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勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; Yan, M.*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*
Nanomaterials (Internet), 13(1), p.76_1 - 76_9, 2023/01
被引用回数:2 パーセンタイル:66.71(Chemistry, Multidisciplinary)冷中性子以下の中性子強度を高めるため、ナノサイズグラフェンの集合体が、ナノダイヤモンドと同様に中性子のコヒーレント散乱を促進できることを提案した。さらには、グラフェンの強いsp2結合は、高い耐放射線性を有する可能性を秘める。理研の加速器駆動型小型中性子源やJ-PARCのiMATERIAを用いて、ナノサイズグラフェンの中性子全断面積測定,中性子小角散乱測定を行った。測定結果より、ナノサイズのグラフェン集合体は、コヒーレント散乱に起因すると考えられる冷中性子エネルギー領域での全断面積と小角散乱を増大させ、ナノダイヤモンドと同様に高い中性子強度をもたらすことを世界で初めて明らかにした。
石塚 悦男; 坂本 直樹*
Physical Sciences and Technology, 6(2), p.60 - 63, 2019/12
試験研究炉運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、Beの二段反応で生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためのベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止膜の概念検討として、PHITSで多様な材料のトリチウム反跳を計算した。この結果、3桁低下させるために必要なトリチウム反跳防止厚みは、材料によって依存するが2040m必要であることが明らかとなった。
石塚 悦男; Kenzhina, I.*; 奥村 啓介; Ho, H. Q.; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*
JAEA-Technology 2018-010, 33 Pages, 2018/11
試験研究炉の一次冷却材へのトリチウム放出機構解明の一環として、PHITSを用いてベリリウム、アルミニウム及び黒鉛製中性子反射体中のLi及びU不純物から反跳放出するトリチウムについて計算した。また、この結果を用いて、具体的にJMTR及びJRR-3Mのベリリウム中性子反射体を想定し、MCNP6及びORIGEN2でLi及びU不純物から生成するトリチウム量を計算してトリチウムの反跳放出量を評価した結果、Li及びU不純物から反跳放出するトリチウムは、ベリリウムから反跳放出するトリチウムに対して無視できる程度であり、それぞれ2桁及び5桁程度小さいことが明らかとなった。
勅使河原 誠; 原田 正英; 大井 元貴; 高田 弘
Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012061_1 - 012061_4, 2018/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.11(Nuclear Science & Technology)大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)では、高エネルギーパルス陽子ビーム(3GeV, 25Hz)を用いた核破砕反応により発生した中性子を、液体水素モデレータで減速し、実験装置にパルス冷熱中性子を供給する。モデレータや反射体容器構造材の放射線損傷により2020年ごろに交換時期を迎える。現在、交換に向けて、モデレータ及び反射体の予備機製作を進めている。予備機は、現在MLFで使用しているものと外観上は同じであるが、内部構造において、大きく2つ改良を加えた。一つは、水素輸送配管に線膨張係数の最も小さなインバー材を採用したこと。もう一つは、中性子ビームパルスをシャープにする熱中性子吸収材として、新たに金・インジウム・カドミウム(Au-In-Cd)材を開発したことである。5重の多重配管を構成する水素輸送配管では、インバー材を採用することで、熱収縮量を確保するために必要であった偏心構造を同軸構造に変え、製作性を大きく向上させた。熱中性子吸収材として、Au-In-Cd材は、残留放射能を大きく軽減する材料で、この用途に初めて開発されたものである。本件では、これら材料を導入したモデレータ・反射体の製作状況について報告する。
勅使河原 誠; 池田 裕二郎; 大井 元貴; 原田 正英; 高田 弘; 柿白 賢紀*; 野口 学*; 島田 翼*; 清板 恭一*; 村島 大亮*; et al.
