要である。本研究では、地震動による応答荷重を単純化した卓越荷重を含む繰返し荷重による亀裂進展試験や試験を模擬した有限要素解析を実施し、亀裂進展に及ぼすこれらの影響を評価した。また、これらの評価を踏まえ、亀裂前縁応力分布の変化や亀裂鈍化の影響を考慮した地震時亀裂進展評価手法を提案した。さらに、模擬地震応答荷重負荷による亀裂進展試験を実施し、測定した亀裂進展量と提案した手法によるその予測値を比較することで、提案した手法の妥当性を確認した。
西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 中平 昌隆
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 8 Pages, 2001/08
ITERの真空容器は2重壁構造を採用し、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込みを有するT継手(外壁とリブ)と突き合わせ継手(外壁と外壁)について、継手や溶着金属の疲労試験を行い、疲労寿命や疲労き裂伝播速度を明らかにした。また有限要素解析を用いて両継手不溶着部の応力拡大係数範囲を計算し、継手と溶着金属の疲労き裂伝播速度を比較した。さらに破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を計算し、不溶着部の長さが変化したときの疲労強度を予測した。その結果、以下のことがわかった。いずれの継手の不溶着部も先端が鋭くき裂と同様に挙動し、溶着金属部へ伝播する。したがって継手の疲労強度は不溶着部を持たない母材に比べ非常に低下する。また、継手と溶着金属の疲労き裂伝播速度は応力拡大係数範囲で整理でき両者は良く一致し、破壊力学的手法に基づい手計算した継手の疲労寿命は実験より得られた疲労寿命と良く一致する。さらに継手の不溶着部の長さが短く(1mm)なっても疲労強度は母材に比べ大きく低下する。
加治 芳行; M.Roedig*; 菊地 賢司
Int. J.Press. Vessels Piping, 75(15), p.1065 - 1074, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.91(Engineering, Multidisciplinary)鉄基超耐熱合金Alloy800を用いて種々の温度応力条件下でクリープき裂伝播試験を行い、DEN(Double-Edge Notched)及びCT(Compact Tension)試験片の高温でのき裂伝播速度の評価に対して、Qパラメータを適用した。Qパラメータを積分することにより求められるパラメータを用いて種々の温度応力条件下でのDEN、CT及び平滑試験片のクリープ破壊時間を評価した。その結果、Alloy800のDEN試験片の結果より求めたQパラメータによってCT試験片のクリープき裂伝播速度を異なったデータバンドとして評価できること、クリープ破断時間に及ぼす試験片形状及び荷重メカニズムの影響をQパラメータを積分することにより求めたパラメータにより比較評価できることを明らかにした。
加治 芳行; 菊地 賢司
日本材料強度学会誌, 30(2), p.59 - 73, 1996/00
高温クリープ条件下で使用される高温機器において、供用中に発見されるき裂について伝播特性をあらかじめ把握し、引き続く高温荷重に対する余寿命を推定する手法を明らかにすることは実用上重要である。本論文では、Fe基耐熱合金のAlloy800を用いて、種々の温度・応力条件下でのクリープき裂伝播試験を行い、Qパラメータを求めき裂伝播速度を評価した。また超高温延性材料であるAlloy800とNi基耐熱合金のハステロイXRに対して、同一のQパラメータ及びクリープ積分Cパラメータによってき裂伝播速度を比較評価した。さらにQパラメータによって表されるパラメータによって、両材料のクリープ破断寿命を比較評価し、このパラメータによって、材料による特性の相違や試験片の形状効果等を評価できることを明らかにした。
加治 芳行; 菊地 賢司; 横堀 寿光*
Engineering Fracture Mechanics, 50(4), p.519 - 528, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:30.02(Mechanics)ハステロイXRについて高温クリープ条件下のき裂伝播速度をQパラメータおよびCパラメータによって評価し比較検討した。さらにQパラメータから導いたクリープ破壊寿命とひずみ速度との関係は、平滑材と切欠き試験片のクリープ破壊寿命を比較評価することが可能であることを示した。Qパラメータによって表されるクリープき裂伝播速度式を積分してLarson-Millerパラメータと形式的に同一のパラメータが導かれるが、これにより平滑材と切欠き材のクリープ破壊寿命を同一のパラメータにより比較評価し、クリープ破壊寿命に及ぼす切欠き効果を明らかにした。
