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Hourcade, E.*; 三原 隆嗣; Dauphin, A.*; Dirat, J.-F.*; 井手 章博*
Proceedings of 2018 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2018) (CD-ROM), p.556 - 561, 2018/04
2014年度に締結された協力協定のフレームワークの中で、仏国のCEAとAREVA-NP、日本の原子力機構と三菱重工業(MHI)及び三菱FBRシステムズ(MFBR)は、崩壊熱除去系(DHRS)のような機器設計を共同で進めている。本論文では、ASTRIDのDHRSの設計方針に関する進展とレファランスとして選定した系統構成やその目的を紹介する。特に、通常の原子炉停止時の崩壊熱除去と炉壁冷却システムの役割について新たな検討を行った。また、タンク型炉の原子炉容器内での自然循環の促進を図るため、ホットプレナムとコールドプレナムとの間に冷却材流路を形成するシャッター機構を対象に設計検討を進めた。
Hourcade, E.*; Curnier, F.*; 三原 隆嗣; Farges, B.*; Dirat, J.-F.*; 井手 章博*
Proceedings of 2016 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2016) (CD-ROM), p.1740 - 1745, 2016/04
2014年度に締結された協力協定のフレームワークの中で、仏国のCEAとAREVA-NP、日本の原子力機構と三菱重工業(MHI)及び三菱FBRシステムズ(MFBR)は崩壊熱除去系(DHRS)のような機器設計を共同で進めている。本ペーパーでは、ASTRIDのDHRSの現状の設計方針を紹介する。特に、原子炉容器内に配置される複数の熱交換器については設置位置を変えることで運転温度条件に関する多様性を確保することとしており、日本側が2014年から設計検討を開始しているコールドプール設置型の崩壊熱除去系は、過酷事故時のコアキャッチャー上の溶融物質炉心冷却機能にも活用可能となっている。
小竹 庄司; 阪本 善彦; 三原 隆嗣; 久保 重信*; 宇都 成昭; 神島 吉郎*; 青砥 紀身; 戸田 幹雄*
Nuclear Technology, 170(1), p.133 - 147, 2010/04
被引用回数:36 パーセンタイル:91.01(Nuclear Science & Technology)原子力機構は、電力会社と協力して「高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCT)」プロジェクトを実施している。FaCTプロジェクトでは、JSFRの概念設計検討とJSFRに取り入れる革新技術の開発を、両者の整合性に留意しつつ実施している。2015年頃までに開発を行うことが現時点での目標であり、その後、JSFR実証炉の許認可手続きに入っていくこととなる。本論文は、設計要求,JSFR設計の特徴及び経済性に関する評価結果について記述したものである。さらに、JSFRの主要な革新技術について開発状況を簡潔に紹介した。
石川 宏樹; 高松 操; 川原 啓孝; 三原 隆嗣; 栗坂 健一; 寺野 壽洋; 村上 隆典; 則次 明広; 井関 淳; 齊藤 隆一; et al.
JAEA-Technology 2009-004, 140 Pages, 2009/05
確率論的安全評価(PSA: Probabilistic Safety Assessment)は、原子炉施設の合理的安全規制・安全管理活動の一つであり、日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉のPSA手順標準化のための技術基盤整備を目的に、定格出力運転時における内的事象に対するPSAにかかわる研究を実施している。当該研究の一環として、高速実験炉「常陽」について、レベル1PSAを試行し、出力運転時における内的事象に起因して炉心損傷に至る事故シーケンスの同定及び炉心損傷頻度を定量化した。本研究の結果、「常陽」における全炉心損傷頻度は5.010/炉年であり、IAEA INSAG-12に記載された炉心損傷頻度の目標値である10/炉年(既設炉に対して)及び10/炉年(新設炉に対して)を下回っていることを確認した。
宇都 成昭; 堺 公明; 三原 隆嗣; 戸田 幹雄*; 小竹 庄司; 青砥 紀身
Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), p.9298_1 - 9298_11, 2009/05
