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千葉 豪*; 山本 章夫*; 多田 健一
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(2), p.132 - 139, 2023/02
被引用回数:2 パーセンタイル:48.47(Nuclear Science & Technology)本論文では、ACE-FRENDY-CBZと名付けた新しい中性子解析の流れを提案する。本解析は、アプリケーションライブラリを一切使用せず、ACEファイルを起点として、ターゲットシステムを構成する媒体の多群断面積データをFRENDYコードで計算し、多群中性子輸送計算をCBZコードシステムのモジュールで実行するものである。ACE-FRENDY-CBZを8つの高速中性子体系に対してテストし、モンテカルロ計算とk-effを比較したところ、裸の体系とトリウム反射体体系で30pcm以内で、ウラン反射体体系で約100pcm以内で一致することを確認した。ウラン反射体体系で差異が大きい原因は、中性子流を重みとして全断面積を縮約したことが原因であることを突き止めた。中性子流を重みとして縮約した全断面積を用いた計算では、ウラン反射系で系統的にk-effが過小評価されることが明らかになった。
山本 俊弘; 三好 慶典
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(11), p.1069 - 1075, 1999/11
被引用回数:2 パーセンタイル:21.18(Nuclear Science & Technology)定常臨界実験装置STACYの低炉出力の絶対測定に中性子源挿入法を適用した。中性子源挿入法で必要となる実効中性子源強度を従来の方法よりもより厳密な定義に基づいて求めた。実効中性子源強度をより高精度に求めるために、中性子源を「外部中性子源から放出された中性子が最初に起こした核分裂によって発生した中性子」と定義し直した。この定義に基づく実効中性子源強度を求めるために、外部中性子源によって核分裂が起こる確率を、モンテカルロコードMCNPにより三次元の複雑な炉心構造も考慮に入れて計算した。さらに、このときの核分裂反応の分布、臨界時の基本モードの中性子束、随伴中性子束分布を三次元輸送計算コードTHREEDANTを用いて計算した。臨界状態のSTACYの炉心タンク近傍に中性子源を挿入し、中性子源挿入法の原理に従って炉出力を測定した。この方法で求めた炉出力は、高出力運転によった生成したFP放射能を分析する方法とよく一致した。
水野 正弘*; 宇都 成昭
JNC TN9400 98-007, 147 Pages, 1998/11
核燃料サイクル開発機構ではFBRの実用化に向けて必要となる各種炉内試験を実施するための、FBR安全性試験炉SERAPH(Safety Engineering Reactor for Accident PHenomenology)の設計研究を実施している。SERAPHでは定常及び種々の過渡試験が予定されており、試験時のドライバー炉心除熱のため重水が炉心冷却材に用いられる。種々の試験遂行には制御棒を使用するが、吸収体引抜き時のフォロワー材を重水とする制御棒案を候補の一つとして成立性の検討を行っている。この案では、重水の持つ高い減速比に起因して、重水フォロワー領域における中性子の減速・反射によって隣接燃料集合体で局所出力ピークが発生することが懸念されており、今後制御棒構造の具体化を進めるには詳細な局所出力分布特性評価手法の整備が不可欠である。このような背景に基づき、筆者らは制御棒周辺の局所出力分布を含む集合体内出力分布特性を適切に評価し得る核計算手法の整備を行った。解析ツールには制御棒近傍での中性子輸送挙動を統計的な影響を受けずに評価し得る2次元SN輸送計算コードTWOTRAN-IIを選定した。モデル化に際して、制御棒近傍での中性子平均自由行程を考慮し、制御棒とその周辺の15体分に相当するドライバー燃料集合体からなる2次元XY体系スーパーセルモデル、及びそれを13種類の単位セルモデルで構成する方法を考案した。スーパーセルモデルを効率良く構成するため領域マップ及びメッシュ境界を自動設定するプログラム、並びに計算で得られたメッシュ毎の中性子束をピン毎の出力密度に編集するプログラムを作成した。本成果は、今後制御棒構造やそれに関連した炉心構成の具体化に有効に活用されることが期待される。
佐藤 理*; 窪田 龍太郎*
PNC TJ2222 93-001, 88 Pages, 1993/03
「もんじゅ」炉心性能試験で実施される制御棒等の反応度価値測定に際し、その測定精度を向上させるため、反応度価値測定試験への修正中性子源増倍法(MSM法)の適用を前年度より検討してきた。本年度は、前年度の課題である、MSM法で検出器応答の比から反応度の比を求めるための補正係数の計算精度の向上及び誤差評価を行い、実機での反応度測定の精度向上に資するために以下の検討を行った。(1)固定中性子源問題の解法の検討(2)中性子束計算方法の精度評価(3)MSM法の反応度測定精度の予備検討固定中性子源問題の解法の検討では、補正係数の精度を更に向上させるため、浅い未臨界系を含め、固定中性子源を含む増倍系での中性子東計算方法(収束性)の検討を実施した。固有値計算で得られた中性子束と随伴中性子束を用いて作成した初期中性子分布を用いることにより、従来難しいとされていた浅い未臨界系での固定線源問題が解けることがわかった。この方法を前年度行ったMSM法の適用性検討に用いることにより、補正系数の計算精度の向上を得た。たとえば、比較的深い未臨界度(実効増倍率=0.9671)の体系では、MSM法により予測した反応度と直接計算値との差異が約7.3%から約0.4%に減少した。MSM法の補正係数を計算する場合には、計算体系を分割し、各々の中性子輸送計算を接続させる必要があるので、XY体系とR体系の接続計算による中性子束計算方法の精度の検討を簡単なモデルで行った。
千葉 豪*; 多田 健一; 山本 章夫*
no journal, ,
1次元球体系にモデル化した原子炉圧力容器周りの中性子輸送問題に対してACE-FRENDY-CBZシーケンスによる計算を行い、計算精度を定量化した。従来の多群ライブラリを用いた方法と比べてより精度の高い解が得られること、798群程度の詳細なエネルギー離散化を行うことにより連続エネルギモンテカルロコードMVPとの良好な一致が得られることを明らかにした。