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渡辺 真朗; 木原 工*; 野尻 浩之*
Quantum Beam Science (Internet), 7(1), p.1_1 - 1_10, 2023/03
J-PARC物質・生命科学実験施設において、ユーザーが使いやすく、かつ新しい試料環境装置として35Tまで発生可能なパルスマグネットシステムを開発した。これは、真空チャンバー、GM冷凍機、小型ソレノイドコイルを挿入したSUS管で構成されている。コイルは液体窒素自動供給装置から供給される液体窒素で冷却され、試料はGM冷凍機で冷却される。この組み合わせにより、ユーザー操作のための自動運転可能な強磁場回折測定が容易になる。散乱角は最大42度で、これまでの装置よりも大幅に広くなっている。中性子回折実験は、マルチフェロイック物質(TbMnO)を用いて、回折ピークの磁場依存性が明確に観察された。このようにユーザープログラム用の実用的な強磁場回折のための、新しいパルスマグネットシステムが確立された。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 小野 遼真*; 城石 英伸*
JOM, 73(4), p.1037 - 1043, 2021/04
被引用回数:4 パーセンタイル:43.25(Materials Science, Multidisciplinary)ジグリコールアミドの一種であるTDdDGAを用いるNdマグネットからのDy分離を試みた。すべての希土類元素はTDdDGAで抽出可能であり、そのDy/Nd分離比は10を超える。本研究で、0.1M TDdDGA/ドデカン(8段), 0.7M硝酸(金属入り10段), 0.7M硝酸(金属無し6段)の多段抽出を行い、99% Dyと1% Ndを有機相に回収されることを確認した。
渡辺 真朗; 野尻 浩之*
Journal of Neutron Research, 21(1-2), p.39 - 45, 2019/05
磁場は物質中の電子のスピンと軌道運動に直接作用し、強磁場中では、興味深い量子現象と相転移が発現する。そのため、近年、中性子散乱実験用の強磁場実験装置が急速に開発されてきている。例えば、既に17Tまでの超伝導DC磁石が中性子散乱実験のために開発されている。MLFでは、試料環境(SE)チームがSE装置として7Tまでの超伝導DC磁石を運用しているが、一部のユーザーから、より高い磁場環境が要求されている。しかし、20T以上を発生させるには、超伝導技術の摘要は困難で、大スペースを必要とする大型システムの構築が要求されるが、コスト、スペースの観点で非現実的である。そこでMLFでは、強磁場環境SE機器として、小エネルギー・小型化が可能なパルス磁場方式を採用することを決定し、開発を進めてきた。本発表では、開発した30Tのコンパクトで可動式のパルスマグネットシステムについて報告する。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を使用して、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めている。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材,緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
被引用回数:7 パーセンタイル:22.88(Physics, Fluids & Plasmas)超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30 mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を用いて、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めた。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材、緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
片野 進; 皆川 宣明; 目時 直人; 長壁 豊隆; 鈴木 淳市; 小池 良浩; 石井 慶信
Applied Physics A, 74(Suppl.1), p.S270 - S272, 2002/12
被引用回数:14 パーセンタイル:50.37(Materials Science, Multidisciplinary)液体ヘリウムを使用せず2台の冷凍機で直接冷却する新しいタイプの超伝導マグネットを中性子散乱実験用に開発した。マグネットは中性子ビームを通過させるために上下に分かれたスプリットペア型で、これら上下のマグネットはAl合金製の3つのリングと42.5度のAl合金の板で支えられている。合計厚み52mmのリングによって、中性子の透過度は、20MeVの中性子に対して約60%となる。室温ボアは直径51mmで、この中に4K冷凍機又はヘリウムフリーの希釈冷凍機が入れられる。このマグネットを用いた強相関電子系の磁性に対する強磁場効果の研究結果を報告する。
