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岩元 洋介; 谷口 真吾*; 中尾 徳晶*; 糸賀 俊朗*; 中村 尚司*; 中根 佳弘; 中島 宏; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 山川 裕司*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.789 - 792, 2006/06
被引用回数:6 パーセンタイル:43.74(Instruments & Instrumentation)J-PARC施設遮蔽では、詳細計算手法として、モンテカルロ輸送計算コードMCNPX, PHITS等を用いている。これら設計コードの計算精度を検証し、設計への適用性を検討するには、厚いターゲットから前方方向に放出される中性子のエネルギースペクトル実験データが重要である。しかし100MeVを超える入射エネルギー,前方方向の実験データはほとんどないのが現状である。そこで本研究では、設計コードの計算精度を検証することを目的として、大阪大学核物理研究センター(RCNP)・サイクロトロンに設置されたTOFコースにおいて、350MeV陽子入射によるTTY(Thick Target Neutron Yield)測定実験を行った。実験では、炭素,アルミニウム,鉄,鉛ターゲットから放出する前方方向の中性子エネルギースペクトルを、NE213液体有機シンチレータを用いて飛行時間法により測定した。実験では、測定におけるエネルギー分解能を上げるために、低エネルギー領域の測定では11.4m、高エネルギー領域では95mの飛行距離を用いた。実験結果をモンテカルロ輸送計算コードMCNPX, PHITSコードによる計算値と比較した結果、約20%以内で再現し、現在のJ-PARC施設遮蔽設計計算が十分な精度を有していることを検証した。
前川 藤夫; Von-Moellendorff, U.*; Wilson, P. P. H.*; 和田 政行*; 池田 裕二郎
Reactor Dosimetry: Radiation Metrology and Assessment (ASTM STP 1398), p.417 - 424, 2001/00
50-MeVまでの中性子場のドシメトリーに必要な反応断面積セットを作成した。ドイツ・カールスルーエ研究所のサイクロトロン施設のd-Be,d-Li中性子源によりAl,Co,Tm,Bi等の放射化箔検出器を照射し、放射化反応率を測定した。一方モンテカルロ計算により照射場の中性子スペクトル推定値を求め、これを放射化反応率の実験値と整合するように調整した。この過程で問題のありそうな断面積データについての見直しを行い、最終的に反応断面積及び中性子スペクトル全体で整合性が保たれるようにした。以上により、低しきい値の(n,n'),(n,p),(n,),(n,2n)反応から40-MeVを越えるしきい値を持つ(n,5n),(n,6n)反応を含む50-MeVまでのドシメトリー反応断面積セットを作成した。
深堀 智生; 千葉 敏; 柴田 恵一; 池田 裕二郎; 有賀 武夫; 渡辺 幸信*; 村田 徹*; 山野 直樹*; 川合 將義*
Reactor Dosimetry: Radiation Metrology and Assessment (ASTM STP 1398), p.591 - 598, 2001/00
原研核データセンターではシグマ委員会の協力の下、International Fusion Material Irradiation Facility (IFMIF)における照射損傷推定の基礎データであるJENDL PKA/KERMA Fileを整備している。同ファイルには、29元素78核種の一次反跳原子(PKA)スペクトル、KERMA因子、はじき出し断面積(DPA)を10eVから50MeVのエネルギー範囲で格納予定である。中重核に関しては、上記物理量を評価済核データファイルから実行単一粒子放出近似(ESPEA)を用いて計算するために、処理コードシステムESPERANTが開発された。軽核に関しては、PKAスペクトルはSCINFUL/DDXやEXIFONコードを用いて、中性子核データと同時に推定された。本報告では、ESPEAによる処理法の信頼性の検証及びJENDL PKA/KERMA Fileの現状に関して報告する。
千葉 敏; 岩本 修; Suddrovitskii, E. S.*; 渡辺 幸信*; 深堀 智生
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(6), p.498 - 508, 2000/06
核子とCの反応を記述する光学ポテンシャルを得るために、軟回転体模型を用いてCの集団準位構造、B(E2)データと中性子及び陽子反応断面積の統一的な解析を行った。異なる励起準位への遷移を記述するために、軟回転体模型による集団準位構造の解析により得られた励起準位間の結合強度が本質的に重要であることが判明した。また、陽子散乱データを解析に含めることにより、高いエネルギー領域までの光学ポテンシャルを精度良く決定することが可能となった。この結果、このモデルが150MeVまでのさまざまな観測量を良い精度で記述できることがわかり、高エネルギー核データライブラリーを初めとする核子入射核反応データ整備の強力な手法となり得ることが示された。
Sukhovitskii, E. S.*; 岩本 修; 千葉 敏; 深堀 智生
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(2), p.120 - 127, 2000/02
飽和結合様式を用いる軸対称の硬回転体模型に基づくチャンネル結合理論によって、150MeVまでのエネルギー領域でのUの核子入射反応に対する光学模型ポテンシャルの推定を行った。中性子及び陽子の散乱断面積と中性子の全断面積をほぼ実験誤差内で記述できる光学ポテンシャルを得ることができた。このポテンシャルを用いて計算された、10MeV以上の中性子に対する吸収断面積は従来の計算値より10%程度大きな値となった。
Annakkage, T.*; Jnecke, J.*; Winfield, J. S.*; Berg, G. P. A.*; Brown, J. A.*; Gawley, G. A.*; Danczyk, S.*; 藤原 守; Mercer, D. J.*; Pham, K.*; et al.
Nuclear Physics A, 648(1-2), p.3 - 44, 1999/03
被引用回数:21 パーセンタイル:46.05(Physics, Nuclear)(Li, Be)及び(Li, Be)核反応が50AMeVの入射ビームエネルギーにおいてLi, C, Zr, Sn, Pb原子核を標的として測定された。アイソベクトル型の巨大共鳴が観測され、それらの微分断面積の角度分布が歪曲波近似を用いた散乱理論によって解析された。準弾性散乱に対応する連続状態を解析することにより、反応に関与する有効陽子数を求めた。