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須貝 宏行
JAERI-Research 99-041, 164 Pages, 1999/07
トリチウム製造用のLi-Al合金は、
相(Al)と
相(金属間化合物
-LiAl)からなり、
-LiAlは多量のLi原子空孔及び置換型の格子欠陥を含む特異な化合物である。本研究では、
-LiAl中の格子欠陥によるキャリアの散乱モデルを提案し、このモデルにより、中性子照射前及び後の
-LiAlの電気抵抗率を矛盾なく説明した。このデータ解析の過程で、これまで明らかでなかった複合欠陥(Li原子空孔とAl格子点の置換Li原子からなる)の濃度(0.8at%)を求めた。さらに、
Li-Al合金中におけるトリチウム挙動を合金中の格子欠陥との関連で明らかにし、
Li-Al合金からのトリチウム抽出の温度条件を求め、37TBq(1,000Ci)規模のトリチウム製造に応用した。
須貝 宏行; 棚瀬 正和; 矢萩 正人*
Journal of Nuclear Materials, 254(2-3), p.151 - 157, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.47(Materials Science, Multidisciplinary)37TBq(1000Ci)のトリチウム製造に用いているLi濃度12.7at.%の
Li-Al合金について、トリチウム、プロチウム及びヘリウムの加熱放出挙動を明らかにした。第1報の場合と比較して、ヘリウムの放出挙動に顕著な違いが現れた。この原因を(n,
)反応による照射損傷との関連で検討した。また、安全により高純度のトリチウムガスを抽出するための条件を明らかにした。
棚瀬 正和; 加藤 岑生; 黒沢 清行; 本石 章司; 岡根 章五; 須貝 宏行; 藤江 誠; 小野間 克行; 山林 尚道
Journal of Nuclear Science and Technology, 25(2), p.198 - 203, 1988/02
改良したトリチウム分離捕集試験装置で、中性子照射したLi-Al合金ターゲットから1000Ci規模の製造試験を実施した。抽出、精製、回収工程で得られたトリチウムガスは、回収率約100%、化学的純度99%以上、同位体純度約95%と以前に報告した100Ciレベルでの結果を上回った。また、この試験中、設備外へのトリチウムの移行は、全く見られず、トリチウムの安全取扱い技術面でも向上した。
石川 勇; 棚瀬 正和; 加藤 岑生; 保泉 澄; 四方 英治
Appl.Radiat.Isot., 37(5), p.443 - 444, 1986/00
Li-Al合金を原子炉照射し、核融合炉燃料であるトリチウムの製造技術の開発の際、ターゲット処理前におけるトリチウム量の生成量評価は、工程管理上および安全上重要なことである。ここでは、ターゲット中のトリチウムの生成量を非破壊測定により求める簡便な方法として、ターゲット母材中に含まれている不純物である
Coをモニターとして活用することにより照射中の熱中性子束を評価する方法を試みた。乾式法によりターゲットの一部を処理し、トリチウムを分析した結果と事前評価の結果とを比較したところ、トリチウム生成量評価の方法として十分利用できる結果が得られた。
工藤 博司
放射線, 12(3), p.77 - 85, 1986/00
Li-Al合金をターゲットとする100Ci規模でのトリチウム製造、ガスクロマトグラフィによるトリチウムの濃縮、熱量計によるトリチウムの測定およびLi化合物中でのトリチウムの挙動について述べるとともに、トリチウム製造研究を通して得た経験を中心に、トリチウム安全取扱経験の一端を紹介する。
須貝 宏行; 櫛田 浩平; 棚瀬 正和
Journal of Nuclear Materials, 139, p.248 - 252, 1986/00
被引用回数:8 パーセンタイル:66.74(Materials Science, Multidisciplinary)長時間中性子照射したLi-Al合金(
Li;0.022wt%)からの水素ガス(H
,HT,T
)とヘリウム(He)の加熱放出を、
Li燃焼率と温度の関数として研究した。トリチウムガス(T
,HT)は650K付近で合金から急激に放出され、H
は670K付近から徐々に放出されたのに続き、Heは合金の融点付近で放出された。T
成分は、
Li燃焼率とともに増加した。得られたガス中のトリチウムの最大比放射能は、純粋なトリチウムガスの比放射能(2.14PBqmol
)にほぼ等しい1.98PBqmol
であった。650K付近でのトリチウムの急激な放出は、合金の再結晶または放射線損傷の回復に伴なって起こるのであろう。合金の融点以下ではおそらく合金中の欠陥にトラップされることにより、Heは放出されない。
工藤 博司
Radioisotopes, 34(8), p.432 - 441, 1985/00
昨年10月に開催された第7回放射線利用研究成果報告における講演原稿に加筆し、原研におけるトリチウム製造研究を中心に、核融合炉開発に関連するトリチウム化学研究の現状を総説としてまとめた。
佐伯 正克; 中島 幹雄; 荒殿 保幸; 立川 圓造
Journal of Nuclear Materials, 120, p.267 - 271, 1984/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.11(Materials Science, Multidisciplinary)Li-Al合金中のトリチウムの化学的挙動を、中性子照射した合金を0.5MNaOH/DO溶液に溶解することにより調べた。トリチウムは、比較的高いLi濃度合金中では、
相に濃縮されており、一部分はT
あるいはHTの形で合金中に析出していることを見いだした。さらに、Li-Al合金からのトリチウムの放出挙動を等速昇温法で調べた。トリチウムの主放出ピークはLi濃度が高くなるに従って、高温側へ移動した。この現象は、合金中でのトリチウムの拡散が、Liとの化学的相互作用により減速されることに起因している。
中島 幹雄; 佐伯 正克; 荒殿 保幸; 立川 圓造
Journal of Nuclear Materials, 116, p.141 - 146, 1983/00
被引用回数:15 パーセンタイル:81.65(Materials Science, Multidisciplinary)Li-Al合金中のトリチウムの拡散定数を、Li濃度の異なる3種類の合金を用いて調べた。0.02wt%Li-Al合金では、トリチウムの拡散定数はアルミニウム中の拡散定数に比べて約1桁小さい。拡散定数はLi濃度の増加に伴ないさらに大きく減少した。また拡散の活性化エネルギーもLi濃度依存性を示し、Li濃度の増加とともに大きくなる。これらの結果はLiとトリチウムの化学的相互作用に帰因するLiのトラッピング効果によるものと考えられた。
工藤 博司
Journal of Radioanalytical Chemistry, 67(1), p.37 - 46, 1981/00
トリチウム製造実験用ターゲット物質であるLi-Al合金を原子炉で照射した後、真空中での加熱によって気相に抽出したトリチウムの化学形を同定し、比放射能を測定した。トリチウムは主としてHTおよびHTOの形で抽出されるが、それらの収率は抽出温度に依存した。790Kから990Kの温度範囲では、HTが60~70%を占めた。しかし、770K以下あるいは1000K以上では、70%以上がHTOであった。収率は低いが、CHTおよびC
H
T(n=1,2)も認められた。これら化学種の生成過程を検討した。一方、HTの比放射能も、抽出温度に依存して大きく変化した。これは、
Li(n,
)T反応によって生成するトリチウムと、ターゲット中に不純物として存在するプロチウム(
H)の間に挙動の違いがあることに起因している。この結果は、プロチウムを不純物として含有するLi-Al合金ターゲットを用いても、高比放射能トリチウム(T
)の製造が可能であることを示唆してしる。