Nuclear Materials and Energy (Internet), 14, p.14 - 21, 2018/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)J-PARCの1MWパルス中性子源では、中性子パルスの成形に用いるデカップラとして、異なる共鳴吸収材から構成し、1eVと高い中性子吸収エネルギーを有するAg-In-Cd合金を開発した。このデカップラによりパルス成形された中性子は、粉末解析の実験装置において最高分解能を更新したが、中性子照射によって生成される長半減期の108mAgの放射能が高いため使用済み機器の取扱においては短所であった。そこで、放射能を大幅に減らす代替材としてAuを使用したAu-In-Cd材の開発を行ってきた。しかしながら、実機のモデレータ・反射体に実用化する上で、大型のAu-In-Cd板と構造材のA5083材とをHIP接合し十分な接合強度を得ることが課題であった。本研究では、Au-In-Cd材の表面状態、大型化した熱容量の変化による接合部界面温度に関わる検討を行い、実規模大のHIP接合において、最適接合条件を見つけることができた。この結果、反射体へのAu-In-Cd材の実用化に成功し、中性子性能を損なわず、大幅な放射能低減の見通しを得た。
山内 通則*; 西谷 健夫; 西尾 敏
電気学会論文誌,A, 125(11), p.943 - 946, 2005/11
内側トロイダル磁場コイルに超伝導を用いた低アスペクト比トカマク炉を実現するために、中性子工学の観点から遮蔽体やトリチウム増殖ブランケットの設計条件を検討した。炉の形状を考慮するとトーラス内側は超伝導コイルの遮蔽専用、トーラス外側はトリチウムの増殖を主たる機能に特化するのが有利と考え、内側遮蔽体には先進的な遮蔽材を採用して最適な組成とコイル遮蔽に必要な遮蔽厚さを評価した。また外側には、先進的なトリチウム増殖材を用いて、増殖比を最大にするために最適なブランケットの組成や構造を検討した。さらに、アスペクト比に対するトリチウム増殖比の変化を求め、アスペクト比が22.5程度の幾つかのブランケット構造に対するトリチウム増殖比とそれらを1.1以上にするための条件を明らかにした。
勅使河原 誠; 相澤 秀之; 原田 正英; 木下 秀孝; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 神永 雅紀; 加藤 崇; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2005-029, 24 Pages, 2005/05
J-PARCの物質・生命科学実験施設に設置する核破砕中性子源の建設が進められている。その中心部に設置されるモデレータや反射体は、放射線損傷により定期的に保守を必要とする。設置される機器の保守に必要な遠隔操作機器の設計概念並びに保守シナリオの検討の現状をまとめた。使用済みモデレータや反射体は、減容した後、施設外に運び出し保管する。この計画に従って遠隔操作機器の設計を行った。保守作業は、配管の着脱等の一部人手による作業を除いて、すべて遠隔操作によって行う。配管の着脱作業については、ベリリウム(Be)の蓄積のため、将来的に配管接続部に遠隔化を図れる構造とした。6台の遠隔操作機器が必要となり、モデレータや反射体以外に陽子ビーム窓やミュオンターゲットの保守にも対応する。保守のシナリオは、使用済み機器の交換作業及び保管作業からなる。前者は、運転停止中に行う。運転停止期間を可能な限り短くするため廃棄作業と分離した。これら保守に必要な日数を見積もったところ、交換作業は約15日程度必要となり、保管作業については、乾燥作業(約30日)後に、約26日程度となった。
Verzilov, Y. M.; 佐藤 聡; 中尾 誠*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 西谷 健夫
JAERI-Research 2004-015, 55 Pages, 2004/10
原研が提案しているDEMO炉の水冷却固体増殖ブランケット概念に対する単一増殖層模擬体系を用いて第1回の一連の積分実験を実施した。第1回の一連の実験の模擬体系は提案している概念の範囲で、できるかぎり単純になるよう計画した。実験の主要目的は、入射中性子のスペクトルに影響され易い第1壁近傍の増殖層のトリチウム生成率をどれだけ正確に予測できるかを確認することと、チタン酸リチウム層内で急激に変化する熱中性子場において改善した実験手法を確認することである。模擬体系は、16mm厚のF82H,12mm厚のチタン酸リチウム及び200mm厚のベリリウム層から成っている。またアーマー材を模擬するためにタングステン層を第1層の前面に追加した。模擬体系は面積等価直径628mmの疑似円筒形状のSS316容器内に設置した。模擬体系に対する積分実験は中性子源反射体付きと無しのD-T中性子源で照射して実施した。本報告では実験結果の解析計算の詳細について述べる。