加治 芳行; 菊地 賢司; 菅江 洋行*; 横堀 寿光*
日本機械学会論文集,A, 58(548), p.515 - 519, 1992/04
超高温領域に適用可能なハステロイXRを用いて、クリープき裂進展に対するQパラメータを求め、余寿命評価への適応性を探った。その結果、以下のことがわかった。(1)ハステロイXRのクリープき裂伝播速度は、アレニウス型の温度依存性を示し、Qパラメータによって初期からよく評価できる。(2)異なった形状の試験片のき裂進展をQパラメータにより記述できることにより、超高温領域での構造設計手法における余寿命評価法として適用可能である。(3)ハステロイXRと他の材料のQパラメータを比較した結果、各係数の値は、材料のクリープ延性的性質に対して一定の傾向をもって変化している。
柴田 勝之; 川村 隆一; 神野藤 保夫*
JAERI-M 8900, 75 Pages, 1980/06
構造物に生ずる破損例のうち溶接部に関係した破損の割合が非常に高く、その原因は溶接部の材質劣化、溶接残留応力、溶接欠陥等であることが知られている。このうち溶接残留応力の問題については残留応力の量的把握が困難なことからあまり明らかにされていない。本研究では疲労き裂伝播におよぼす溶接残留応力の影響を明らかにするため、溶接部周辺に引張残留応力が生ずるように製作した試験片を用い、いくつかの亀裂伝播実験を実施した。その結果溶接部周辺での疲労き裂伝播に関し、いくつかのことが明らかになった。
宮園 昭八郎; 植田 脩三; 古平 恒夫; 柴田 勝之; 磯崎 敏邦; 中島 伸也
3nd.Int.Conf.on Pressure Vessel Technol.Pt.2, p.741 - 748, 1977/00
軽水炉用圧力容器に取り付けてある一次冷却系配管のノズル部の内面コーナの最大応力発生点に万一欠陥が存在している場合を想定して、この欠陥からき裂がどのように伝播していくかを明らかにするため、ノズル付圧力容器モデル(銅製)を用いて内圧繰返し試験を実施した結果について述べた報告書である。圧力容器モデルに取りつけたノズルは現在運転または建設中の軽水型動力炉に使用されているノズルのモデルであり、取りつけた3個のノズルの内面コーナにそれぞれA型(深さ:3mm、切欠き底:直線状)およびB型(深さ:3mm、切欠き底:円弧状)の2種類の切欠きを加工した。内圧繰返し試験は常温で0110kg/cmの条件で実施した。約29,200サイクルで1個のノズルの切欠き部から貫通し、媒体が漏洩した。これらの試験結果から、ノズル部のき裂伝播速度は約10mm/サイクルのオーダであることが明らかとなった。なお、き裂長さはスメックゲージ、き裂ゲージおよび破断面のストライエーションから求めた。
柴田 勝之; 川村 隆一
圧力技術, 14(4), p.169 - 176, 1976/04
本研究では内圧負荷を受ける配管構造物の疲れき裂伝播挙動および不安定破壊発生挙動を把握する目的で、構造物モデルによる実験を行った。 実験は2種の板厚のZr合金管試験片を使用し、平均応力と応力レベルを変えて行い、き裂伝播挙動におよぼす効果を調べた。さらに疲れき試験終了後内圧負荷による破壊実験を実施し破壊発生基準の検討を行なった。 実験結果を要約すると、1)き裂伝播速度は次式で表現される da/dn=A(1-R)・K/〔(1-R)K-K〕 2)またZr合金管の破壊条件は次式となった ()=564a a:破壊発生き裂半長 :周方向応力
柴田 勝之; 川村 隆一
圧力技術, 14(3), p.127 - 134, 1976/03
変動内圧負荷を受ける配管構造物において、軸方向き裂の伝播問題は工学上きわめて重要である。本論ではこの問題に関して、構造物モデルを供試体として繰返し内圧試験法によるき裂伝播試験を実施した。実験は約120mmのZr合金管を供試試験体に用い、貫通き裂および未貫通き裂伝播挙動に関して応力およびき裂形状を種々変えて行なった。その結果によると、1)き裂伝播速度は大略応力拡大係数を用いてよく整理できる。2)未貫通き裂が板厚を貫通する付近ではき裂伝播速度は飽和の傾向を有する。3)疲れ破面は?K=200kg・mm付近で引張型からせん断型へと遷移する。などが明らかとなった。