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Chen, J.; 浅野 雅春; 八巻 徹也; 吉田 勝
Journal of Applied Polymer Science, 100(6), p.4565 - 4574, 2006/06
被引用回数:44 パーセンタイル:75.66(Polymer Science)スチレンの誘導体であるメチルスチレン(MeSt)の線グラフト重合反応及び得られた膜の特性に及ぼす架橋剤の影響について検討した。架橋剤として、ジビニルベンゼン(DVB),ビスビニルフェニルエタン(BVPE),トリアリルシアヌレート(TAC)を用いた。グラフト重合反応性は、DVBの場合、3%までグラフト率の急激な上昇が見られたが、その後濃度が高くなるに従い、急激に低下した。また、BVPEでは、40%までグラフト率の上昇が確認できた。TACの場合、グラフト率は40%まで変化しなかった。得られた架橋剤導入電解質膜の耐酸化性試験の結果、スルホン酸基の脱離は架橋剤の導入により、抑制されることがわかった。その抑制効果は、架橋剤の種類により異なり、TAC, BVPE, DVBの順に大きくなった。
Chen, J.; 浅野 雅春; 八巻 徹也; 吉田 勝
Journal of Membrane Science, 256(1-2), p.38 - 45, 2005/06
放射線同時照射法による新しい燃料電池用電解質膜を作製した。電子線架橋したPTFE膜に放射線同時照射法により、プロピルビニルエーテル(nPVE)及びイソプロピルビニルエーテル(iPVE)をグラフト重合させたところ、照射線量とともにグラフト率は、見かけ上直線的に増加することがわかった。また、照射温度を変化させた場合、グラフト反応はそれぞれの沸点付近において急激に進行した。一方、塩化アルミなどの触媒を共存させることにより、グラフト率は顕著に加速された。スルホン化後の電解質膜の特性を調べたところ、イオン交換容量が小さいにもかかわらずナフィオンに同等のプロトン導電性を示した。
長澤 尚胤; 八木 敏明; 久米 民和; 吉井 文男
Carbohydrate Polymers, 58(2), p.109 - 113, 2004/11
被引用回数:116 パーセンタイル:96.14(Chemistry, Applied)カルボキシメチルデンプン(CMS)をペースト状態の高濃度水溶液で照射して橋かけし、生分解性ハイドロゲルを合成した。CMSの橋かけに必要な濃度,蒸留水や生理食塩水中のゲルの吸水性及び生分解性について検討した。最適な濃度は、20から50%で、1gの乾燥ゲルは、蒸留水中で約500gを、生理食塩水中で約26gを吸水した。また、CMSゲルの生分解性は調整堆肥内で2週間後、約40%と未照射と変わらず、標準セルロース粉末よりも分解しやすいことがわかった。デンプンはアミロースとアミロペクチンの二成分からなっており、橋かけに寄与する成分をカルボキシメチルアミロースとカルボキシメチルアミロペクチンを用いて検討した結果、アミロペクチン成分が橋かけに寄与していることがわかった。
大島 明博; 宇田川 昂; 森田 洋右
Radiation Physics and Chemistry, 60(1-2), p.95 - 100, 2001/01
被引用回数:8 パーセンタイル:52.3(Chemistry, Physical)本報告は、放射線プロセスによる炭素繊維強化ポリテトラフルオロエチレンの開発について述べたものである。連続した炭素繊維を強化繊維とし、ポリテトラフルオロエチレンが均一に分散した系で含浸させた後、350で焼成した一方向のプリフォームを準備した。用意したプリフォームをArガス中で高温電子線照射を行うことで、マトリクスを架橋させて、複合材料を得た。得られた材料の諸特性を評価した結果、曲げ強度370MPa、曲げ弾性率64GPa、耐放射線性12MGyの良好な値を示した。したがって、放射線環境下で使用可能な、フッ素系複合材料を開発できた。
大島 明博; 瀬口 忠男; 田畑 米穂
Polymer International, 48, p.996 - 1003, 1999/00
被引用回数:24 パーセンタイル:68.24(Polymer Science)室温並びに液体窒素温度において線を照射し、架橋ポリテトラフルオロエチレン(RX-PTFE)中に誘起されるフリーラジカルの挙動をESRにより観察した。RX-PTFE中に捕捉されるラジカルは真空中ではおもに、アルキル型であり、空気中では、過酸化ラジカルであった。捕捉ラジカルのG値は、約3程度とPTFEの数十倍の値を示し、RX-PTFEの架橋密度に依存し増加傾向にあった。また、過酸化ラジカルを酸素不在下で加熱処理するとアルキルラジカルを誘起し、この反応は、フッ素原子の引抜き反応によることが明らかになった。
神村 誠二*; 瀬口 忠男; 岡村 清人*
Radiation Physics and Chemistry, 54(6), p.575 - 581, 1999/00