FaCTで進めている我が国の先進ループ型高速炉(JSFR)の設計研究及び関連する革新技術開発の現状を報告する。JSFRでは経済性向上のためコンパクトな原子炉容器を設計しており、水試験による炉内流動適正化や新しい燃料交換機開発のための実規模試験体の設計・製作などを設計に反映した。建設コスト削減のため格納容器と原子炉建屋の一体化を目指しており、その技術的実現のための要素試験を行った。受動安全による安全性向上のため自己作動型炉停止機構(SASS)と自然循環による崩壊熱除去システムを取り入れており、「常陽」を用いたSASS構成要素の照射データ取得,3次元熱流動評価手法の開発成果を各々の設計に反映した。高速炉の特徴に適合する保守・補修及び検査の方針を策定し、革新的な検査技術の開発を進めている。その他、短縮化2重配管,ポンプ組込型中間熱交換器,直管2重管型蒸気発生器,再臨界回避概念,免震システムなどの重要な革新技術についても、解析的及び実験的研究とともに開発を進めている。本研究の成果は、2007年に開始した実証炉の概念検討の結果と合わせて、2010年の革新技術の採否判断の不可欠な材料となる。
臼井 伸一; 三原 隆嗣; 小幡 宏幸; 小竹 庄司
Proceedings of 2008 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '08) (CD-ROM), p.512 - 518, 2008/06
Na高速炉の燃料交換は、冷却材であるNaの化学的に活性で不透明であるという性質から大きな技術的課題の1つとなっている。JSFRの設計では、既存のFBRプラントでの安全で信頼性のある燃料交換運転経験に基づいてさらに合理的で信頼性のある燃料取扱い系の開発を進めている。開発は、燃料取扱い設備物量を削減し、燃料交換時間の短縮を図ることで経済的競争力を増すことを目的に幾つかの革新的な概念を研究しており、今後構成要素の試験やモックアップ試験によりその成立性を確認することとしている。
小竹 庄司; 三原 隆嗣; 久保 重信; 青砥 紀身; 戸田 幹雄*
Proceedings of 2008 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '08) (CD-ROM), p.486 - 495, 2008/06
原子力機構は、電力会社と協力して、「高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCT)」プロジェクトを実施している。FaCTプロジェクトでは、JSFRの概念設計検討とJSFRに取り入れる革新技術の開発を、両者の整合性に留意しつつ実施している。2015年頃までに開発を行うことが現時点での目標であり、その後、JSFR実証炉の許認可手続きに入っていくこととなる。本論文は、設計要求,JSFR設計の特徴及び経済性に関する評価結果について記述したものである。さらに、JSFRの主要な革新技術について開発状況を簡単に紹介した。
三原 隆嗣; 小竹 庄司
Proceedings of 15th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2006/10
JSFR(JAEA Sodium Fast Reactor)の設計研究では、経済的競争力の向上が重要な開発目標の1つである。JSFRの設計研究では、NSSSの物量削減のために数々の革新技術を採用し、またBOPの物量削減を狙って完全自然循環型崩壊熱除去系を採用した。このような方策を導入した結果、経済性にかかわる設計要求を満たす可能性のあることが確認され、プラント建設費1000USD/kWe(NOAK,オーバーナイトコスト)が達成できる見通しを示すことができた。
三原 隆嗣; 江沼 康弘; 梅津 陽一郎; 川崎 信史; 小林 順; 神山 健司; 山本 昌宏
JNC TY9400 2001-012, 1793 Pages, 2001/06
1999年度より2年間で実用化戦略調査研究フェーズIを実施した。本報告書は実用化戦略調査研究の中で対象としたFBRプラントシステムについて、技術的成立性、経済性等の観点から検討を加えた結果をまとめたものである。本件では、FBRプラントを構成する冷却材及び燃料の組合わせとして現状考えられるものは全て対象にし、同時点での技術情報に基づき、冷却材ごとにプラントシステムの技術的成立性及び経済的成立性について評価した。その結果、冷却材ごとにプラントフェーズIで設定した設計目標を満たす有望なプラント概念を示した。
三原 隆嗣; 江沼 康弘