甲斐 哲也; 原田 正英; 前川 藤夫; 勅使河原 誠; 今野 力; 池田 裕二郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(Suppl.4), p.172 - 175, 2004/03
J-PARC核破砕中性子源では大強度陽子(3GeV,1MW)がビーム窓を通過してTRMA(target-moderator- reflector-assembly)の水銀ターゲットに入射する。TMRA周辺の機器は1次陽子や2次粒子(中性子が主)により高度に放射化される。SS316製のターゲット容器が最も放射化されるが、デカップラー材であるAIC(Ag-In-Cd)合金も高度に放射化される材料である。反射体はベリリウムとアルミ被覆鉄からなり、中性子取出孔はAICで覆われている。またTMRA外側にはSUS316遮蔽が設置される。これら全ての機器は軽水,または重水で冷却されている。本論分では、メンテナンスシナリオ構築と施設設計基準を得るため、NMTC/JAM,MCNP4,DCHAIN-SPを使用してTMRA機器と冷却水の放射化を評価した結果を示す。結果から、遠隔操作メンテナンスの必要性、及び必要遮蔽厚さが示された。例として、反射体集合体に対して、表面線量を1mSv/h以下にするために、厚さ30cmの鉄キャスクが必要であり、キャスクを含めた機器の操作に130トンクレーンが必要となった。反射体のAl被覆鉄をSS316の代替として採用した結果、SS316中のニッケルの放射化を除去することができ、キャスク重量も軽減された。このような結果に基づき、施設の遮蔽壁が設計され、高放射化物のメンテナンスシナリオを構築した。
藤井 貴美夫; 松尾 秀人*
JAERI-Review 2002-034, 44 Pages, 2002/12
日本原子力発電(株)東海発電所などの黒鉛減速ガス冷却炉では多量の黒鉛材料が減速材や反射材として使用されている。この種の原子炉の廃止措置にあたっては運転期間中に炉心黒鉛材料中に生成した半減期の極めて長い炭素14の濃度を把握し、必要であれば、その濃度を低減する技術を開発することが、処理処分の観点から重要な課題の一つとされている。東海発電所は平成10年3月に営業運転を終了し、廃止措置のための種々の検討が行われている。照射黒鉛の取り扱い技術の開発は重要な検討課題の一つであり、中でも炉心黒鉛を処分するためには炭素14の濃度が問題となることが指摘されている。この問題を解決するための研究の一環として炭素14に関連する文献調査を行った。本報告書は炭素14の挙動や分離技術を主として調査した公開文献の概要を整理したものである。また、本文中で述べていない関連文献は、付録として調査文献リストを掲載した。
原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(8), p.827 - 837, 2002/08
被引用回数:18 パーセンタイル:73.04(Nuclear Science & Technology)非結合型(超臨界)水素モデレータについて、高い中性子性能を実現するために、デカップリングエネルギーを変えて、プリモデレータと反射体材質(鉛,ベリリウム,鉄,水銀)に関する最適化研究を行った。その結果、鉛反射体中で、最適化されたプリモデレータと、適切なデカップリングエネルギーの採用により、ベリリウム反射体を用いた場合より、高い中性子性能が得られることを示した。
中島 宏; 高田 弘; 春日井 好己; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 甲斐 哲也; 今野 力; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 渡辺 昇; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1155 - 1160, 2002/08
次世代の数MW級核破砕中性子源の開発を目的として、日米欧の国際協力の下、米国ブルックヘブン国立研究所においてAGS(Alternating Gradient Synchrotron)加速器を用いた一連の実験が行われている。実験では、AGS加速器から得られる数GeV,数百kJの陽子ビームを水銀核破砕ターゲットに入射して、中性子源開発における重要な課題である、圧力波発生機構,中性子発生特性,遮蔽設計パラメーターに関する情報を得るため、圧力波測定,発熱分布測定など熱工学的実験並びに、発生中性子分布,エネルギースペクトル測定,遮蔽体内中性子減衰特性測定,核破砕生成物測定等,中性子工学実験及び遮蔽実験を行っている。ここでは、中性子工学実験及び遮蔽実験に関してこれまでに得られた成果など研究の現状について紹介する。