被引用回数:26 パーセンタイル:85.55(Chemistry, Physical)ケイ素高分子のポリカルボシラ繊維を不活性ガス(He)中で電子線照射して不融化処理し、アンモニアガス中で、1000Cまで焼成する方法により、窒化ケイ素繊維を合成した。アンモニアガス中で焼成した後、窒素ガス中で1000Cから1300Cで処理すると、安定化され、酸化が抑制されて強度が向上した。この窒化ケイ素繊維は1200Cの耐熱性と高い電気絶縁性があり、電線の絶縁に応用した。この電線は可とう性があり、1000Cの高温まで使用できると判定される。
大島 明博; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Proceedings of IUPAC World Polymer Congress 37th International Symposium on Macromolecules (MACRO 98), P. 56, 1998/00
室温及び77Kで線を照射し放射線架橋ポリテトラフルオロエチレンに誘起されるフリーラジカルの挙動をESRにより、研究した。架橋PTFEに捕捉それるラジカルのG値は、未架橋PTFEに比べ数十倍の値を示し、架橋密度と依存して増大する傾向にあった。また、フリーラジカルは、酸素と容易に反応し、過酸化ラジカルに転換するが、架橋密度が高くなると、酸素の拡散速度が遅くなり、完全に酸化されるまでの時間が長くなることが判明した。加えて、過酸化ラジカルを真空中で加熱するとフッ素原子の引抜き反応が起こり、アルキルラジカルを誘起することを見いだした。
瀬口 忠男
Isotope News, (521), p.10 - 13, 1997/10
テフロンの放射線照射による架橋について、架橋の方法及び架橋したテフロンの特性を解説した。テフロンは結晶融点(327C)の直上の温度で電子線照射すると架橋し、それ以外の温度では分子鎖の切断が起こる。架橋テフロンは力学特性が向上し、特に、耐放射線性は数100倍に向上した。また、耐摩擦性も100倍以上に向上した。
大島 明博; 池田 重利*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Preprints of 6th SPSJ International Polymer Conference, P. 237, 1997/00
耐熱性や耐薬品性,電気絶縁性に優れたポリテトラフルオロエチレンは、耐放射線性が極めて悪く、放射線場での利用には不適切な材料であった。われわれのグループは、特殊条件下でポリテトラフルオロエチレンが放射線架橋することを見いだした。また、架橋体の諸特性を評価し、その結果を報告する。
大島 明博*; 池田 重利*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 50(5), p.519 - 522, 1997/00
被引用回数:26 パーセンタイル:86.38(Chemistry, Physical)エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)における放射線誘起反応に及ぼす温度の影響を考察した。弾性率と降伏点強度は線量とともに増大した。その現象は特に融点以上での照射の場合顕著であった。結晶化熱量についても融点付近での照射による変化は他の温度に比べきわめて大きいことがわかった。また、ETFEの250nm付近の光吸収バンドは照射温度の増加に伴い長波長側に移動した。その結果、架橋と共役二重結合は広い温度領域でおき、それらの反応は、温度の増加によって加速される。
大島 明博*; 池田 重利*; 工藤 久明; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 50(6), p.611 - 615, 1997/00
被引用回数:60 パーセンタイル:95.92(Chemistry, Physical)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の放射線照射効果の温度依存性について実験を行った。示差走査熱分析計を用い、結晶化の熱量(Hc)を測定した。「諏訪の関係式」を用いて分子量(Mn)を算出した。この分子量の変化を基に、分解のG値の温度依存性を導出した。さらに結晶融点での架橋のG値についても推定した。
大島 明博*; 池田 重利*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 49(2), p.279 - 284, 1997/00
被引用回数:92 パーセンタイル:98.16(Chemistry, Physical)放射線架橋ポリテトラフルオロエチレンの耐放射線性を引張試験及びDSCによる熱分析から調べた。未架橋のPTFEに比べ、架橋したものでは、真空中・室温の条件では数百倍にその耐放射線性は向上した。
大島 明博*; 池田 重利*; 瀬口 忠男; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 49(5), p.581 - 588, 1997/00
被引用回数:53 パーセンタイル:95.02(Chemistry, Physical)放射線架橋ポリテトラフルオロエチレンの分子運動性の変化を動的粘弾性試験により調べた。架橋によりその分子運動は抑制された。特に、室温転移である転移が消滅し、転移が高温側にシフトした。未架橋のものと比較することにより、その運動性の帰属を明らかにできた。