Seminar between Japan and Russia On FBR Cycle Development, 0 Pages, 2001/00
重金属冷却高速炉プラントの有望概念を追及することを目的として、複数のプラント候補概念を対象に概念設計研究を実施し、技術的成立性、経済性の観点から各々の概念に対して比較評価を行った。高荷重条件下での構造健全性の技術的成立性の観点から大型炉よりも中型炉の方が課題が少ないこと、冷却材については運転許容温度範囲やメンテナンス性等の点で鉛よりも融点の低い鉛ビスマスが有利であることから、有望概念として鉛ビスマス中型モジュ-ル炉を摘出した。更に、鉛ビスマス中型モジュ-ル炉(40万kWe)に対して、完全自然循環炉心冷却方式を採用した場合の概念設計研究を実施し、プラント建設コストの概略評価を行った。その結果、更なる出力増大(55万kWe)とモジュ-ル生産効果等により、目標値であるプラント建設費20万/kWeが達成できる可能性のあることを見出した。
三原 隆嗣; 江沼 康弘; 田中 良彦; 一宮 正和
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16), 53 Pages, 2001/00
重金属冷却高速炉プラントの有望概念を追求することを目的として、複数のプラント候補概念を対象に概念設計研究を実施し、技術的成立性、経済性の観点から各々の概念に対して比較評価を行った。高荷重条件下での構造健全性の技術的成立性の観点から大型炉よりも中型炉の方が課題が少ないこと、冷却材については運転許容温度範囲やメンテナンス性等の点で鉛よりも融点の低い鉛ビスマスが有利であることから、有望概念として鉛ビスマス中型モジュ-ル炉を摘出した。更に、鉛ビスマス中型モジュ-ル炉(40万kWe)に対して、完全自然循環炉心冷却方式を採用した場合の概念設計研究を実施し、プラント建設コストの概略評価を行った。その結果、更なる出力増大(55万kWe)とモジュ-ル生産効果等により目標値であるプラント建設費20万円/kWeが達成できる可能性のあること、炉心設計については更なる改善が必要であること等を見出した。
三原 隆嗣; 江沼 康弘; 田中 良彦; 梅津 陽一郎; 一宮 正和
JNC TN9400 2000-079, 189 Pages, 2000/07
中長期事業計画を受けて、平成11年度から本格的に開始したFBRサイクルの実用化戦略調査研究では、多様なFBRプラントの技術選択肢について検討を実施している。本報告書は、これらの技術選択肢の内、重金属冷却高速炉概念について検討を実施し報告するものである。今年度は、大型鋼製炉容器鉛冷却炉、大型ポンド式炉容器鉛冷却炉、中型モジュールタンク式鉛冷却炉及び中型モジュールタンク式鉛一ビスマス冷却炉の4概念を検討し以下の結論を得た。・大型炉タンク方式概念は、冷却材の比重が大きいことから荷重条件が厳しくなり、重量過大となることで経済性のメリットが見いだせない。・ポンド式の概念では、ISIを考慮したコンクリート断熱層の重量が過大・ループ式の概念では配管引回し等は困難、トップエントリ方式もトリチェリ真空防止でカバーガス圧が過大となり成立性見込なし。解として2重管スライドジョイント方式を選定したが防蝕被膜との両立性に難あり・中小型モジュール方式では、NSSS物量は現在概念設計を実施しているナトリウム冷却炉に比較してまだまだ過大であるものの、今後の研究の進展により物量の削減を図れる見通しである。・ビスマス資源量は有意な問題とはならないと考えられるものの、価格については今後も検討が必要。以上の検討結果により、2000年度に検討する有望な炉型として中型Pb-Biタンク型炉を選定した。
三原 隆嗣; 早船 浩樹; 江沼 康弘; 梅津 陽一郎; 石川 浩康; 川崎 信史; 小林 順
JNC TY9400 2000-024, 706 Pages, 2000/06
1999年度より2年間予定で実用化戦略調査研究フェーズ1を実施している。本報告書は実用化戦略調査研究の中で対象としたFBRプラントシステムについて、技術的成立性、経済性等の観点から検討を加えた結果をフェーズ1の中間段階、すなわち1999年度の成果としてまとめたものである。1999年度では、FBRプラントを構成する冷却材及び燃料の組合わせとして現状考えられるものは全て対象にし、同時点での技術情報に基づき、冷却材ごとにプラントシステムの技術的成立性及び経済的成立性について中間評価した。その結果、冷却材ごとにプラントとして有望なシステムの骨格が明確になりつつある。2000年度はさらに検討を進め、フェーズ2で取り上げるべき対象を絞り込んでいく予定である。
三原 隆嗣; 田中 良彦; 江沼 康弘