奥野 清
電気学会誌, 122(1), P. 15, 2002/01
電気学会本誌特集記事「超電導技術は進歩している」のうち、高磁界・大電流応用」の章を担当する。仕上がりで1/2ページの短いものである。トカマク型核融合炉用超電導マグネットの開発成果、今後必要な研究開発項目について簡潔に述べる。
片野 進; 皆川 宣明; 目時 直人; 長壁 豊隆; 鈴木 淳市; 及川 建一*; 松岡 由貴*
Proc. of 4th Int. Symp. on Advanced Physical Fields, p.315 - 318, 1999/00
4K-GM冷凍機2台によって直接冷却する(すなわち、液体ヘリウムを使用しない)新型の10Tスプリットペア超伝導マグネットを中性子散乱用に開発した。主として強相関電子系の磁性に対する磁場効果を研究する。マグネットは、内側のNbSnコイルと外側のNbTiコイルから成る。中性子ビームを通過させるためのコイル間のギャップは29mmである。これらのコイルはAl合金製の3つのリングと45°を覆うAlのプレートによって支持されている。合計のAl合金の厚みは52mmで、中性子の透過度は約60%である。51mmの室温ボアを持ち、この中に試料冷却系が納められる。最大磁場10Tが安定に得られた。
神谷 富裕; 須田 保*; 田中 隆一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 118(1-4), p.423 - 425, 1996/09
被引用回数:18 パーセンタイル:80.24(Instruments & Instrumentation)PIXE, RBS及びNRAなどを用いた高分解能元素マッピングのために製作された原研軽イオンマイクロビーム装置では、0.25mのビーム径、100pAの電流のサブミクロンビーム形式のための開発が進められている。最近の2MeVのHeビームを用いた計測で、0.3mのビーム径、11pAのビーム電流のスポットが得られた。計算によれば、10台の電圧安定度を持つ加速器とエネルギー分解を持つ分析マグネットを用いることにより、目標のビーム性能を達成可能である。そのためには、レンズ系における各種寄生収差の削減と、イオン源からのビーム輝度とエネルギー安定性の向上が必要となる。
前原 直; 春日井 敦; 坂本 慶司; 恒岡 まさき; 今井 剛
JAERI-Research 96-017, 13 Pages, 1996/03
ジャイロトロン用超電導マグネットの維持・管理を簡素化するために、永久電流による液体ヘリウムの低消費化、および2段式冷凍器の採用による液体窒素を不要とした110GHz帯超電導マグネットについて、1年間の運転実績に基づき液体ヘリウムの消費量および磁界の特性について報告する。
植田 脩三; 菊池 満; 木村 豊秋; 功刀 資彰; 栗山 正明; 土谷 邦彦; 正木 圭; 金子 修*; 須藤 滋*; 武藤 敬*
プラズマ・核融合学会誌, 72(2), p.163 - 165, 1996/02
本シンポジウムは、2年に1度米国で開催されている核融合に関する工学・技術関係の国際会議で、第16回目となる今回(1995年)は、シカゴの南、イリノイ州シャンペーンで10月1日から5日までの5日間開催された。イリノイ大学のMiley議長の開会挨拶、米国エネルギー省(DOE)のMartinとITER所長のAymarの基調講演に始まり、8件の全体講演、70件の口頭発表と約350件のポスター発表があり、参加者数は400名以上(日本からの参加者は30数人)に上った。本件は、この会議の概要、トピックス等を報告するものである。
秋場 真人; 大久保 邦三*; 奥野 清; 小原 祥裕; 木村 豊秋; 須藤 滋*; 高津 英幸; 田中 知*; 二宮 博正
プラズマ・核融合学会誌, 70(10), p.1127 - 1130, 1994/10
ドイツのカールスルーエで8月22日から26日まで開催された核融合に関する工学・技術関係の国際会議の報告である。第一壁・ダイバータ、プラズマ加熱と制御、プラズマ実験装置技術、マグネットと電源、等の8種類のトピックスについて、その概要と特に注目を集めた点等について分担して執筆したものである。特にITERの工学設計及び工学R&Dに基づいて各種コンポーネントの開発状況、ITERでの取り組みが遅れている燃料サイクル、組立/保守、安全性等のEU独自の判断に基づく開発成果等が紹介されている。
管家 康*; 泉 富士夫*; 森井 幸生; 舩橋 達; 加藤 克夫*
Journal of Solid State Chemistry, 104, p.319 - 327, 1993/00
被引用回数:5 パーセンタイル:26.35(Chemistry, Inorganic & Nuclear)マグネットプランバイト型酸化物NaFeVOの結晶構造を中性子回折及びX線回折データを用いたリートベルト解析法により決定した。この結晶は六方晶系、空間群P/mmcで、格子定数a=5.8388A、C=22.8017Aである。マグネットプランバイト型構造NaMO(M=Fe,V)におけるM(3)位置にはFeのみが占有して入るが他のM位置にはFeとVが共有して入ることが明らかとなった。