甲斐 哲也; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 原田 正英; 坂田 英明*; 池田 裕二郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(2), p.120 - 128, 2002/02
被引用回数:12 パーセンタイル:60.59(Nuclear Science & Technology)高い積分強度の冷中性子ビームに対する利用者からの要求が大きいため、2つの取り出し面を確保し、できるだけ多くのビームラインを配置できるよう結合型液体水素モデレータの設計検討を行っている。本研究では、これまで提案してきた背中にプリモデレータを共有する2つのモデレータを、より単純化した拡張型プレモデレータ付き単一のモデレータを提案し、さまざまな視点(モデレータ厚さ,プレモデレータ拡張寸法,反射体材料,パルス特性,等)からの最適化を行った。その結果、これまでの中性子強度と遜色なく、パルス特性が改善され、また工学的熱負荷を低減できることが示された。この結果は、統合計画の冷中性子モデレータ設計に反映させることとした。
原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎
JAERI-Research 2001-016, 32 Pages, 2001/03
高性能な非結合型水素モデレータの設計のために、プリモデレータ、反射体材質の選択、ライナー長さの最適化に関する検討を行った。中性子工学計算には、NMTC/JAMコード及びMCNP-4Cコードを用いた。結果から、鉛反射体下では、デカップリングエネルギー、プレモデレータの形状及び厚さを調整することにより、ベリリウム反射体下でパルス特性を凌駕することが可能であることが示された。反射体材質の選択では、鉛反射体や水銀反射体では、プリモデレータの利用により、中性子強度が増加することやモデレータ内核発熱が軽減することが示された。また、軽水プリモデレータを使用すると、パルステールが小さくなるが、重水プリモデレータを使用するとピーク強度が大きくなることも示された。中性子工学の観点から、最小のライナー長さが得られた。
春日井 好己; 高田 弘; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 中島 宏; 池田 裕二郎; 猪野 隆*; 佐藤 節夫*; Jerde, E.*; Glasgow, D.*
JAERI-Data/Code 2000-042, 62 Pages, 2001/02
ASTE (AGS Spallation Target Experiment)共同実験の一環として、ブルックヘブン国立研究所のAGS加速器を使って、鉛反射対及び軽水減速材付き水銀ターゲットからGeV領域の陽子入射によって発生する核破砕中性子の特性を実験的に調べた。入射陽子のエネルギー1.94,12及び24GeVについて、水銀ターゲットに沿った位置における種々の反応率を放射化法で測定した。放射化検出器としては、インジウム,ニオブ,アルミニウム,コバルト及びビスマスを用い、0.33~4.09MeVのしきいエネルギーをカバーした。本レポートは、実験方法及びすべての実験結果をまとめたものである。
原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎
JAERI-Research 2000-014, p.40 - 0, 2000/03
大強度核破砕中性子源において検討されている非結合型超臨界水素モデレータの高性能化を目指して、核的特性に関する検討を行った。計算には、NMTC/JAERI97コード及びMCNP4Bコードを用いた。計算の結果、平面型のプリモデレータをターゲットとモデレータの間に設置した場合は、中性子強度はプリモデレータ厚さ1.5cmで利得が最大になり、モデレータ内核発熱はプリモデレータ厚さ増加に従って単調に減少するとともに、パルスの時間半値幅はほとんど変わらないことが示された。これは、プリモデレータ導入が、今後の熱中性子モデレータの設計に有効であることを示す。また、プリモデレータをモデレータの周りに巻いて、中性子ビーム引き出し孔側に拡張すると、パルスの時間半値幅はほとんど変わらず、モデレータ内核発熱が軽減されることが示された。さらに、プリモデレータ厚さ1.5cm拡張長さ5cmで最大の中性子強度が得られることが示された。また、プリモデレータの反射体材質依存性として、鉛反射体の方が、ベリリウム反射体より、プリモデレータ効果が大きいことが示された。一方、ポイズンにより中性子特性が向上することが示されたが、MW級に核破砕中性子源では、ポイゾン中での発熱が膨大であることから、その使用は不可能であると結論された。デカップリングエネルギー依存性の計算結果から、デカップリングエネルギー1eVが、モデレータ特性にとって最適であることが示された。モデレータの厚さとモデレータの側面サイズ及び中性子引出し面サイズに関して検討を行った結果、モデレータサイズや中性子ビーム引出し面サイズは、それぞれ12125cm、1010cmが最適であることが示された。以上の結果をもとに、基準非結合型水素モデレータモデルを提案した。