IAEA-AGM on Design and Perfomanceof Reactor and Su, 0 Pages, 2000/00
重金属冷却高速炉プラントの有望概念を有望概念を追及することを目的として、複数のプラント候補概念を対象に概念設計研究を実施し、技術的成立性、経済性の観点から各概念に対して評価を行った。高荷重条件下での構造健全性の技術的成立性の観点から大型炉よりも中型炉の方が課題が少ないこと、冷却材については運転許容温度範囲やメンテナンス性等の点で鉛よりも融点の低い鉛ビスマスが有利であることから、有望概念として鉛ビスマス中型モジュール炉を摘出した。
三原 隆嗣
第5回日韓PSAワークショップ, 0 Pages, 1999/00
高速炉モデルプラントの原子炉停止時の安全向上に資することを目的として、評価用に設定した定検時系統運用計画を基に炉停止時レベル-1PSAを実施し、事故管理方策のリスク低減効果を評価した。事故シーケンスの定量化に当たっては、猶予時間が十分に長いことを考慮し、機器の修理効果に加えて計画メンテナンス状態の系統の復帰操作や代替手段確立操作等の事故管理方策を考慮した。評価結果を基に支配的シーケンスを同定するとともにリスク増加の支配要因やリスク低減要因を分析した。本評価で対象とした定検時系統運用計画では、計画メンテナンス系統の存在により機能の多重性が減少する場合がありえるが、猶予時間が十分に長いことから事故時対応操作の効果(成功確立)が大きく、結果的に停止時のリスクは十分に小さくなっている。停止時プラントの安全の維持・向上のためには、適切な事故対応方策の準備が重要である。
Yang Jin An*; 三原 隆嗣
JNC TN9400 99-013, 89 Pages, 1998/12
成功基準が時間と共に変化するシステムの信頼度をより現実的に評価することを目的として、使命時間を複数のフェイズに分割して評価を行うフェイズドミッション解析コード:PHAMMONの開発を行っている。大規模なシステムモデルにも適用可能とするためモンテカルロ法を採用しており、既に強制遷移法と故障バイアス法という2種類の分散低減法を取り入れている。しかしながら、評価対象によってはこれらの方法のみでは分散低減の度合が不十分な場合もあり、本研究ではさらなる改良を目的として、頂上事象成立バイアス法を適用した計算アルゴリズムの改良を行った。頂上事象成立バイアス法では、任意のシステム状態から各々のカットセット成立状態までの遷移の起こりやすさを指標化した「遷移距離」を計算し、機器の運転成功から故障状態への状態遷移のサンプリングを「遷移距離」の最も短いカットセット成立に向けてバイアス(偏向)させることにより、カットセットが成立する有効ヒストリーをより効率的に発生させようとするものである。上述の頂上事象成立バイアス法をPHAMMONコードに導入し、大型高速増殖炉モデルプラントの崩壊熱除去系を評価例として適用計算を実施した。その結果、本方法はモンテカルロ法による出力結果の分散をさらに低減する上で有効であるとの結論を得た。
三原 隆嗣; 丹羽 元
JNC TN9400 99-003, 48 Pages, 1998/12
受動的安全機能を考慮した確率論的安全評価手法の確立を目的として、電気出力60万kWe、炉心周辺部に1層分のガス膨張機構(GEM)集合体、後備炉停止系にキュリー点方式自己作動型炉停止系(SASS)を設置した高速炉プラントに対するULOF事象初期段階のイベントツリーを事象推移の解析結果を基に構築した。GEMのみで事象静定に至らない場合であっても、ポニーモータの起動に成功すれば事象推移は緩慢となり炉心冷却材の沸騰開始までに時間的余裕が生ずることから、原子炉手動トリップ操作による事象静定のパスを考慮してイベントツリーを展開した。作成したイベントツリー(E/T)と、モデルプラントを参考に作成したフォールトツリー(F/T)モデル(炉停止機能、ポニーモータ)を組み合わせることにより、冷却材沸騰に至る条件付きシーケンス発生確率の予備的な評価までを実施した。これにより、評価は予備的ではあるものの、GEMとSASSの併用により、ULOF発生時であっても冷却材沸騰に至るシーケンスの割合を10の-3乗のオーダにまで低減できるとの見通しを得た。本研究により、受動的安全機能を考慮した確率論的安全評価のためのE/T、F/T等のシステム解析モデルの整備を図ることができた。
三原 隆嗣
PNC TN9410 96-273, 36 Pages, 1996/11