真木 紘一*; 高津 英幸; 黒田 敏公*; 関 泰; 中村 知夫; 森 清治*; 川崎 弘光*
JAERI-M 91-046, 163 Pages, 1991/03
本レポートは、1990年に開催されたITERの冬期及び夏期専門家会議に提出された遮蔽設計レポートに基づき、超電導マグネットに対する遮蔽と生体遮蔽について加筆してまとめたものである。このレポートでは、インボードのベンチマーク計算、インボードのバルク遮蔽計算、インボード遮蔽体内の非均質効果、ギャップストリーミング解析について超電導マグネットの遮蔽特性に関して議論している。また、中性粒子入射用ダクトのストリーミング計算に関して輸送計算とモンテカルロ計算を比較し、ダクトとの関連でクライオスタット周辺の生体遮蔽を議論している。更に、メンテナンス時に放射化された1モデュールを炉室天井から吊り下げた状態における炉室内の線量率分布、敷地境界の線量率分布を検討している。その結果、ITERの遮蔽特性が評価され、遮蔽設計上の問題点及び解決すべき方向が示された。
溝口 忠憲*; 下村 安夫
核融合研究, 65(2), p.115 - 141, 1991/02
核融合炉の炉心構造を設計するにあたって、必要な炉心プラズマの条件と工学条件を同時に満足させることが最も重要な課題となる。高熱流束を受けるプラズマ対向機器や超電導マグネットなどのそれぞれの工学的条件が、互いに関連しており、最適な設計を行うことはこれらの種々の条件を適切に組み合わせることにほかならない。ここでは、まずこれらの設計条件及び制約条件の評価を実施し、開発された核融合炉システム解析コードへの適用を試みた。核融合実験炉及び第一世代動力炉の設計において、これら工学条件の制約及び改良が炉心規模にどのような影響を与えるか例をあげて示した。
臨界プラズマ研究部
JAERI-M 86-134, 909 Pages, 1986/11
核融合実験炉(FER)は、JT-60の次期装置として想定されているものであり、所定の目標を達成する様に55年度より設計が進められている。55~58年度の設計では、実験炉の概念確立に重点が置かれ、また多くの技術課題の摘出が行なわれた。59,60年度の設計では最近の電流駆動技術の進展を採り入れると共に、従来設計の工学的問題(プラズマ廻りに設置される炉心構造物の設計と、それが故障した場合の修理法)の是正を行なうため基本構想の再検討をした。この再検討に当たっては、工学技術的に次期装置として手の届く範囲にすることを再優先の目標とした。本報告書は、59,60年度のFER設計に関するものであるが、59年度設計の要約(全体はJAERI-M85-176~179として報告済み),60年度の追加作業(炉本体概念の更なる詳細化および周辺装置)および補助機器を含むプラント全体の設計について報告したものであり、2年間の設計作業の纏めである。
沢田 芳夫; 東稔 達三; 斉藤 龍太; 関 泰; 小林 武司; 飯田 浩正; 杉原 正芳; 伊藤 裕; 西尾 敏; 堀江 知義; et al.
JAERI-M 85-177, 908 Pages, 1985/12
国の長期計画に於いて、JT-60の次期装置として想定されているトカマク型核融合実験炉FERの概念設計を行った。FERは昭和55年度より、炉概念の検討を進めてきたが、昭和59年度より新たに再度炉概念の見直しを行う。本報告書は初年度(59年度)の検討をまとめた中間報告書の一部である。本報告書では、標準設計である準定常核融合実験炉の炉心プラズマ、炉本体構造、炉心構造物、マグネットの設計結果について述べる。
東稔 達三
電気計算, 48(12), p.1 - 5, 1980/00
核融合プラズマの反応と閉込めの原理、およびトカマク型動力炉の動作原理とシステム構成について平易な解説を行った。
迫 淳; 東稔 達三; 関 泰; 飯田 浩正; 大和 春海*; 真木 紘一*; 伊尾木 公裕*; 山本 孝*; 湊 章男*; 山内 通則*; et al.
JAERI-M 8286, 108 Pages, 1979/06
近い将来建設が期待されるトカマク型核融合実験炉の第2次予備設計が実施された。この設計は炉システム全般に亘るものであり、プラズマ特性、炉構造、ブランケットニュートロニクス、遮蔽、超電導マグネット、中性粒子入射装置、電源系、燃料循環系、炉冷却系、トリチウム回収系ならびに保守計画を含む。炉システムの安全性解析も行なった。本報告書は上記各項目を含む設計概要を述べたものである。また、出力密度を上げた場合の可能性評価も行ない、附録で述べている。
炉設計研究室
JAERI-M 7963, 163 Pages, 1978/12
トカマク型核融合実験炉用超電導トロイダルマグネットの安全性解析を行った。検討項目は事故の分類、FMEA及びFTA解析、コイル安定性とクエンチ時挙動の解析、マグネット異常の検出システムとコイル保護システムの設計、構造解析、破壊及び疲労の検討、地震応答解析などである。又、クライオスタットや冷凍系の事故の解析も行った。この安全性解析を通じてトロイダルマグネットの工学的課題を摘出することが本作業の目的である。