渡辺 昇; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 原田 正英; 坂田 英明*; 池田 裕二郎; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 大山 幸夫
Proceedings of 8th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-8) (CD-ROM), p.12 - 0, 2000/00
統合計画核破砕パルス中性子源の設計開発研究の最近の進展について、中性子工学研究を中心にターゲット開発の現状について述べる。中性子工学では、ターゲット・モデレータ・反射体系の概念設計の高度化を非常に広範囲な要素別に最適化研究を行い種々の新しいアイディアの提案とともに、世界最高性能の実現に向けて迫りつつある。このような高性能をターゲット工学の立場から可能とするため、熱流動、構造・材料にわたる広範囲な開発研究が進行中で、その問題点、開発シナリオ、最近の技術的データ、解析結果等について述べる。また計画の第一期にあっては陽子ビーム出力は1MWであるが第二期にあっては5MWに増力されることが本計画の重要な柱であり、そのためにはどのような陽子エネルギー、パルス繰り返し周波数を目指すべきかを判断するための基礎となるデータを蓄積中で、そのことについても報告する。
奥野 浩; 片倉 純一
JAERI-Tech 99-033, 17 Pages, 1999/03
臨界安全評価の際に、評価対象をモデル化する。このうち、反射材及び隔離材をモデル化するうえで有用な、これらの影響を示すデータを数値計算により算出した。(1)ステンレス鋼製の容器壁の反射の影響を、外側に反射体がない場合、及び外側に水反射体が付いている場合に検討した。(2)非減速燃料でコンクリートを隔離材とするときに、それらを介在した中性子相互作用の大きさを表す係数RFを導入し、その係数の隔離材の厚さの関係を示した。(3)隔離厚さと水素原子の原子個数密度との関係をさまざまな隔離材の種類について求めた。これらの計算結果は、既に「臨界安全ハンドブック」に引用されている。ここに、それらの計算の詳細を公開する。
勅使河原 誠*; 渡辺 昇*; 高田 弘; 甲斐 哲也; 中島 宏; 永尾 忠司*; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 小迫 和明*
JAERI-Research 99-020, 33 Pages, 1999/03
原研中性子科学研究計画で目指す5MW短パルス核破砕中性子源で提案されている基準ターゲット・モデレータ・反射体システムの性能評価を行うため、各種モデレータから得られる冷、熱及び熱外中性子強度に関するニュートロニクス計算を行った。陽子ビーム出力(MW)当たりの中性子強度は、最も関心の高い冷中性子の場合、他の計画中(SNS及びESS)の同規模の大強度中性子源と比較して高い効率で得られることがわかった。さらに、5MWの出力では、現存するILL強力中性子源の時間積分強度で1.5倍、ピーク強度で約80倍の強度を与える結果となった。また、基準系に対するターゲット形状/サイズの中性子強度に及ぼす影響を検討した。その結果、ターゲット形状の変化は、特にモデレータのない方向の増減は、中性子強度に大きな影響を及ぼさないことが示され、ターゲットの工学的な設計上の大きな裕度を与え得ることが明らかとなった。
吉島 哲夫; 田中 純利; 根本 傳次郎
JAERI-Tech 98-052, 69 Pages, 1998/11
研究炉部では、3基の研究炉を運転管理し、減速材、冷却材及び反射材として使用するために約41トンの重水を保有している。これらの重水は、米国、カナダ及びノルウェーから輸入している。このうちのカナダから輸入した重水は、日加原子力協定において国際規制物質としての管理が義務付けられていることから全ての重水は国際規制物質に準じた方法で厳密な計量管理を実施している。本報告書は、各炉での在庫量の変動と重水の計量管理等についてまとめたものである。