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佐藤 治夫
PNC TN8410 97-202, 205 Pages, 1998/01
本論文は、放射性廃棄物地層処分における緩衝材候補材料の1つであるNa型ベントナイトおよび代表的岩石について、間隙率および屈曲度などの間隙構造因子ならびに核種拡散係数の測定を行い、基礎的データを蓄積すると共に、長期的な核種移行を定量的に予測できる拡散モデルを構築し、予測手法の基礎的理論を確立することを目的として研究された結果をまとめたものであり、7章から構成される。各章では、人工バリアとしてのNa型ベントナイトと天然バリアとしての花崗閃緑岩、玄武岩と泥岩の物性値に関する測定データと電気二重層理論および分子拡散理論に基づいて構築されたモデルが、地層処分の立案の際、緩衝材と地層構成岩石の特性を考慮することにより、バリア内の核種拡散挙動の予測と処分場性能評価を槻ね定量的に可能にしすることを示している。尚、本論文は、筆者が平成6年4月22日平成9年3月18日にかけて秋田大学大学院鉱山学研究科博士後期課程(地球工学専攻)に在籍し、事業団において得られた成果(投稿論文)を中心に博士論文としてまとめたものである。
佐藤 治夫; 澁谷 朝紀; 舘 幸男; 太田 久仁雄*; 天野 健治*; 油井 三和
PNC TN8410 97-127, 57 Pages, 1997/08
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価研究において,核種の移行遅延特性を定量的に調べモデル化することは重要な課題の1つとして挙げられている。筆者らは,結晶質岩中における核種の遅延の程度を定量化するため,割れ目から岩石マトリックス方向への核種の拡散,岩石への核種の収着および間隙特性の変化について調べている。本研究では,釜石原位置試験場の花崗閃緑岩割れ目周辺に見られる割れ目充填鉱物部および変質部の内,地下水が接触している割れ目を対象に核種の移行遅延特性を調べた。イオン電荷をパラメーターにNa,Cs,HTO,Cl,Seについて2225の範囲で見掛けの拡散係数および実効拡散係数を取得した。透過拡散法により,割れ目充填鉱物部,変質部,花崗閃緑岩に対して取得すると共に,Cs,Sr,Se,238Uおよび239Puのバッチ法による収着実験を同岩石について行い,分配係数を取得した。酸化還元条件に鋭敏な元素の内,SeについてのみN2雰囲気のグローブボックス(O21ppm)内で行い,他の元素は大気雰囲気で行った。岩石試料と同じ場所から採取した地下水(pH8.79.5)を実験では用いた。岩石試料の間隙率および密度を水中飽和法および水銀圧入法により,また,細孔径分布や比表面積を水銀圧入法により測定した。間隙率は,割れ目充填鉱物部(5.6%)変質部(3.2%)花崗閃緑岩(2.3%)の順で小さくなり,割れ目からマトリックス方向に対して小さくなることが分かった。花崗閃緑岩および変質部の細孔径分布は10nm0.2mmの範囲にわたっており,割れ目充填鉱物部は50nm0.2mmの範囲であった。しかしながら,割れ目充填鉱物部における多くの細孔径は100nmと0.2mm付近で見られた。全てのイオン(Na+,Cs+,HTO,Cl-,SeO32-)の実効拡散係数は間隙率に依存し,割れ目充填鉱物部変質部花崗閃緑岩の順に小さくなった。細孔径分布の測定結果から間隙径がイオン径に比べて大きく,岩石表面とイオンとの静電的相互作用の効果はそれほど大きくないものと考えられることから,岩石マトリックス中のイオンの実効拡散係数を間隙率や屈曲度などの間隙構造因子および自由水中のイオンの拡散係数を用いて予測した。その結果,予測値は実測値とほぼ一致し,形状因子に基づいたモデルの適用性が確認された。また,岩石に対