Living PASの適用例の1つとして、系統運用構成の変化に伴うリスクレベルの変動を迅速に評価するシステムの開発を進めている。計算高速化の手法としては、既に導出済のミニマルカットセット(*1)(以下mcs)に対して停止中の系統の素事象にを代入し(発生確率=1とする)、ブール代数処理により新たな系統運用構成に対応するmcsを導出するカットセットベースの計算手法がある。しかし、データ容量制限のため、確率値に基づく裾切り処理により削除された項が、系統運用構成の種類によっては重要となる可能性もあることから、結果の正確さの点で問題が生ずる可能性がある。この様な問題に対処するため以下にような改良計算手法:MPS法を考案した。(1)系統運用構成別カットセットデータの準備 評価システムの稼働に必要となる電源系等のサポート系統の最小限の組み合わせを表現するミニマルパスセットを導出する。ミニマルパスセットは、MPSi(MPSiは系統運転成功の積事象)の様にミニマルパスセット項:MPSiの論理和として表現される。各々のミニマルパスセット項に対応する個々のプラント系統運用状態の下で評価システムのmcsを導出する。適切な裾切り値の設定により、当該系統運用状態の下で発生確率の点から重要となるmcs項の抜け落ちを防止することができる。(2)特定の系統運用構成条件に対するミニマルカットセットの導出 ある特定の系統運用構成は、評価システムのミニマルパスセット中の何れかの項のブール代数和として表現できることになり、対応するミニマルパスセット項を選択する。選択されたミニマルパスセット項に対応するmcs((1)で導出)についてそれらの積事象を作り、ブール代数演算により縮約・簡単化を行えば、その結果が特定の系統運用構成の下でのmcsとなる。このMPS法を高速炉モデルプラントの停止時崩壊熱除去系の信頼性評価に適用した。フォールトツリー手法や従来のカットセットベース手法による計算結果との比較から、MPS法の有効性を確認した。(*1)評価対象システムが機能喪失となるための、機器故障や人的エラー等の必要最小限の組み合わせであり、mcs=mcsi(各々の項:mcsiは素事象の積事象。例えば、mcsi=機器A故障機器B故障)のようにブール代数式で表現される。
日置 一雅; 栗坂 健一; 三原 隆嗣
PNC TN9410 93-134, 223 Pages, 1993/05
高速炉プラントを対象として確率論的安全評価(PSA)を実施した。本研究の目的は、概念設計段階のプラントにPSA手法を適用し、システムモデルを作成し、これに基づく定量解析により、系統的な評価・分析を行い、プラントの信頼性・安全性の向上に有効な知見を提供し、基本設計への反映に役立てることにある。解析対象プラントは、プラント工学室が主体となって平成2年度から実施してきた「大型炉設計研究」の60万kWe級の大型高速炉とした。本報告書では内的事象を対象としたレベル-1 PSAの評価結果を示す。すなわち、フォールトツリー、イベントツリー手法によりシステムモデルを作成し、炉心損傷に至る事故シーケンスを同定し定量化した。炉心損傷発生頻度定量化結果、重要度解析結果、及び感度解析結果に基づき、安全確保上重要な系統・機器、支配的な事故シーケンスの整理を行い、系統的な分析を加えることによりプラントの信頼性・安全性の向上に有効な知見をまとめた。概念設計に基づいた設計ベースの評価では、LORLとATWSの発生頻度は十分に低いレベルにあり、PLOHSの発生頻度が支配的であると評価された。想定される基本設計と最確値評価の成功基準に基づいた評価ベースでは、PLOHS発生頻度は設計ベースより約2桁低いことが示された。また、メンテナンス冷却系に補助冷却設備1ループと同等の除熱能力を持たせる設計として崩壊熱除去系の多重度を増すことによってPLOHS発生頻度はさらに約1桁減少することが感度解析によって示された。
三原 隆嗣
IAEA Technical Committee Meeting "Procedures for PSA for Shutdown and Other Low Power Operating Mode, ,
高速炉プラントの停止時(燃料交換時、メンテナンス時)において、崩壊熱除去ループの運用が常に2重以上の多重性を有している場合には、機器故障時の原因により片方ループの機能が喪失する事象が発生しても直ちに崩壊熱除去機能喪失とはならない。このような事態が発生した後では、機能喪失が生じた時刻や故障機器修理等の機能回復手段の難易に対応して、待機ループの起動操作やドレンメンテナンスループの緊急起動操作(系統予熱、ナトリウム充填、起動)が行われる可能性がある。又、修復中の故障ループ存在することで、計画スケジュールに沿って停止時の活動を遂行していくことが不可能となり、計画外の停止時間延長となる可能性も考えられる。以上のような、運用状態の変更や運用期間の変更といったプラント状態に依存した評価条件の変化を取り入れた信頼性評価を行う為には、従来のイベントツリー、フォールトツリー評価手法のみでは困難である。