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斎藤 公明
Isotope News, (773), p.3 - 6, 2021/02
福島第一原子力発電所事故から10年が経過するのを契機として企画された特集記事の一環として、陸域における環境影響に関する解説記事を執筆した。この中で、事故後に実施された大規模環境モニタリングの概要、空間線量率の減少傾向とその原因、空間線量率の減少を加速させる要因、土壌沈着量と深度分布の経時変化の特徴、大規模モニタリング結果の応用解析例、今後の課題について簡潔に紹介した。
斎藤 公明; 三上 智; 安藤 真樹; 松田 規宏; 津田 修一; 吉田 忠義; 吉村 和也; 佐藤 哲朗*; 菅野 隆; 山本 英明
no journal, ,
福島第一原子力発電所から80km圏内で継続的に実施してきた大規模測定結果に基づき、空間線量率及び放射性セシウム土壌沈着量の経時変化の特徴をまとめる。事故後4年が経過したことにより、走行サーベイにより測定した道路上の空間線量率は2011年6月に比べて約5分の1に、撹乱のない定点上の空間線量率は約4分の1に減少した。これらは物理減衰による空間線量率の減少や航空機モニタリングで観測される空間線量率の減少に比べて顕著に速い減少傾向を示している。一方、平坦地における放射性セシウム沈着量は、ほぼ物理減衰に従って減少してきている。これらの減少傾向について議論を行う。
斎藤 公明
no journal, ,
カリフォルニア大学バークレー校が主催する福島事故10年を記念したシンポジウムにおいて、福島周辺の放射線環境の経時変化の様子について発表する。原子力機構では事故直後から多くの外部機関と協力しつつマップ調査と呼ばれる大規模環境モニタリングを継続して実施してきた。この調査の結果、福島の生活環境においては物理減衰により予想される減少率よりも2-3倍速い空間線量率の減少が観測された。その主な原因として、放射性セシウムの地中への浸透によるガンマ線に対する遮蔽効果の増加、大規模に行われた除染の効果、放射性セシウムの水平方向への移行が挙げられることが明らかになった。パネルディスカッションの一部として、これらの事項についてまとめて発表を行う。