伊藤 泰男*; F.M.H.Mohamed*; 瀬口 忠男; 大島 明博*
Radiation Physics and Chemistry, 48(6), p.775 - 779, 1996/00
被引用回数:19 パーセンタイル:81.64(Chemistry, Physical)未照射PTFE、放射線架橋PTFE、放射線分解PTFE、高結晶性PTFEとその線照射物の5種類のPTFEについて、20Kから400Kの温度範囲でポジトロンの寿命測定を行い、オルソポジトロニウムの寿命と強度からPTFE中の空孔に関する情報を得ることを試みた。その結果、非晶質部分及び結晶と非晶質の境界の空孔を反映しており、粘弾性測定の結果と部分的に対応している。オルソポジトロニウムの強度は複雑であるが、ポジトロン照射の特異な側面が観測された。
田畑 米穂*; 大島 明博*; 高鹿 和信*; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 48(5), p.563 - 568, 1996/00
ポリテトラフルオロエチレンとポリスチレンの放射線照射効果に及ぼす温度依存性について調べた。ポリテトラフルオロエチレンは、融点直上で架橋するが、融点以下の温度では主鎖切断を起こす。しかし、77Kの極低温では、その切断は抑制される。一方、ポリスチレンは、室温照射では効果的に架橋するが、ガラス転移点異常の温度での照射では、切断が支配的になる。また、アタクテックとシンジオタクテックの構造の違いによりその照射効果は異なるとともに、結晶や非晶の違いにおいても照射効果の違いを観察した。
大島 明博; 田畑 米穂*; 池田 重利*; 乙幡 和重*; 工藤 久明; 瀬口 忠男
JAERI-Conf 95-003, 0, p.487 - 491, 1995/03
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に対し、酸素不在下において室温から融点を超える高温域までの各温度で電子線照射を行い、引張試験及び熱分析を行った。融点以上の340度前後で照射したものは、モジュラスや降伏点強度が増加し、結晶化熱量が減少した。これらのことからPTFEは、溶融状態照射で架橋することがわかった。また、架橋体について、室温・空気中での線照射による耐放射線性を引張試験により評価したところ、未架橋のPTFEに比べ100倍以上耐放射線性が向上していることがわかった。
大島 明博*; 田畑 米穂*; 工藤 久明; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 45(2), p.269 - 273, 1995/00
被引用回数:186 パーセンタイル:99.73(Chemistry, Physical)PTFEシートを真空下において室温から380Cまでの種々の温度で線及び電子線照射を行った。照射温度とともに破断強度及び破断伸びが低下した。しかし、PTFEの結晶化融点(327C)付近における照射では、強度及び破断伸びの低下は著しく抑制された。融点以下の照射では、強度及び伸びは数kGyで低下した。しかし、340Cの溶融状態での照射では、力学的特性が半減する線量は1MGyであった。また、溶融状態で照射した場合、熱分析からPTFEの結晶性は線量とともに減る。一方、引張試験によるモジュラス及び降伏点強度は線量とともに増大した。これらのことから、真空中、融点付近の溶融状態での放射線照射により、PTFEは架橋を起こすといえる。
山崎 孝則*; 瀬口 忠男
DEI-93-157, 0, p.35 - 44, 1993/12
ポリエチレンの化学架橋反応の過程をESRで測定しフリーラジカルの生成、消滅の反応挙動を追跡して、ラジカルの種類や反応温度依存性を明らかにした。また、添加した酸化防止剤の効果をラジカルの反応性を直接観測することにより調べ、架橋に対する阻害の度合いを明らかにした。
瀬口 忠男; 早川 直宏; 田村 直幸; 勝村 庸介*; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 37(1), p.141 - 146, 1991/01
n-CH、n-CHの高速中性子照射効果を線照射効果と比較して検討した。2量体及び3量体の架橋生成物の分析を行い、収率、化学構造を測定した。しかし、線照射の場合と比べて差が認められなかった。高速中性子はLETが線の200倍も高いが、活性種の生成から架橋反応に到る過程で分散し、低LETの線と同じ結果を与えるものと考えられる。
瀬口 忠男; 荒川 和夫; 田村 直幸; 勝村 庸介*; 林 成幸*; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 36(3), p.259 - 266, 1990/00
ポリエチレンのモデル化合物として、n-CH及びn-CHに線照射して生成される架橋物と分解物を高分子量質量分析計で調べた。照射線量を上げると、2量体から5量体までの架橋生成物が同定できた。しかし、架橋生成物にはより多くの不飽和を含むことがわかった。このことは2重結合を有する分子は架橋が起こり易くなるためであると考えられた。一方、分子鎖切断生成物はきわめて少なく、放射線による分子鎖切断の確率は無視できるほど小さいことがわかった。